公営霊園の理想と現実
皆様、こんにちは。
墓埋法改正によって施行される事が多くなった、墓地経営に関する条例。各市によってその条例の内容はまちまちですが、厳しさを増す傾向にあるという点においては、共通しています。では、どのような点が厳しくなったのか。
まず最初に、墓地を造成できる土地の条件。一例として、我が所沢市の条例を挙げますと、
(1) 墓地の区域の境界線と公園、学校、児童福祉施設、病院その他の規則で定める施設の敷地との水平距離が100メートル以上離れていること。
(2) 墓地の区域の境界線が幅員6メートル以上(墓地の区域の面積が10,000平方メートル以上である場合は、幅員9メートル以上)の道路に面していること。
と、定められています。何故、学校や公園の近くに墓地があってはいけないのか、その点にはっきりとした合理的理由が明示されないまま、このような規定が定められています。所沢市以外の市では、上記の施設以外に住宅からも100メートル離れていなければならない、と規定しているところもあります。
道路幅については、自家用車を利用する墓参客、あるいは墓参客による渋滞を配慮した上での規定と理解できますが、色々な施設から一定距離を離さなければならない、ある意味人里離れた地区に墓地を作らなければならない上に、道路幅の規定まである状況では、墓地用地に選ぶ事が出来る土地もかなり限られてきます。
この規定を満たす土地を想像した時、どんな場所が思い浮かぶでしょうか?その思い浮かんだ場所にしか、墓地を作る事が出来ないのです。
次回は霊園内の施設の条件について書いていきます。