弁護士に「専門分野」はありますか?
よくいただくお問い合わせとして,「電話(メール)での相談はできますか?」というお問い合わせがあります。
これについては,誠に申し訳ありませんが,原則として電話・メールでのご相談は行っておりません。
確かに,気軽にご相談いただくためには電話やメールが便利なのですが,以下の理由から責任を持ったご回答ができないため,お断りせざるを得ないのです。
1 電話(メール)では事実関係が十分把握できない
法律相談においては,まず相談者の方のお悩みごと(何を弁護士に聞きたいか)を確認し,その上で法的なアドバイスをするために必要な情報をできるだけ多く伺う必要があります。
たとえば離婚のご相談であれば,結婚してから離婚を決意するまでに何があったかをお聞きしないとアドバイスができませんし,相続であれば,家族関係や相続財産の内容,あるいは相続人間でこれまでどのような話があったかを把握する事が不可欠です。
交通事故になるともっと複雑で,過失の判断であれば事故の現場の状況,信号の有無・表示,双方の車の動きなど,事故の客観的状況の情報が多数必要ですし,賠償範囲になると,怪我の内容や車の損傷状況など,資料や写真をみないとわからないことがほとんどです。
このように,電話やメールでは複雑多岐にわたる状況を弁護士が正確に把握できず,事案に応じた適切なアドバイスをすることが難しいのです。
2 電話(メール)では時間に限りがある
当事務所での法律相談では,極めて簡易な相談を除いて,概ね45分~1時間程度の時間を使って事情を伺い,ご説明をさせていただいています。 逆に言うと,法律相談で事案に応じてわかりやすく回答するためには,どうしてもある程度まとまった時間が必要なのです。
そのため,法律相談の御依頼も原則として予約制とさせていただき,十分な時間を確保した上でゆっくりとご説明させていただいています。
電話での相談では,予めご予約を頂く性質のものではなく,他の業務の合間を縫っての対応となりますので,面談相談のようなまとまった時間を取ることができません。
また,メールはご相談事項についてやりとりのタイムラグがあるため,どうしてもスムーズな応答が困難になるという問題もあります。
当意即妙なご対応をさせて頂くためにも,面談相談をお願いしております。
3 電話・メールでは不十分な説明になる危険がある
法律問題は得てして複雑な場合が多く,一度説明を聞いただけでは理解できないこともままあります。
当事務所では,ご相談をお受けする際に,パソコンやホワイトボードなどを利用して,可能な限りわかりやすくご説明をするよう心がけておりますが,電話やメールではこのような説明が困難です。
また,複雑な事案や,ご相談者でお手続きが必要な事案については,資料やメモをお渡しすることもありますが,これも面談でのご相談でないと困難です。
もちろん,弁護士において事案の詳細を十分把握できない場合,相談のご回答が一般論の域にとどまったり,不正確なアドバイスとなる危険もあります。
4 例外的に電話・メールでのご相談をお受けする場合
当事務所においてご相談者の側のご事情が予め把握できており,簡易なご相談で電話・メールでの対応が可能な場合には,例外的に電話・メールでのご対応も行っております。
顧問契約を締結頂いている場合には,顧問先のご事情について当事務所でも十分把握できるため,電話等での相談でも上記問題が発生しません。(もちろん必要があれば来所又は訪問の上ご対応いたします)
頻繁に弁護士に相談する必要がある場合,あるいは気軽に電話やメールで相談できる弁護士が必要な場合には,是非顧問契約をご検討ください。