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住宅にホームエレベーターを設置する

田原稔久

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テーマ:バリアフリー


思い切って、家にエレベーターを

滑車とロープを使って物を上げ下ろしする — エレベーターの起源は、なんと古代ローマにまで遡り、考案者はあの有名な物理学者・アルキメデスだと言われています。しかし、そんな天才・アルキメデスでさえ、2000年以上も時を経た未来には、高齢者のために自宅に自動で動くエレベーターを取りつけることが出来るようになる、とまでは想像しなかったかもしれません。

ということで、今回は2015年10月のコラム「3階建て住宅のためのエレベーター」でもご紹介しましたが、バリアフリー化にともなって、家にホームエレベーターを設置する際の注意点について考えてみたいと思います。

ホームエレベーターを設置することの利点は、足腰の弱くなった高齢者の方が簡単に二階、三階への上り下りが行えることはもちろん、階段での転倒事故を防ぐことにもつながります。お値段は200万〜が相場で他にも様々なランニングコストがかかるなど、まだまだ低価格とは言い難いホームエレベーターですが、思い切ってご購入をお考えの方は、これからご紹介する情報を、お買い上げの際の一助として頂ければありがたく思います。

ホームエレベーターの確認申請について

2015年のコラムでも書きましたが、安全に関わるホームエレベーターの設置は役所への確認申請が必要です。エレベーターを屋内にとりつける場合も確認申請が必要ですが、家の外部にとりつける場合は、さらに増築工事の確認も必要になってきますので(ただし防火、準防火指定地域以外にあり、10m2(平方メートル)以下の増築であれば不要)施工業者にしっかりと確認しておきましょう。

また年に一回の役所への定期報告が義務づけられていますので、点検などのメンテナンス費用がかかること、住宅改修の介護保険助成金の利用は出来ないことなども念頭に入れておかなくてはなりません。

将来はホームエレベーターを、とお考えの方に

便利さはもちろん魅力だけれども、やはりコストはかかるホームエレベーター。ここまでのコラムを読んでいただき、「将来的には導入を検討したいけれども、今すぐには…」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。そんな方はエレベータースペースの確保と構造的な補強だけを済ませておき、それらのスペースを普段は収納や吹き抜けとして利用しておけば、いざ取り付けたいという時にスムーズな作業が期待出来ます。

遠からぬ未来には、一家に一台の必需品となっているかもしれないホームエレベーター。様々な可能性を見据えて、どんな状況にでも対応出来るバリアフリー化を目指したいものです。

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田原稔久
専門家

田原稔久(建築家)

田原建設株式会社

新築、リフォーム、アフターメンテナンスの三拍子がそろう住まいづくりに徹し、2世帯の長期優良住宅を多く建設。自身が阪神・淡路大震災の体験もあり、耐震等級3の地震に強い住宅を採用する

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