国際取引・契約を取り扱う弁理士
小原望
Mybestpro Interview
国際取引・契約を取り扱う弁理士
小原望
#chapter1
「国際取引や英文契約、紛争解決などと言うと、国家レベルや一部の大会社だけの話、個人や中小企業には無縁……そう思われてはいませんか?でも、実は思いのほかとても身近な問題なんですよ」
そう教えてくれるのは、大阪市のビジネス街・南森町に「小原法律特許事務所」を構える小原望さん。弁理士・弁護士として約40年のキャリアを有し、これまでも重要な公職を歴任して日本の法曹界に大きく貢献してきました。
民事事件や家事事件、企業法務、知的財産権などの業務に併せ、小原さんの真骨頂といえるのが国際契約関連業務です。今でこそ経済のグローバル化という概念が一般化し、法の世界も海外を視野に入れる考えかたもポピュラーになってきていますが、小原さんは40年も前にいち早くそこに着目。
「これからは国際化の時代。法の世界も海外との相互関係を無視しては成り立たないというのが学生時代大変お世話になった恩師の常とう句で、その考えに大いに触発されました」司法試験合格後、落ち着く間もなく今度は英語の猛勉強。フルブライト留学生としてハーバード大学大学院を修了した後アメリカで就業し、実務感覚を養ったといいます。
#chapter2
打てば響く受け応え。「いつも表情が硬い、こわいって言われてね(笑)」。確かに厳格な第一印象は抱いたものの、取材を進めるうち、趣味のゴルフの話題やカラオケの十八番の話も飛び出し、むしろ表情豊かな印象です。でもそんな小原さんが神妙な面持ちになったのは「契約観念」について話題が及んだ時です。
「日本人は契約観念が希薄すぎます。規模にかかわらず、契約は本当に大事。クライアントにいつも言うのですが、契約(書)は形式的な儀式ではなく、本来は欧米人が考えるように“そこに書かれている内容がすべて”。特に対海外企業の場合など、日本企業側は相手に言いにくいことを初めに出さず、何かあってから最後に出す、昔は美徳とされていたこの日本人気質が災いしてトラブルに発展するケースが多いんです。角を立てたくない、という理由で相手の主張をうのみにしてしまうんですね。この状況では残念ながら権利義務の確立も難しいまま」
海外と対等にわたり合える「契約観念」の啓発に力を入れたいと語る小原さん。小規模企業・個人でも海外と直接取引する事例が増える中、その重要性を大阪でも広めたいと考えています。「法の知識で、地元企業や個人依頼者をサポートできればうれしいです」
#chapter3
さらに、この「契約」が主軸となる注目のビジネスモデルについてのお話が。「これまで起業といえば、数億単位で借金をし、資金・工場・不動産など、すべて自らが準備をしてからスタートする考えが主流でした。でも、もはやそんな準備ができなくても契約を起業活動の武器にできるのです」
例えばアメリカで大ヒットした商品を国内でもヒットさせたいとします。まずはその会社との「ライセンス契約」ないし、「販売店契約」。そして国内でライセンス生産する場合には「製造委託契約」。さらにそれを売るための「販売委託契約」と、段階ごとに必要な契約を結び、自らは大きな工場や店舗がなくても事業を成功させた前例も少なくない、そう語る小原さんの声に力が入ります。
現在、世界随一の法曹団体『IBA(国際法曹協会)』の公益活動部門の理事を務めるなど年5〜6回は海外に。「海外の人脈強化も大切ですが、文字情報だけでは得られない“本当の状況”が把握できることが何よりですね」これからは日本がもっと真の国際力をつけ、ドバイやシンガポールのように世界金融の中心にならなければ、とも。
小原さん以下、アメリカ人アソシエイトを含め弁護士は4人。軽いフットワークと親密なコミュニケーションが持ち前のアットホームな事務所です。国際契約はもちろん、身近な法律の悩みも真っ先に相談を。
(取材年月:2009年10月)
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国際取引・契約を取り扱う弁理士
小原望プロ
弁護士
小原・古川法律特許事務所
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