新入社員研修はほんとにこれでいいのか? 睡眠教育の実態を知らないからですよね
今年の夏は記録的な猛暑が続き、秋を楽しむ間もなく一気に季節が進んでしまいました。
気温の急激な変化に体がついていけず、体調を崩す人も少なくないのではないでしょうか。
気温や湿度の変化に体がついていけず、「最近なんだか眠りが浅い」「朝スッキリしない」——
そんな変化を感じている方は少なくありません。
季節の変化が、なぜ「眠り」に影響するのか。
そして、これまで意識してこなかった“呼吸”が、実は睡眠の質に深く関わっている。
今回はそんな意外な関係についてお話しをいたします。
睡眠は、気温・湿度・日照時間と深く関わっており、
季節の変化が「睡眠時間」や「睡眠の質」に大きな影響を及ぼします。
春・夏には日照時間が長く、活動リズムが整いやすい一方で、
秋・冬になると日照時間が短くなり、気温も低下。
こうした環境変化が体内のリズムを乱し、眠りのサイクルにも影響を与えてしまいます。
つまり、「季節が変わる=環境が変わる」ということは、眠りの基盤である“体のリズム”にも変化を起こしており、それが「寝付き」「睡眠中の深さ」「朝の目覚め」「日中の活動力」といった睡眠‐覚醒サイクル全体に影響します。
また最近、街中でも「口がポカンと開いている人」や「口呼吸」の方をよく見かけます。
コロナ以降、感染予防やアレルギー対策でマスクを日常的に使うことが増えました。
結果、マスクの内側で無意識のうちに口を開けて呼吸するクセがついてしまった人が多いです。
さらに、マスクを使用しない方の中にも、口呼吸が習慣化している人は少なくありません。
口呼吸は、免疫低下や歯の健康の悪化だけでなく、
集中力や記憶力の低下、さらには睡眠の質の低下にも影響を及ぼします。
特に、
口呼吸のまま眠ると呼吸が浅くなり、脳や体に十分な酸素が届かず、眠っても疲れが取れない状態になります。
「朝スッキリ起きられない」「日中ぼーっとする」「集中力が続かない」といった状態が起こります。
つまり、口呼吸は“仕事のパフォーマンスを下げる要因”でもあるのです。
口呼吸のメカニズムと主な原因
本来、人間の呼吸は「鼻呼吸」。
鼻には、空気を温め・湿らせ・ろ過するフィルター機能があり、外気の刺激から肺や喉を守る働きがあります。
鼻を通ることで空気の温度と湿度が調整され、ウイルスやほこりが粘膜でキャッチされる仕組みです。
また、鼻呼吸によって副交感神経が優位になり、心拍数が穏やかになってリラックスした状態がつくられます。
つまり、鼻呼吸は「体と脳を落ち着かせる呼吸」でもあるのです。
一方で、口呼吸は、
鼻のフィルターを通らないため、乾燥した冷たい空気が直接喉や肺に入り、粘膜を刺激します。
結果、喉の炎症・風邪・アレルギー症状の悪化を招くだけではなく、口腔内が乾燥して細菌が繁殖しやすくなります。
さらに、口呼吸は呼吸が浅くなりやすく、酸素を取り込む量が少なくなります。
浅い呼吸は自律神経のバランスを乱し、交感神経(緊張状態)が優位になります。
そのため、寝ている間も体がリラックスできず、眠りが浅く、脳が休まらないという悪循環が生まれます。
眠りが浅く、熟睡感がなくなることで、日中の眠気やパフォーマンス低下に繋がります。
特に秋は、気温差が大きく、空気も乾燥しやすいため、口呼吸には特に注意が必要です。
乾いた空気が喉を刺激し、炎症や痛みを起こしやすくなります。
また、昼夜の寒暖差や花粉の影響で鼻づまりが起こりやすく、口呼吸のクセがつく人も増えます。
結果、喉の乾燥・いびき・浅い眠りなどが起こり、睡眠の質が低下しやすくなります。
睡眠の質が“経営数字”を変える
スタンフォード大学の調査によると、睡眠不足の社員は生産性が平均20%低下。
また、厚生労働省の統計でも、睡眠時間が6時間未満の社員は、労災リスクが約2倍に上がるとされています。
つまり、「よく眠れていない組織」は、
・集中力の低下
・判断ミスの増加
・コミュニケーションの摩擦
・欠勤・離職のリスク
といった“目に見えない損失”を抱えています。
この季節、「眠りの浅さ」を放置することは、
言い換えれば“生産性を削る経営判断”でもあるのです。
参考に前回のコラムを参照
https://mbp-japan.com/osaka/inshou-higuchi-mari/column/5206293/
根性論では守れない、社員のパフォーマンス
「睡眠は個人の努力だ」「寝なくても頑張るのが社会人だ」
そうした昭和型の価値観がまだ根強く残っています。
近年、「睡眠教育(Sleep Education)」を導入する企業が増えています。
日本でも、健康経営を推進する上場企業が次々と“睡眠教育プログラム”を導入中。
睡眠を「個人任せ」にせず、「経営戦略」として扱う流れが始まっています。
単なる睡眠教育を導入に加え、日常的な呼吸法から考える
睡眠の質を向上も行うと、より身近な問題として理解を深め
対策を行うことができるのではないでしょうか。
秋の今こそ、会社全体で“眠りの整え方”を見直すタイミングです。
経営・人事・管理職の皆さんに向けて、
「なぜ睡眠教育が業績に直結するのか」を具体的にお伝えする講話を行っています。
社員の睡眠を整えることは、
売上と生産性を“静かに底上げする最強の経営戦略”です。
睡眠の乱れは、放っておくと“業務効率の低下”や“メンタル不調”にもつながります。
今こそ、企業として「睡眠教育」に取り組むことが、社員の健康と会社の成長を守る第一歩です。
秋から始める“眠りのリセット習慣”を、御社でも。
社員研修・講話会のご依頼は随時受け付けております。
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