墓地を予約するには
毎日暑い日が続いております。逆に冷房のせいで夏風邪を引いてしまっている方も見受けられます。
お身体にはお気をつけ下さい。
さて、今日は首都圏の墓地需要の移り変わりについて書かせていただきます。
私がこの仕事を始める前の1980年代後半頃、いわゆる「お墓ブーム」というものがありました。時はいわゆるバブル経済期、様々な高級品が買いあさられる中、墓地や墓石もまた、「今のうちに買っておこう」という一種のブームが巻き起こりました。当時、仕事をしていなかった私は直接見てきたわけではありませんが、石材店が営業を行わなくとも、どんどんお客様が墓地を予約していただけたそうです。今となっては考えられませんが・・・。その「お墓ブーム」の時期は、東京都内にお住まいの方が、埼玉県の墓地を買いに1時間以上かけてお見えになることも珍しくなかったようです。
ところが、皆様もご存じの通り、儚くもバブルははじけ、一気に反動のような不況が巻き起こりました。我々の石材業界も当然ながらその影響を受け、さらなる営業努力を求められるようになりました。時期を同じくして、東京都内の土地が値下がりをし、売り手がつかない土地に霊園が出来るという現象が起き始めました。今まで埼玉県や千葉県に墓地を買いに出ていた都民の方々が、狭くとも手近な墓地を求める傾向になってきたのです。ブーム時に作られた霊園の中には、当初の想定よりも来客数がグッと減ってしまった墓地もあります。
さらに時代は変わり、現在。都内で霊園が作られるごとに反対運動が起きるようになり、東京23区で新たな霊園が作られることはほぼなくなりました。都民の方々の墓地需要の受け皿として、再び埼玉県などの郊外の墓地に脚光が浴びせられるようになりました。とはいえ、23区にお住まいの方がお墓参りをするために移動する時間はあまり増えず、墓地探しも東京都と県境を接している地域に限定されているようです。そういった需要に応えるため、県境付近での霊園開発が進められてきましたが、前にも書きましたように、条例の規制強化によってこの当たりでもまた、新規開園が困難になりつつある状況です。
時代の移り変わりで墓地需要の在り方も変わります。この需要をどのように受け止めていくのか。我々石材業界だけではなく、都道府県、市区町村レベルで対応を考えていかなければならない課題です。