ある日常の風景
当事務所に寄せられるお電話でよくお問い合わせ頂く内容として、
「○○という事案について依頼を受けてもらえますか」「××について依頼した場合の費用は幾らですか」というものがあります。
確かに、弁護士に依頼したくて法律事務所を訪ねる訳ですので、依頼を受けないのが判っていれば相談に行かないのは当然ですし、
依頼をするにあたって、弁護士費用がどれくらいかかるのか、ということもご心配だと思います。
しかしながら、同じ人間が世の中にいないように、事件も依頼者によって様々です。
例えば、交通事故であれば、過失割合が争点となるのかどうか、お怪我や後遺症があるかどうか、相手方が任意保険に加入しているのかどうか等々、ケースによって対応や難易度はそれぞれです。
離婚事件でも、依頼者が夫か妻か、子供はいるのかどうか、離婚原因は何か、など、事案の要素をあげていけばキリがありません。
そのほかの事件でも、相手方の対応やこれまでの交渉経過、証拠の有無・内容など、具体的にお話を聴かないと見通しが判断できないことがほとんどです。
また、既に相手から相談を受けている場合や、事件に何らかの関わりがある等で、ご依頼を受けられない場合もあります。
ご依頼を受けられるかどうかは、相談を受けてみてはじめてわかる場合も多いのです。
そのため、当事務所も含めて、多くの弁護士事務所では「まずは法律相談を受けていただき、相談でお聴きした事情をもとに見通しや費用をご提案する」ことが原則になります。
その意味で、法律相談は病院での診察や、車の整備における点検と考えていただけるとわかりやすいかもしれません。
お医者さんも患者さんの話を聞いて検査しないと診断や薬の処方はできないですし、
車の修理も、まずは車を工場に預けてチェックしてもらって、不具合がある部分を修理しますよね。
弁護士にとっての法律相談も同じです。
とはいえ、弁護士に相談したことはないし、30分刻みで費用がかかるのも不安、という方もおられると思います。
私もご相談に見えられた方で、時間を意識したのか、直ぐに答えを出してほしいというご希望があったり
なにを相談していいかどうかわからず、黙ってしまった方がおられたり、という経験があります。
弁護士も相談者の方が緊張することなく、心配事をすべてご相談できるよう配慮しておりますが、それでもどう話していいか…というご心配をお持ちの方に、法律相談のコツをご紹介したいとおもいます。
1 今なににお困りか、どのような解決を希望するかを弁護士に伝える
病気で医者の診察を受ける場合、「どんな症状があるか」をお医者さんに伝えますよね。
弁護士にも同様に、今なにで困っているかを伝えていただけるとアドバイスを考える上で非常に助かります。
2 事実経過を予め整理する。
法律判断の前提として、どのような事実があったかを正確に把握することが重要です。
事実を一番よく知るのは相談者ご本人ですが、いきなり弁護士から事実関係を聞かれても
どう説明していいかわからないことがほとんどだとおもいます。
説明が混乱すると、弁護士も事実関係の把握ができませんし、相談時間もかかってしまいます。
これを防ぐには、予め「何があったかを時系列にそって整理していただく」ことが重要です。
3 できれば事実と意見・推測を区別する
なかなか難しいことですが、事実と推測や意見が混ざり合ってしまい、
弁護士が聞いて、なにが事実かわからないことがよくあります。
もちろん、トラブルの渦中にある場合に冷静に対応することは難しいことです。
しかし、難しい状況にあるときこそ、冷静に事実関係を把握することが重要です。
なお、当事務所では交通事故・借金問題については相談料無料としてお気軽にご相談できるようしています(2014年2月26日現在)。
相談時間も急な相談以外では、若干の余裕を持ってご予約を承っております。
(夜間・休日のご相談も弁護士のスケジュールが許す限りご対応させていただきます)
費用も「30分程度」として、若干の時間超過であれば追加費用はいただいておりませんので
時間を気にせず、ゆっくりとご相談いただければと思います。
(なお,上記記事は当事務所のホームページに掲載したコラムを転載したものです)