変形地で余ったスペースの有効活用
狭小住宅を広く使うための階段
狭小住宅を少しでも広く使うためには、階段をいかに上手く配置するかがポイントとなります。
また階段は部屋を広く見せるだけでなく、配置によって上からの光を取り込んだり、風の通り道になったりもします。
今回は狭小住宅で良く見られる階段事例を通して、少しでも快適に過ごすためのヒントをご説明します。
部屋を広く明るくするための階段事例
狭小住宅を広く使うための階段として、よく使われているのがらせん階段です。通常の階段に比べ省スペースで設置できる上、階上に天窓を付ければ最上階から1階までの光の通り道となり、各部屋に明るさをもたらしてくれます。
さらに階段の踏板をグレーチングや強化ガラスにすることで、採光の効果はより一層、高くなります。
らせん階段と似た構造の階段として、折り返し階段という階段も狭小住宅では良く見られる階段の一つです。
一般的な直線の階段と比べ、横幅が広くなってしまい、かえってスペースを取ってしまうのではないかと思われがちですが、その分、踊場を上手く使うことで、狭小住宅であっても快適な空間を演出できます。
例えば廊下をなくし、踊場ごとに部屋を作るスキップフロア型にしてみる。逆に踊場を広めにとって中二階風にして子供の遊び場やPCスペース、書斎にするなどが考えられます。
また階段を壁で囲うことなく、リビングなどと一体化させることで部屋を広く感じさせる、いわゆるリビング階段も狭小住宅では良く使われている方法の一つです。
ただし採光や通風を考えた階段は、逆に冬場になると冷気の抜け道となりますので、寒さ対策も同時に考慮した設計プランが必要です。
階段の配置によって部屋の雰囲気を変える
狭小住宅を広く明るくするための工夫として、らせん階段や折り返し階段といった例をご説明しましたが、もう一つの問題点は階段の配置です。
部屋のどこに階段を配置するかによって、部屋の広さや明るさはもちろん、雰囲気も大きく変わります。
部屋の隅や壁際に配置した場合、部屋を広く使うことはできます。ただし部屋の端にあることで採光には不向きとなることもあります。
狭小住宅では部屋の中心部分に階段を配置するといった方法もよく使われています。光を取り入れた際に部屋全体が明るくなるメリットがあります。
またオープン階段にすることで、思ったよりも部屋を狭く感じさせなくすることも可能です。デメリットとしては、部屋の真ん中に階段があることで通常よりも上り下りの騒音が大きく感じられることです。
このように狭小住宅では階段の使い方一つで、快適さが大きく変わります。それぞれのメリット、デメリットを良く考慮した上で、最適な場所に階段を配置できるようプランニングしていきましょう。