墓地需要の移り変わり(1980年代~2010年代)
全ての良条件を兼ね備えた墓地がないのだとしたら、お墓探しの際に優先すべき条件は何か。私は、「自宅からの近さ(お参りのしやすさ)」だと思っています。
せっかく作るお墓。お参りがされないのでは意味がありません。予算を優先するあまり、ご自宅から2時間かかるような墓地を買って、後々後悔したというお話しも良く聞きます。遠い→お墓参りの頻度が下がる→墓地が荒れる→荒れた墓地には行きたくないのでお参りしない→さらに墓地が荒れる・・・という悪循環に陥ってしまうケースを、私は何度も見てきました。
もちろん、お墓を買う予算という物はそれぞれのご家庭で限られています。お墓にかかる費用は、墓地の使用料と墓石の工事代金、年間管理料に分けられますが、安くて遠い墓地より、少々使用料が高くてもお参りしやすい墓地の方が、後々の満足度が違ってきます。墓地の大きさや建てる墓石の種類などは、残された予算の中で選択していけば良いことだ、と思うのです。
私は石屋ですから、墓地にお金をかけるより墓石(工事)にお金をかけてもらった方がありがたいです。しかし、どんなに立派なお墓を建てても、お参りされないのではあまりに忍びないです。お墓はお参りしてこそ、その価値があるのです。