賃料滞納による契約の解除
今,テレビなどで何かと話題の坂本竜馬ですが,竜馬も遺言書をつくっていたことを,皆さんはご存知ですか?
遺言とは,財産や家族に関する法律関係を,死後に言い残す意思表示のことを言います。遺言書を作成しておけば,死後に自分の財産をゆかりの深い人に譲ったり(これを「遺贈」といいます),子どもの後見人を決めたりすることができます。また,遺言で子どもを認知したり,先祖をお祀りする人(祭祀主宰者)を決めたりすることもできるんですよ。
遺言書は,法律で定められた形式でつくらないと効力が得られませんが,そのつくり方としてわが国の民法は7種類のメニューを用意しています。
そのうち,いちばん簡単につくることができるのは「自筆証書遺言」です。これは,紙の上に,遺言内容の全文,日付,氏名をすべて自筆で書き,押印すればでき上がりです。
ただ,自筆証書遺言には員や日付がないなどの方式の不備があるとして,後から遺言の効力をめぐって争いになる場合もあるようです。また,遺言をした人の死後に家庭裁判所で「検認」という手続きを経ないと,相続登記など遺言の内容を実現する手続きができません。
これに対し,いちばん安全で確実なのが「公正証書遺言」です。これは,遺言をする人が,二人以上の証人に立ち会ってもらって,公証人に遺言の内容を口頭で話し,公証人がこれを筆記して作成します。
公正証書遺言は,作成費用がかかるものの,法律の専門家である公証人が関与するために,後になって方式に不備があるなどとして争いが生じるおそれがほとんどなく,その点が大きなメリットです。原本は公証役場に保管されるので,紛失や変造の心配もありません。家庭裁判所で検認をする必要もありません。ですから,ある程度の額の財産について遺言を残す場合には,公正証書遺言にしておく方がいいかも知れませんね。
このように,遺言の作成自体は比較的簡単ですが,のちに争いを残さないように法的に適切な遺言をつくるのには,専門家のアドバイスが必要です。みなさんも,一度お近くの弁護士に相談されてはいかがでしょうか。