「また一緒にゴルフをしよう!」と言われる人になりたい!
努力、勤勉、正直さ、探究心といった、人間にとって基本的な価値を大事にすることで、ゴルフ界を代表する偉人の1人となったプロゴルファーがいます。
その名を「ゲーリー・プレーヤー」
ゲーリー・プレーヤー(Gary Player, 1935年~)は、南アフリカ・ヨハネスブルグ出身のプロゴルファーです。メジャー大会通算9勝を挙げ、PGAツアー、PGAシニアツアーを合わせ、ツアー通算160勝以上の実績を誇っています。アフリカから登場した最初の本格的なプロゴルファーとして活躍してきました。
今回は、そのゲーリー・プレーヤーの著書「ゴルフから学んだ誇りある生き方 」から「感謝」の項で書かれている内容を取り上げたいと思います。
感謝 ~恩返しすることによって得られる喜び
ゴルフというゲームは、ただプレーをするだけで、ゴルフ規則の第1章「エチケット」にある“ゴルフの精神”を遵守するように仕組まれています。だからこそ600年もの間、ゴルフが持つ高潔さが汚されることなく保たれてきたのです。
アイアンショットで芝生を削り取ったディボットは、土を入れてきれいに修復するように努めます。パッティンググリーンに作った自分のボールマークはディボットツールを使い、平らになるように修復します。これらは自分の後にプレーする人のことを考えてする行為です。
もし自分よりも前にプレーした人がこういう気遣いをしてくれなかった場合は、ゴルフの楽しみが半減してしまいます。
誰もがこういう気遣いをしながらプレーしているのが、ゴルフなのです。
バンカーの中に入ったボールを打つ時も、自分が作ってしまったバンカーの中のたくさんの足跡やボールを打って作った窪みをプレーヤーは注意深くレーキで砂を均します。
こんなことをしないで済むなら楽ですが、後に来る人々のことを考えると、そうする責任があるのです。
ゴルフはこうした気遣いをプレーヤーが行い続けることによって600年もの長い間、変わることなく高潔さが保たれてきました。
ゴルファーとして後から来るプレーヤーに配慮し、お互いにいろいろな後始末をするという考え方は、明らかにビジネスや人生の他の領域においても有効なのです。
ディボットを修復したり、バンカーの砂を均したりという行為は簡単なことです。
しかし、それらを行うことによって、人生のどの段階にいようとも、私たちは自分の前に生きてきた人々から多大なる恩恵を受け、自分の後に来る人々に対して、自分が受けてきた恩恵の数々を引き継いでいく責任があるということを思い出して欲しいと思います。
私たちの誰もが、自分の選んだ道の先達といった人々から恩恵を被っています。心の中でそういった人々に感謝することで、人は他の人々の助けを借りずには、自分だけで事をなすことができないということを理解するようになるのです。
そして自分がしてもらったことを人にしてあげたいと、誰もが本能的に思うはずです。それを行動に移すチャンスはいくらでもあるでしょう。
仕事の世界なら、若手社員に対し、先輩としてよき助言者になることは、その若者の成長に貢献することになります。
また、そのことによって自分自身も共に成長できるでしょう。誰かが自分のことをよき先輩、あるいは指導者と思ってくれることから得られる自尊心は、計り知れない価値があります。
もしも、あなたが相手を気遣うことによって与えた影響が、その人の夢やその後の人生を明確なものとし、またその人の夢を実現させるような機会に遭遇することができるのなら、あなた自身の人生もより良いものになるはずです。
ゴルフのプレーにおいて、前でプレーしている人たちやそのゴルフコースを整備している人たちに感謝し、そして後から来るプレーヤーたちに配慮し、ゴルファーみんながお互いにいろいろな後始末をしながらゴルフプレーを楽しむということが、将来へと継がれるより良いゴルフや人生のために大切なことである。そしてその考えは、先達が築いてくれたことを受けることができた恩恵に感謝し、その“お返し”として、他の人々の人生に良い影響を与えるために努めることへとつながり、それが自身の人生の喜びとなるだと、ゲーリー・プレーヤーは教えてくれているのですね。
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