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くらしと法律2 紛争の法的解決

小原望

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2.紛争の法的解決

 社会生活を営むうえで必ず生じるのが紛争です。
 たとえば、金銭貸借をめぐる貸主と借主間のトラブル、家屋の明渡しをめぐる家主と借家人間のトラブル、離婚や相続等の夫婦・親族間の紛争、公害に関する企業と住民との争い等です。
 昔は強者のわがままに対し弱者が泣き寝入りをしなければならないこともありましたが、近代憲法の下では「法の下の平等」(憲法14条)が保障され、一般市民が国を相手に訴訟を提訴することも認められています(「裁判を受ける権利」憲法32条)。その代わりかかる紛争も一定の手続に従って解決することが求められていて、自分勝手な権利の実現はしてはならないことになっています(自力救済の禁止)。
 いろんな紛争の法的解決のうちで最も強力な解決方法は裁判です。裁判は、国家機関である裁判所が、法に従って公平に紛争の処理を行い、当事者は判決に拘束され、自発的に履行しないときには、強制執行によって判決の内容が実現されることになっています。
 紛争は当事者間の話し合うことによって示談、和解によって円満な解決ができる場合もあり、また、第三者が紛争当事者の間に入る調停や仲裁によって解決する場合もあります。このような裁判外の代替的紛争解決方法はADR(Alternative Disputes Resolution)と呼ばれています。

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小原望(弁護士)

小原・古川法律特許事務所

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