仕事もゴルフも「短気は損気」

谷光高

谷光高

テーマ:社会人に役立てて欲しい「ゴルフの効用」

仕事は短気で良いことなし

会社で周囲に思い通りにならないと、イライラしたり怒ったりしている人はいませんか?
独りで勝手に苛立っていたり、腹を立てたりしているのであれば、なんの問題も起こりません。しかし、それでは腹の虫が収まらず、鬱積した感情の捌け口として、“八つ当たり”されるようなことはありませんか?
実は自分自身が後輩にしているなんてことも・・・。

そのような抑圧された感情は、スポーツや娯楽によって、タイミングよく発散させることができれば理想的ですが、仕事している最中なら、そんなわけにはいきません。
つい身近にいる人に対して、激しい感情をそのままぶつけてしまいそうになります。
怒りの感情が爆発的になったときは、思考力が欠如しています。

怒りの言葉にしても、論理性に欠け支離滅裂になる。理不尽なことをいったのでは、人にバカにされるだけです。
興奮して怒ったのでは、一時的に感情をぶちまけて気分がすっとするだけです。
しかし、その場にいる周囲の人たちが気まずい思いをし、後味の悪さがずっと残ってしまいます。
たとえ追い詰められたような状況になっても、怒りによってそこから脱出しようとするべきではないのです。

ゴルフも短気で良いことなし

短気は損気といいます。
ゴルフでも、短気な人ほどスコアで損をするものです。
自分のミスに腹を立てて平常心を失い、自暴自棄になって打ってしまうこともあれば、焦って打ってミスを連発することもあります。
それが原因で、クラブを地面に叩きつけたり、放り投げたり、キャディに当たり散らしたりなど、俗に言う「キレる」というゴルファーも多くいるでしょう。

つまり、短気な人は、スコアが崩れる原因を自分で作り、その結果に怒って、さらにミスを繰り返すジレンマに陥りやすいのです。

しかも、態度に出てしまったそのイライラとした気持ちは、組全体にも嫌な雰囲気を与えてしまいます。そんな不愉快なゴルファーは、当然、同伴競技者には喜ばれません。迷惑極まりない存在です。
このような雰囲気の中で自分の精神状態を立て直すことも難しくなります。

短気を自認しているのであれば、その性格が災いにならないように努力しなければなりません。
ショットする前は慎重に、ミスしても怒らない、そしてミスを繰り返さないように、落ち着いて次のショットをする。
すぐにスコアが良くなるわけではありませんが、長い目で見ればゴルフの内容が改善されます。
また仲間も増えることでしょう。

球聖が戦う相手は「パーおじさん」

『わたしは、“オールドマン・パー”を発見してから、勝てるようになった。』

ゴルフ名言集などのトップに掲げられることが多い言葉。
ゴルフ界では、あまりにも有名な球聖ボビー・ジョーンズ(Bobby Jones)の言葉です。

“オールドマン・パー(Old man Par)「パーおじさん」 ”とは、目の前の対戦相手に惑わされずに冷静プレーするために、ボビー・ジョーンズが 想定した空想上の人物のことです。
バーディーも出しませんが、ボギーも叩かないという「パーおじさん」。
この架空のおじさんと毎ホール、戦うことこそがゴルフであるということです。

ボビーは「ゴルフとは、誰かに勝つためのスポーツではなく、各ホールのパー、言い換えれば自分自身との戦いである。」というゴルフの真理にたどり着き、それを言い換えて「 “オールドマン・パー”を相手としてプレーする」としました。

極めてシンプルな発想ですが、“オールドマン・パー”の発見はボビー最大の偉業といってもいいそうです。共感するプロのゴルファーは現在でもかなり多くいるそうです。

当時の4大メジャー大会(全英オープン、全米オープン、全英アマ、全米アマ)を一年で獲得するという同年グランドスラマーを達成し、今日のゴルフ隆盛の基をつくったともいうべきボビー・ジョーンズも、若い時は、なかなか勝てませんでした。
それはあまりにも試合で戦う相手を気にし過ぎて、短気な性格が災いしたといわれています。

10代の頃のボビーは、ミス・ショットをするたびにクラブを放り投げたり、地面に叩きつける手に負えない若者でした。
有名なのは1921年、初めて出場した全英オープン、そして初めて訪れたセント・アンドルーズのオールドコースで、最初の9ホールだけで10オーバーの46を叩き、10番ホールもダブルボギー、11番ホールもティーショットをバンカーに入れ、ダブルボギーパットも外して茫然自失、6打目のパットを打たずに、そのままスコアカードを破り捨てて棄権したというのです。
これをボビーは終生、痛恨の記憶としました。

ボビーは試合に敗れ去っていくことによって、自分の性格を見つめ直し、自分を変えたいと思うようになります。
そしてボビーは短気を克服するために、「ゴルフとは他人ではなく自分との戦いである」ということを知り、「敵は自分の内にある」ということを導きだしました。

自分の性格を見つめ直すことほど難しいことはありません。彼はそれを短期間で見事にやってのけました。
こうしてボビー・ジョーンズは「パーおじさん」と戦うことで急激に強くなりました。このことは事実として、広く知られたゴルフの常識となっています。

怒りの感情をコントロールするには

ゴルフは、18ホールズプレー、時間にすれば約5時間。
ボビーのように、常に自分自身の心と体の状態を冷静に分析しながらラウンドできるかというと、それは非常に難しいと思います。
何もない日常生活の中ですら、5時間もの間冷静でいることは不可能ではないでしょうか。

しかし、結局は、自分の感情をコントロールできるのは自分自身だけ。
仕事中やゴルフプレー中に思わずイライラしてしまう人は、まず自分に合った怒りの鎮め方を知っておきたいものです。
まずは、上を向いて空を見たり、深呼吸したりしましょう。
上を向いて深呼吸
少し余裕が出てくれば、幽体離脱したように客観的に自分を眺めてみるのも良いでしょう。今、自分がどんな姿をしているのか?どんな風に人に写っているのか?
それ考えると冷静さが戻ってくるかもしれません。

一度しかない人生、怒っている時間は少しでも短くありたいものです。
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谷光高
専門家

谷光高(ゴルフ場経営者)

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

一部の人が楽しむゴルフから、誰もが気軽に楽しめるゴルフへ。日本のゴルフ文化を変えるため、ゴルフ初心者へのサポートや子どもたちへのレッスン、学校の授業などを行い、初心者にゴルフを楽しむ機会を提供している

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