仕事もゴルフも「完璧」を求めなくたっていいじゃない!

谷光高

谷光高

テーマ:社会人に役立てて欲しい「ゴルフの効用」

「完璧主義」という人は、そんなに多くいるのでしょうか?
書籍やインターネットで、「完璧主義者」の弊害について、様々な論調がでていますが、たまたま周囲にいないからなのか、よくわかりません。

ただ、実は自分がそうであって、それに自覚がないだけなのか分かりません。
たまに「完璧を求め過ぎ!」と言われますから。

完璧主義の人の特徴

職場で考えられる「完璧主義の人」は、仕事に対して高い理想を持ち、自分が目指す100点の状態以外はすべて失敗と受け止めてしまうというような特徴が考えられます。
しかも、その100点満点に導くのは、「自分のやり方がベストだ」と固く信じています。
「自分を信じている」という考え方は、とても良いことのように思えますが、それを周りに押し付ける傾向が考えられるため、少し面倒な人と思われてしまうかもしれません。
仕事で完璧を求める
「完璧主義の人」は、根が“くそ”がつくくらい真面目で、責任を強く感じてしまう傾向にあります。責任感が強いからこそ「なんとか、結果を出さなきゃ!」と頑張り、結果を出すために周りにはピリピリした空気が漂い、そういう雰囲気を、周りの人が嫌う場合があります。
「完璧主義の人」がいう「結果」とは、その人の中だけの「結果」なので、周りからすれば、「なんでそれをやっているの?」「なににそこまでこだわっているんだろう?」と思われてしまうことも少なくありません。
そして、自分が考えている「結果」がでないと、そんな自分を受け入れることができず、その現実に悩みやストレスを感じてしまいます。
このような性格は生きづらいと言わざるを得ませんね。

完璧主義のプロゴルファー

ゴルフにも「完璧主義」と言われるプロゴルファーは数多くいます。
「ゴルフに関する全てのことに対して自分が完璧でなければならない」という考え方です。こういう人たちは、他人から見ると、素晴らしいショットの連続で、スコアも良い場合でも決して「完璧」という言葉を使いません。テストで98点なのに、「だめだった」と言うタイプですね。

例えば、「ミスター・パーフェクト」と呼び名の高いベン・ホーガンニック・ファルド、そしてホーガンを崇拝しているゲーリー・プレーヤー、現代においては、カミロ・ビジェイガスなどが上げられます。
日本でも、2013年の最終戦でプロ入り11年目にして初優勝をし、それで吹っ切れたか2014年の初戦にも優勝し、年またぎで2連勝をした宮里優作プロも「完璧主義」と言われていました。

「完璧主義」ゴルファーは、練習をするとなると、とことん自分が納得するまでやるのですが、練習をいくらしても結果的に納得できないで終わることが多いそうです。

結果に対しても人一倍敏感で、自分の努力量が結果を出すと考えるタイプです。
また、小さなミスでも忘れることなく追求して直そうとします。
ニック・ファルドは「ゴルフに完璧を求めてはいけない」と言いつつ、出来る限り完璧にやろうとしました。
ゲーリー・プレーヤーは、70歳を越えた今もストイックに自分の完璧を求めるためにトレーニングを行っています。
カミロ・ビジェイガスは完璧を求め、それをより精密に行うために、あの有名なグリーンのラインを読む「スパイダーマン・スタイル」を取り入れました。

プロゴルファーの中でも、とくにストイックで孤高の人でなければ「完璧」を追求していくことはできません。
普通の神経のゴルファーでは、「失敗ばかりで上手くいかない!もうできない!」と簡単にゴルフを止めてしまうでしょう。

ゴルフは「喜び」と「嘆き」の交互作用

「ゴルフはミスのゲームだ」というフレーズを幾人ものプロゴルファーたちは口にします。ゴルフに完璧はありません。必ずミスをおかしてしまいます。そのミスの度合いや影響をいかに小さく抑えることができるかが、ゴルフにおける勝負なのだと彼らは考えています。

一般ゴルファーの中で、「ゴルフを上手くなりたい」と強く思う人の中に「完璧主義」に近い人が見受けられます。
例えば、ドライバーで自分の最高に近いショットが出ないと機嫌が悪くなる人。
アイアンでもパーオンしなかったり、またパーオンしてもピンより遠いと気に食わない人。
プロでもないのにプロと同じショットを求めるような人は、自分自身にプレッシャーをかけるだけでスコアメイクの大敵です。
バンカーショットをミスして転ぶ
ゴルフは「わかった!」という“喜び”と「なぜできない」という“嘆き”の交互作用。
レッスン書を数知れず読んで、一生懸命に練習して、そしてコースにプレーに行き、上手くいかなかったところを悩み、また練習場へ通って打ち込んでといった試行錯誤を繰り返しながら「そうか!こういうことか!!」とスイングが解ったつもりになっても、コースにプレーに行けば「やっぱり違うのかな?」とため息。「練習場で上手くいっても、広いコースにでると全然違って上手くいかない!」と嘆きます。

プロではありませんから完璧を望まず、そこそこのショットで「良し」と割り切りましょう。

仕事でもゴルフでも、今まで努力してきたことの“成果”とは、「自分にできる最善を尽くした結果に得られるもの」のことであって、“完全勝利”のことではありません。
「完全さや完璧さ」を求めるのではなく、「最善を尽くす」ことを目標にするほうが、目指すべき成果を得ることができる可能性は高くなります。

完璧なものなど何もない

この世の中、ゴルフも仕事も何事にも、「完璧」ということなどあり得ません。
このことさえ、心の底から納得していれば、さほど気にせずとも良くなりますし、気軽に楽しむことを考えれば良いと思います。
失敗しても気持ちを切り替えて、「ゴルフを通して多くの人と知り合えたし、楽しめているのだから幸せだ」と考えれば楽しくなります。
仕事も同じです。一生懸命に努力したことは無駄になることは何一つありません。
ゴルフを楽しむ
マイナス思考で物事を考えても上手くいくわけがありません。
「在るがままの自分で良いんじゃない」と前向きにプラス思考で行くことができれば、難しい場面でも意外と乗り越えられるものではないでしょうか。

もし、ゴルフや仕事の技術的な壁にぶち当たっているのでしたら、ちょっとハードルを下げて見てはいかがですか?
自分自身で勝手に難しく考えて、迷路に迷いこんでいませんか?
何も考えずに気持ちよくフルスイング!で行きましょう。
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谷光高
専門家

谷光高(ゴルフ場経営者)

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

一部の人が楽しむゴルフから、誰もが気軽に楽しめるゴルフへ。日本のゴルフ文化を変えるため、ゴルフ初心者へのサポートや子どもたちへのレッスン、学校の授業などを行い、初心者にゴルフを楽しむ機会を提供している

谷光高プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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