何故浮気を白状、謝罪できないか?
私が相談を受けた事例の中で、浮気問題が完全に解決したと言えるかと言えば、正直言って100%そうとは言えません。
しかし、今抱えている胸を切り裂く様な気持ちからは脱却された方は少なくありません。
私は相談を受けた時にお客様に「今後、どうなりたいですか?」と尋ねます。
その答えは異口同音、皆様が「夫が浮気を止め、元どうりの夫婦関係を取り戻し、夫との会話が増える事」と言われます。
でもよくよく聞くと、浮気問題が起きる前は会話が多かったか?と問うと、そうではないというのです。
と、いう事は浮気問題を解決して元の夫婦に戻るにしても、それはさほど会話の多い夫婦ではなかったというのです。
では、もう一段、話を深めると、元々夫婦の会話は多い方ではなかった、という事なのです。
と、いう事は浮気問題を解決し、元の夫婦に戻った所で、会話の多い夫婦に戻れるかどうかは分からないという事になります。
元ある形以上の物には戻れないという事です。
つまり、日本人の夫婦と言う物は、欧米の様に、朝な夕なと挨拶にしろ、スキンシップはしません。
そっけないものです。それが日本人です。
でも中には夫婦の会話が多く、家事協力もし合って、趣味や行動を共にしているという夫婦はいます。
羨ましい限りです。
しかし、そんな夫婦は何もせず、たまたま相性が合うというだけで、そうなっているのではないのです。
若い頃から、相手の事を思いやり、相手の為にと倍の努力をし、そして相手を傷つけないように、言いたい事の半分は、言葉をかみ殺して過ごしてきた結果、得られたものなのです。
だから、これまで、腹が立てば思いの丈を夫の気持ち考えずにぶつけてきた妻はある意味、幸せだったのです。
言いたい事をかみ殺す、という事は、結構な忍耐力が必要です。
反面、言いたい事を言ってこれたというのは、ぶつけることが出来たという点だけでも、ストレス半分です。
という事で、幸福感というのは、どこの段階で味わうか、なのです。
若い頃から、言いたい事を言ってこれた幸せ。
若い頃は言いたい事を半分しか言えず、堪えたからこそ得られた夫からの信頼。
幸せの分量は、人間平等とよく言いますが、どこで幸福感を感じるか、なのです。
それでも「私は言いたい事なんて半分も言えてない」と思う人もいるでしょう。
でも そういう人は、夫も同じだったかもしれないのです。
幸せを人生のどこで使うか、どこで感じるか・・・・・
これには 夫婦は何でも思った事を言いあった方がいいという人もいるでしょう。
でも貴女が、問題を解決する為に夫には、これまで思った事を言って来て、それで解決につながったというのなら、恐らく、このコラムと出会う事も無かったでしょう。
人間は、そんなに自分の思いや問題解決の提案を上手く伝えられるものではありません。
でも、思った事を言えずにずーっと我慢した人よりかは、ストレスフリーだったのかもしれません。
そうやって、ない物ねだりをするのではなく、自分が手に出来て来た物を喜ぶ考え方も必要かと思うのです。
そこで、今日のテーマである本題に話を戻します。
浮気問題未解決でもいい?・・・・・・・です。
これって、無責任に聞こえるかもしれませんが、実はこの状態の方も、いるのです。
「え?せっかく相談したのに?」と思われるかもしれませんが、実は浮気問題が、夫婦の問題の本筋ではなかったという発見があります。
もちろん浮気問題は、ないに越した事はない。
でも、色々観察すると、夫婦の間に流れる川は、それが本流ではなく、本当の本流は別の物だったという事です。
妻の貴女にとれば、夫の心が貴女以外の女性に向くのは、耐えがたい苦痛でしょう。
しかし、夫の本当の欲求は、単にセックスだけを求める浮気だったとしたら、その浮気は重大な事ではないという事が分る場合もあります。
もちろん、浮気相手に心奪われている夫を待つ妻は、胸が締め付けられる思いでしょう。
でも、夫の求める物が、妻が叶えてあげる事が出来ればいいのですが、10年以上もセックスレスで、
妻が今更、夫とセックスライフを再開できるものではありません。
何なら、妻は、元々そういうことがあまり好まない人もいて、出来ればセックスのない生活が妻には普通になっていたのです。
その妻に、さ、明日から夫と寝室も共にして‥‥という事を言っても、中々現実的ではないのです。
でも、その事はさておき、少し角度を変えて夫を見てみると、夫の生理現象を見てみぬふりをしてきた妻にも、若干の冷たさはないか?と振り返る事ができるのです。
では、その冷たさの根本になっている物は何かという事を掘り下げていくと、それこそ、未解決になっている夫婦の問題が浮き彫りになってきます。
例えば、嫁姑問題であったり、お金の浪費癖であったり、家事育児への非協力であったりと、未消化になって来た問題が多くあります。
家事や育児で疲れ切った妻は、そうした問題を横において夫の欲求だけを受け入れてしまう事に、何か、夫を甘えさせる事になりそうで、最初はおあづけ的に、夫のアプローチに肘鉄砲を食らわせていたつもりが、気が付けば夫から、肘鉄を食らわされる結果になる。
そうなってから慌てて、妻が夫に「ごめんね。私も悪かったわ」とばかりに夫の布団に潜り込んでも、夫にすれば、何を今更と、妻を受け入れません。
要するに「問題はそこじゃない」のです。
勿論、夫の浮気は終わるに越したことはない。
でも、夫の浮気は妻からも長く無視された結果、性的な関係だけの遊び相手と出会ってしまっている場合は、その人に成り代わる、何なら上回る施術?が必要になるかもしれません。
でも、ご主人の遊びは、既に始まっていて、遊びは存在する物なのですから、それを止めさせるというのは至難の業。
妻の貴女が夫に「浮気を止めて欲しいから」と思っても既に起きている浮気に、それが起きないようにする予防策を施しても、それは効果的ではないのです。
つまり、すでに存在する物を消す方法と、そういう問題が起きないようにする予防法とは別という事です。
とは言え、ご主人だって、本当は離婚をしたくて浮気をする人はいません。
それと同じで、変な言い方ですが、浮気をしたくて浮気をする人というのは、少し別の生態系の生物ですから、異種の生き物に妻の貴女が挑んでいくのはハードルが高すぎる。
それよりも、夫の心の中を覗く努力をした方が、近道なのです。
目には目を、と言いますが、浮気相手と夫がセックスをしているからと言って、長らくセックスレスだった妻が、そこに挑戦するのは、夫も逃げ腰になります。
そこではなく、夫のこころの隙間に入り込む事をしてみませんか?
これまでの相談者は、浮気問題が完全には解決しないまでも、夫との距離が縮まったという結果に安堵されています。
そして中には その安ど感が、夫婦の緊張感を取り除き、間接的に功を奏し、浮気が終わったという結果も少なくありません。
要は、急がば回れ。
直接的に浮気問題にメスを入れられなくても、周りから、じわりじわりと夫と距離を詰め、結果的におっとが浮気を止めたという例は多くあります。
浮気を止めさせる事ばかりに目が行き、本当に夫婦に足りなかった事に気付けなかった事。
そういう生活こそが、本当は問題だったのです。
貴女が直接夫に何かを働きかけ、玉砕するのではなく、外堀から、じわりじわりと夫との心の距離を縮める事のほうが、如何に効果的か。
それが分ると、浮気だけが問題じゃないと気付きます。
そうなると、まるで雪解けのように、気が付けば夫と会話が普通に出来るようになり、夫と目が合わせられるようになってる。
無理くりに貴女が夫に対して、厳しい言葉をぶつけるよりも、ずっと効果的。
もしかしたら、浮気そのものが問題なのではなく、妻の貴女が、その後の事も何も考えず、ただ単に夫に思いをぶつけていた・・・・これが本当の問題かもしれないのです。
こういうことが分ると、貴女の表情は柔和になり、気が付けば、夫の方から、遅くなった日は手土産位を買ってきてくれるようになります。
浮気問題に直接メスを入れる方が早い場合もあります。
でも、それでは浮気は終わった所で、元ある夫婦の形に戻るだけです。
では元ある夫婦の形は、それで幸せでしたか?
元ある夫婦に戻りたいですか?
と、いう事に気付けば、新たな夫婦の幸せがみつかります。
それが冒頭にあったタイトル、浮気問題が未消化でも幸せを感じる事は出来るという結論になります。
貴女の今の目的は夫の浮気が一日も早く終わって欲しい、という事だと思います。
でも、それで幸せとは限らない。少なくとも貴女にとれば、第一段階は解決かもしれませんが、それは貴女だけの幸せ。
夫の希望って何か?そこにも関心が持てるようになると、幸せの価値って、また別にあるかもしれません。
少なくとも、私の所での事例では、浮気問題が、きれいさっぱり終わったという方ばかりではありません。
でも、そこが大きな問題じゃなくなるのです。
そうすれば、浮気問題を巡って夫婦喧嘩を繰り返さなくなります。
そうなると、夫への嫌味も、詰問も、詮索も、無くなるのです。
それが功を奏して、夫が妻との距離を縮めてくる事も多くあります。
これも、幸せの一つとカウントしませんか?
100点満点の幸せを求めるあまり、貴女の辛辣な言動がマックスになるなら、50点の合格点から始めませんか
目標を100点にすると、いつまで経っても叶えられないジレンマに苦しみますが、50点を合格点としたら、早く到達した幸せは感じるはずです。
その幸せ感にあふれた貴女が夫に接していると、相乗効果はいっぱい起きて来ます。
それが結果的に夫の浮気を終わらせる事に繋がる例はいくらでも見て来ました。
と、いう事で、急がば回れ。
直接的ではなくても間接的だから効果があるという事も知って下さい。
では今日はここまで。