認知行動療法(CBT)とは?セルフでも実践できる方法と効果

大城ケンタ

大城ケンタ

テーマ:認知行動療法

日常生活で

「気分が落ち込む」
「不安で落ち着かない」
「人間関係が面倒くさい」


そう感じたことはありませんか?

認知行動療法(CBT)は、考え方や行動のパターンを整理して日常生活の困りごとを改善する心理療法です。


本記事では、認知行動療法(CBT)の基本、代表的な技法、セルフでの実践ポイントをわかりやすく解説します。

特に、目標設定や小さなステップを意識することで、自分でも無理なくCBTを取り入れられる方法を紹介します。

こんにちは。
公認心理師の大城ケンタです。
よろしくお願いします。

認知行動療法(CBT)とは

CBTの基本概念

認知行動療法(CBT: Cognitive Behavioral Therapy)は、考え方(認知)と行動の関係に着目して、日常の困りごとを改善する心理療法です。

ネガティブな考え方を繰り返すと気分も沈み、行動が減ってしまう…という悪循環が生まれます。

CBTでは、この悪循環を整理し、少しずつ改善していきます。

・考え方(認知)が気分や行動に影響する

・行動を変えることで気分や考え方も変わる

CBTの進め方

CBTは以下のように、段階的に進めると効果が出やすくなります。

①アセスメント:現状の考え方や行動パターンを整理

②目標設定:短期・中期・長期の目標を明確化

③技法の実践:認知再構成法や行動活性化などの技法を使う

④振り返りと調整:達成度や困難を確認し、目標や技法を調整

例:「仕事で落ち込みやすい」場合、まず「どの場面で落ち込むか」を整理し、今までと違う行動パターンを試す中で、少しずつ気分や行動を改善できます。

CBTはどんな悩みに向いているのか

気分やうつの悩み

気分が落ち込み、やる気が出ないとき、生活全体の活力が低下します。

・家事が億劫になり後回しになる
・日常の中で楽しさや喜びを感じにくい
・外出する機会が減る
・休日は一日中寝ている

CBTでは、こうした状態でも小さな行動を増やすことで気分を活性化します。

例:朝起きて5分だけ好きな音楽を聴く、散歩に出るなど、小さな行動から始める。

不安・緊張の悩み

過度の緊張やパニックで、日常生活に支障がある場合。

・パニック発作が怖くて電車や飛行機に乗れない
・何度も戸締りの確認をしてしまう
・汚れたものに触りたくない
・他人にどう思われているか不安
・最悪の事態を常に考えてしまう

CBTでは、ネガティブな思考を整理し、安心できる行動を少しずつ増やすことで不安を軽減します。

例:「人前で話すのが苦手」なら、家族や友人の前で話す練習から始める。

対人関係の悩み

人間関係で自己主張が苦手な人は、アサーショントレーニングで、自分の気持ちを伝えつつ相手も尊重するスキルを学びます。

・自己主張が苦手で相手に合わせすぎる
・コミュニケーションのストレスが大きい
・感情が爆発して怒りをコントロールできない
・自分に自信がなく、意見を言えない

アサーションとは「自己主張」という意味で、自分も相手も大切にしながら、極端に我慢せず、怒りを爆発させず、適切に自己主張するトレーニングのことです。

例:「断るのが苦手」なら、「今は難しいけど、後日なら可能です」と伝える練習から。

生活習慣の改善

睡眠リズムや日常行動の乱れも、気分や体調に影響します。

CBTでは、問題解決技法で具体的な行動計画を立てます。

・昼夜逆転で睡眠リズムの乱れ
・スマホの見過ぎ、ゲームしすぎ
・外出や運動をしない
・食事はあまり摂らない

例:「寝る前にスマホを触ってしまう」→「寝る30分前はスマホを置く」と小さなステップで改善。

認知行動療法の進め方

目標設定の重要性

CBTの中心は目標設定です。明確な目標を持つことで、挫折しにくくなります。

・短期・中期・長期の目標を設定する

・目標が明確だとモチベーションを維持しやすい

例:「まず1週間、毎日ポジティブな出来事を1つ記録する」など、小さく設定すると取り組みやすい。

技法を段階的に実践

目標に沿って以下のような技法を使うと、改善効果を最大化できます。

認知再構成法:偏った考え方を整理・修正

行動活性化:小さな行動で気分を活性化

アサーショントレーニング:対人スキルを向上

問題解決技法:困りごとを整理し、実行可能な解決策を立てる

例:「仕事で落ち込む」場合、思考を整理(認知再構成法)、行動を小さく変える(行動活性化)、相談する(アサーション)などを組み合わせる。

振り返りと調整

日々の達成度や困難を整理

必要に応じて目標や技法を修正

振り返りをすることで、自分の変化を実感でき、次のステップへのモチベーションになります。

CBTで使われる主な技法

CBTにはさまざまな技法があります。それぞれの技法を知ることで、自分の状況や目標に合わせて柔軟に取り入れることができます。

認知再構成法

ネガティブな思考や偏った認知を整理・修正する技法です。

考え方を少しずつ変えることで、気持ちの落ち込みや不安の軽減につながります。

例:「失敗した → 次は改善できる」と考え直す

行動活性化

気分が下がったときでも、小さな行動を増やして生活を活性化します。行動を変えることで、気分の改善も期待できます。

例:落ち込み時に10分だけ散歩する

アサーショントレーニング

自分の気持ちを大切にしつつ、相手も尊重するコミュニケーションスキルを学びます。対人関係のストレスを減らすことができます。

例:頼まれごとを「今は無理ですが、後日なら対応できます」と伝える

問題解決技法

困りごとを整理し、実行可能な解決策を考える技法です。実際に行動に移すことで、問題に対する不安や迷いを減らします。

例:上司の指摘で落ち込む → 「他の人に相談する」「得意な業務に調整してもらう」など

CBTをセルフで実践するときのポイント

CBTを自分で取り入れる場合、技法だけを使うよりも目標を明確にして段階的に進める方が、効果を実感しやすくなります。焦らず、自分のペースで取り組むことが大切です。

目標設定を先に行う

まずは「何のために取り組むのか」を確認しましょう。大きな目標は小さなステップに分けると取り組みやすくなります。

例:「1日1回ポジティブな出来事を記録する」からスタート

技法を目標に沿って柔軟に使う

認知再構成法・行動活性化・アサーション・問題解決技法などを、自分の目標や状況に合わせて組み合わせて使うことがポイントです。

無理なく取り組む

小さなステップを積み重ねることが、習慣化への近道です。無理に完璧を目指さなくて大丈夫です。

進捗を振り返る

達成できたことや困難だったことを整理する時間を持つと、次の行動のヒントになります。

認知行動療法が向いていない場合

CBTは多くの人に有効ですが、すべての人に合うわけではありません。

場合によっては、他の療法や専門家の支援が必要です。無理に取り組むことでストレスになるより、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

症状が強く日常生活に支障がある

外出や振り返りが難しいほど症状が強い場合、専門家の支援を優先することが安全です。

振り返りや目標設定が負担になる

振り返りや目標設定自体が負担になる場合は、セルフでのCBTは控え、専門家と相談しながら取り組む方が安心です。

他の療法や支援が適している場合

薬物療法や傾聴カウンセリングなど、CBT以外の方法がより安全で効果的な場合もあります。無理に自己流で進めず、自分に合った方法を選びましょう。

まとめ

認知行動療法(CBT)は、考え方や行動のクセを整理し、少しずつ日常生活を改善していく心理療法です。

セルフで取り組むときも、焦らずに「目標設定→技法の実践→振り返り」のサイクルを意識することが、効果を感じやすくするポイントです。

まずは、小さなステップから始めて、自分に合ったやり方を見つけましょう。技法を一通り理解しておくと、困ったときに柔軟に活用できます。

また、必要に応じて専門家に相談しながら進めると、さらに安心です。

●目標設定を明確にする:何のために取り組むかを意識する

●技法を柔軟に使う:認知再構成法・行動活性化・アサーショントレーニング・問題解決技法など

●小さなステップで実践する:無理なく習慣化できる範囲から始める

●振り返りを行う:達成度や困難を整理し、次の行動に活かす


CBTは「完璧にやる必要はない」心理療法です。少しずつ取り組むことで、日々の気持ちや行動の変化を実感できます。焦らず、自分のペースで進めていきましょう。

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