墓地需要の移り変わり(1980年代~2010年代)
前回のコラムの続きです。永代供養墓のメリット/デメリットについて、具体的に書いていきます。
永代供養墓のメリットは、何と言っても、将来にわたってお墓の面倒を管理者である寺院や霊園が見てくれるということです。係累が途絶えてしまってお墓が無縁になってしまうということは、誰しも不安に感じるところです。永代供養墓にあらかじめ申し込んであれば、お子さんがいらっしゃらない方でも安心してお墓の利用が出来ます。
また、永代供養墓の多くは1~2人用と小さいお墓が多いので、ある程度費用を抑えることが出来ます。
デメリットとして一番大きいのは、お墓参りをする張り合いがない、ということです。確かに、管理は全て寺院任せ、霊園任せに出来るというのは楽かもしれません。しかしながら、お墓のお掃除をする、草むしりをする、お線香とお供物をあげて手を合わせる、こういった一連の行為を通じて、家族や今生かされている自分に対する「ありがたさ」を感じることがお墓参りの良さであるわけですが、永代供養墓ではそれを感じることが出来ません。また、最終的には合葬(他の方のご遺骨と合祀)になってしまう所が多く、その事に抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
費用面でいうと、使用料・工事代が一般的なお墓に比べて安いのは確かなのですが、墓地・霊園によっては、一般的なお墓とあまり差額がない場合もあります。また、管理費については一般のお墓とほぼ同額がかかると思っていただいた方が良いです。
ご家族やお身内の方がいらっしゃらない場合、永代供養墓は現実的な選択として必要だと思います。しかし、お墓参りしてくれる人がいるにもかかわらず、「楽だから」「安いから」「今話題だから」という理由で安易に飛びついてしまうと、後々後悔することも十分あり得ます。ご家族としっかりと相談の上、皆様のライフスタイルに合ったお墓を選んでいただければと思います。