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自動振替サービスの導入

川口宜人

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テーマ:マンション管理費の削減

築40年以上のマンションですが、当時(40年ほど前)事業主(売主)も地元の金融機関を使って住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)のローンを組んでいました。そのため、地元の金融機関に口座を開設し、住宅ローンの返済の口座としていましたが、合わせて、管理組合の管理費等の引落口座にも使われていたのです。その後、ローンの返済も終わり、当時30代でマンションを購入された区分所有者も70歳台となりました。
この40年で金融機関の再編も進み、そのマンションの地元の金融機関もマンションから離れた場所に移りました。にも拘わらず、管理組合の引落口座だけは、時代が変わってもそのまま、残っている。新築当時の住民は、当然と受け入れている場合があります。ですがご存じのように、今はインターネット銀行等が発達し、また、クレジットカードでお金を支払う時代になっているのに、未だに、わざわざ、引落口座(地元の銀行口座)に毎月、時間を割いて入金に行ったり、個人のメイン口座から、振込手数料掛けてわざわざ振り込まれています。これは、相続等で引き継いだマンションに住んでいない子供や新しく中古で買った住民にとっては、無駄に振替手数料がかかることになり、また、非常に不便です。
最近では、自動振替サービスがあり、新しいマンションでは、ほぼ導入されています。
最大のメリットは、自分の指定した金融機関(全ての銀行、一部の農協等は除く)の口座からでも管理費等引落が可能ということです。要は、地元の指定された銀行口座にわざわざ、入金に行く、又は、振込手数料を払って入金する必要がなくなるのです。これだけでも、各個人においてかなりの削減効果があります。
その上、その地元の金融機関に対し、管理組合として、引落手数料として、戸当たり108円(400戸)なら、43200円/月の費用も掛かります。一方、自動振替ですと、例えば、戸当たり70円(400戸)なら、28000円/月の手数料が必要となります。管理組合の費用面のみ試算すると、15200円/月(年間182400円)の削減となります。(但し、400戸のマンションで試算)
結論から言うと、年間182400円の管理組合の経費削減及び各区分所有者の管理費引落口座への入金手間(又は振込手数料)が削減される例もある訳です。更に、最近マイナス金利時代を迎え、各行、振込手数料が高くなって来ています。
ただし、導入にあたっては、管理会社と良く打合せが必要で、経済的メリット以外にも検討事項があり、管理組合として検証は必要です。
このようにマンションには、色々な見えない部分で、結構、「無駄が放置」されています。常識にとらわれず、検討することが大切です。今後も管理費削減をテーマに続けてまいります。

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川口宜人
専門家

川口宜人(マンション管理士)

川口マンション管理士事務所株式会社

実務経験豊かなマンション管理士。管理費や修繕費のチェック、マンション保険の見直し、管理会社のリプレイスなどあらゆる手だてで維持管理コストを削減、快適に暮らし続けることのできるマンションを実現します。

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