角地のお墓は何故人気?
今回は今までの一連の話からちょっと変わりまして、最近の民営霊園での傾向のお話を書きます。
民営霊園は、経営する事業主体(財団法人や宗教法人)が、事業計画に則って運営しています。当然ながら、年間どれぐらいのペースでお墓が売れていくか、ある程度の目算を立てています。ところが、なかなか計画通りには行かないもので、思うようなペースで売れていかない霊園もあります。
お墓の販売をコンスタントなものにすべく、各霊園とも、一般消費者の方に向けて趣向を凝らした形態の墓地を考えるにつれ、その時々の傾向(トレンド)と言うべき物が生まれることがあります。一時期、作られることが多かった「芝生墓地」などがそうです。現在、各霊園で作られる事が増えてきた墓地に「ゆとり墓地」というものがあります。
「ゆとり墓地」とは、墓地の面積に対して、墓石を建てる面積を減らすことにより左右にゆとりを持たせ、両隣の墓地との間隔を開けるタイプの墓地のことを指します。元々、墓石工事代金を抑えることを目的とした副産物的な形態だったのですが、両隣との間隔が空いていることが好評をいただき、作られることが増えてきました。
ただ、冷静に考えてみると、両隣のお墓同士で同じタイミングでお参りされることはほとんどありませんから、その「ゆとり」にこだわらなくてもあまり問題はありません。見た目のゆとりを求める余り、本来、一番考えるべきである「お墓参りのしやすさ」の部分の検討をおろそかにすることの無いよう、注意が必要です。