供養花
雨のしょぼしょぼ降る晩に豆だがとっくり持って酒買いに・・・
訳も分からず口ずさんだこの歌。 ご存知でしたか?
「たぬきの恩返し」や「狸の手習い」などと呼ばれ
昔話で再放映されていました。
滋賀県長浜市に古くから伝わる昔話でよく聞いた歌です。
歌の意味は
酒好きの和尚さんに手習いを教えてもらったお礼に和尚さんが一番困っているのは
雨の日に酒を買いに行く事だと知り「こだぬき」が和尚さんに代わって雨の日に酒を買いに行った事を歌ったものです。
微笑ましい姿が浮かぶこの歌は「たぬき」の愛嬌からくるものでしょうか。
ところで今日はこの「たぬき」のお話です。
忘れがちになっている先日の震災。
その震災の二次災害で起きた「たぬき」の被害です。
石で出来た「たぬき」は背丈が120cmくらいでしょうか?
でっぷりと大きい「たぬき」は
ある日、建設会社のトラックで運ばれてきました。
若くてまだ二十代かと思わせるくらいの社長さんは、ちょっと イケメン!
「たぬきの顔が欠けてしまって・・・・・・・」
「直りますか?」「何とか直してください!」「お客さんに申し訳ないので」・・・・
見ると顔があちこちと欠けて大きな口も割れていました。
震災で猫の手も借りたい程忙しい時だったので
修復には 日にちを頂く事で何とかお受けしました。
その日から店内に横たわった「たぬき」が幾日もいて
「たぬき」が寝ていることが当たり前になりました。
職人は手が空いたら修復に立ち寄り作業を進めました。
そのうち職人がだんだんと「たぬき」と一体になり修復作業に貪欲になりました。
充分直っていると見えるのに「いや まだまだです・・・」と直しにやってきました。
直している表情も嬉しそうで「ドヤ顔をして見せるほど」・・・・
職人が修復にやっと満足して完成!!
数日して「たぬき」は社長さんに引き取られて行きました。
急にみんな寂しくなりましたが
携帯の待ち受け画面に納めた者もありました。
大変上手く直り「たぬき」がもとの自宅へ戻りました。
社長さんから送られてきたラインの写真を見て嬉しさで感動しました。