【小論文過去問から読み解こう】大学入試小論文・文学部出題事例~「細かな設問のしばりに対応するには?」~
オフィスカタリストの角野裕美(カドノヒロミ)です( ..)φ
いよいよ、国公立大学の後期試験も近づいてまいりました(。・ω・。)
ただ、今年はコロナウィルス関連で、後期試験が中止になるなど、本当に受験生の皆さんには、なかなかに大変な年となっております。
日々、受験生の方々と接している身としては、辛いところですが、ある意味、どの受験生の皆さんも同じ条件だということ、なによりも、もし後期試験が受けられるのであれば、そこは最後の最後まで最善を尽くしていく、ということで、ご一緒に頑張ってまいりませんか?
このようなときだからこそ、例年よりOffice Catalystへのお問い合わせも、今年は増えており、マイベストプロ大阪のお問い合わせフォーマットからやLINEへのおたずねに対して、とても有難く思っております。
これらお問い合わせや資料請求、個別指導、添削希望のご要望も頂戴し、なるべく迅速に、丁寧なご回答を…と、努めるこのところです。
ということで、今年は特に目立つ「新しい学部学科を受ける際のお悩み」について、述べていきますね。
首都大学東京 都市環境学部観光科学科 小論文へのお問い合わせ
「私は大学受験生で、今年の後期試験を受けます。しかし、志望校が「首都大学東京 都市環境学部観光科学科」であり、新しい学部学科のため、過去問が2年分しかありません。
資料読み取り型小論文ということもあってなかなか類似の小論文を出している大学が見つからず、困っています。
同じような問題を出す大学など、何かアドバイスを頂ければ幸いです。よろしくお願いします。 」
今回のこのご質問にもあるように、新しい学部学科であったり、過去問開示が2~3年分だけであったり…という大学は、著作権関係もあり、多くなっています。
そのため、汎用性のあるご質問と捉え、今回コラム欄にて、お答えした内容をアップすることに致しました。
ご質問の内容に関しまして、まず行って頂くようにお勧めするのは、
首都東京大学 都市環境学部 観光科学学科 後期試験小論文基本方針ページです。
リンク先は、以下の通り。
後期試験小論文基本方針ページ
しっかり読み、この大学の、特に特性のある学部学科が何を求めて、小論文試験を行うのか、をキチンと捉えることがなによりも先決事項です。
後期試験 小論文基本方針ページからわかること
ここでは、
「論理的思考に優れ、本学科が求める学⽣像に合致した⼈」を選抜する、とあります。
この論理的思考は、小論文の「段落構成」で明確に、採点官にアピールすることができます。
簡単にいうと、意見を述べる順番、です。
それは、段落構成を学ぶことで、身につきます。
小論文の内容としては、
観光に関する関⼼を問う論述問題を出題する、とありますが、これは、もう学部学科からわかりますよね。
具体的には、
○観光に関連する複数の資料を提⽰し、そこから読み取れることを総合して、⼀つの論を組み⽴てるよ
うな問題を出題する。
○ただし、解答にあたっては観光に対する専⾨的知識は必要とせず、⾼等学校までの⽂理共通分野の学習と時事問題に対する⼀般常識で解答可能な問題とする。
とあります。
受験生に対して、とても親切で丁寧なご提示だと感心します。
「観光」がメインではありますが、あくまでも、社会的な問題や課題に即して、考えてる必要がある、ということ。
都市環境学部観光科学科 小論文過去問をふまえると…!
これらをふまえ、過去問の出題を分析してみると……
○2019年出題にもあるように、「日本人の若者(20歳代)の海外旅行離れ」が問われる。
← そこに、社会の現状である「人口推計」や「年齢階級別の日本人出国率」の図表を提示し、なぜ、「日本人の若者の海外旅行離れ」が起こっているのか、を考えること。
○2018年出題にもあるように、「訪日外国人旅行者による国公立公園利用実態の特徴」を……
← 「特定の国公立公園の季節毎の利用率」や「国公立公園の特性」を示す図表から、それらの特徴や目立つポイントを読み取らせ、「なぜある国の外国人旅行者が、この公園を利用するのか、その特徴が出来る理由」を考えること
という出題も、うなずけるはずなのです。
もちろん、求める学生像が述べられている「アドミッションポリシー」や、
この学部学科での学びに関する「カリキュラムポリシー」にも目を通しましょう。
直接、小論文出題に関係ない、と捉える受験生もいますが、そうではありません。
そもそも、あなたが志望する学部学科がほしがる学生像を知らずして、受験するはずもありませんよね。
なにより、小論文の試験をすることで、「うちの大学、この学部学科にふさわしい学生かどうか」をみるのですから、出題の根本に、アドミッションポリシーやカリキュラムポリシーが反映されるのは、当然のことだといえるのですから。
具体的に、この大学をはじめ、観光系や、都市環境等の学部学科を志望のみなさん、過去問を読み、ピンときたでしょうか?
「これなら、書ける!」
と思った人は大丈夫ですが、
「全く分からない」
「出題の意図が、さっぱりわからない」
と言う人は、要注意(^_^;
志望する受験生がおさえておくべき知識とは…?
知識が不足しているだけなのですが、なぜこれらを問われるのかがわかるためにも、
「観光学」
「外国人旅行者の現状」
などを、おさえておく必要があるでしょう。
現状と、それに伴うなにかしらの課題や問題がないか、を知っておくということになります。
後期試験直前で、時間も限られているので、やはりインターネット検索がまずは、有効的です。
志望校のHPは勿論のこと、同系列の学部学科のある大学HPもくまなく読みこむことで、意外と、これらの学部学科が求める人のあり方や、考えて欲しい課題や問題が見えてきます。
つまり、それらが、小論文として出題される、ということになります。
○日本旅行業協会 旅行データバンク
https://www.jata-net.or.jp/data/
○国土交通省 観光をめぐる諸事情
https://www.mlit.go.jp/kisha/oldmot/kisha00/koho00/tosin/kansin/kansin1_.html
など、探せば沢山出てきますよ。
目を通し、知っておくべき事は、
○観光の現状
○観光をめぐる課題や問題点
○日本のみならず、グローバルな視野からの現状
等々も、おさえておきましょうね。
それらの中で挙げられている図や一覧表といった資料が、実際に出題されることもあります。
同系列の学部学科の小論文過去問は、強い味方!!
さらには、同系列の学部学科の小論文過去問も、参考になります。
たとえば……
○和歌山大学 観光学部 小論文過去問掲載ページ
和歌山大学
○奈良県立大学 地域創造学部 観光創造コモンズ 小論文過去問掲載ページ
奈良県立大学 ホームページ
などでしょう。
資料型、でなかったとしても、問われる課題や問題の方向性を掴めるから、意義があります。
それらを基にし、具体的な資料型に取り組むと良いのですが、志望校の過去問はもとより、多くの過去問が掲載されている、以下のような参考書類も、ご参考にされてはいかがですか?
○螢雪時代7月臨時増刊 全国大学 推薦・AO入試合格対策号(2020年入試対策用) (旺文社螢雪時代)
○新小論文ノート2020 (代々木ゼミナール)
多くの資料型が、解説と共に掲載されています。上記2冊は、学校には必ず置いてありますが、コロナウィルス関連でお休みかもしれませんね。図書館か、古本でもいいので、目を通すといいでしょう。
小論文に関する参考書も一冊、本屋であれこれ見比べて、一番ご自分がしっくりくるものを選んで、しっかり取り組むといいのです。
資料型は、要するに、「何がどのように問題なのか」を観光や環境系を切り口にして問われるだけなので、設問をしっかり読み、なるべく背景知識も増やしておけば、実は取り組みやすいのですよ。
過去のコラムも、ご参考に…!!
資料型ポイントはコレだけ!~福岡県立大学平成29年度前期問題
長々と失礼しました。
宜しければ、ご参考になさって下さい。
なお、添削のご依頼があれば、またお声かけ頂ければ、なるべく早いご対応を致します。
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