浄土真宗のお墓と他の宗派のお墓との違い
皆様こんにちは。
終活セミナーやお墓相談室などの、消費者の皆様からご質問をいただく機会に、時々「戒名なんていらないですよね?」「なんて戒名なんか付けなければいけないのですか?」などの、戒名に関して尋ねられる事があります。そこで今回は(簡単ではありますが)戒名についてちょっとお話しします。
戒名の「戒」とは、仏教の戒律(仏教徒として守らなければならないルール)の事を指しています。つまり、戒名とは「仏教徒としてのルールを正しく守る、仏教徒としての名前」の事を指します。ですから、本来であれば、仏教徒であると自覚している人は、生前の内に戒名を授かっておくのが本来の筋なのです。ですが実際は、生前で戒名をいただいている人はほとんどいません。
私たち一般大衆は、お釈迦様のように悟りを得る事は簡単ではありません。悟りの境地(いわゆる涅槃)に至るのは、この世を旅立った後、という方がほとんどです。この世を旅立ち、涅槃に至れば「成仏」するわけですが、仏教徒ではない人は、成仏する事が出来ません。亡くなった方には成仏していただかないと「浮かばれ」ません。そこで死後に、ご家族の方で手配して、後から戒名をいただく事が多くなったのです。
確かに、戒名をいただく事自体、意味を見いだせないという方もいるかもしれません。しかし、戒名をいただく事によって、残されたご家族が「故人は成仏してくれた」という安心を得られるという働きもあるのです。単なる儀礼という事だけでなく、ご遺族の安心を得るための機能としても、戒名に注目する必要があると思います。