勝ろう(まさろう)としていませんか?VoL.2
相談者の方と、色々お話をしていて、ご主人の浮気の原因は、たった一つじゃないと申し上げます。
夫婦も長年暮らしていると、色んな事が起きますし、色んな事が変化もしていきます。
でも、もしあえて浮気問題の根本的な原因をあげるとしたら、何だと思いますか?
問題の原点はどこにあると思われますか?とお聞きするとよく相談者が言われる事に
夫婦、互いの幼少期の育てられ方の事を理由に挙げられます。
例えば、ご主人が浮気を繰り返したり、妻以外の女性にうつつを抜かす事の原因に、「夫の幼少期、親の愛情に飢えていた」と言うように言われる方がいます。
また相談者自身、妻の育てられ方にも、例えば父親とのそりが合わなかったというような事を言われたり、または母親と父親がいつも喧嘩をしていたというような事を言われます。
これが子供時代の人間形成に影響したと言われるのです。
もちろん 私はそのエビデンスにまでは知識はありません。
でも実際にそうなのでしょう。
現に私も夫婦喧嘩の絶えない両親の中で育ち、途中からは母子家庭になった母親に育てられました。
では、そのような恵まれない環境で育った人が、皆がみな、同じタイプになると言う訳ではありません。
苦労している母親を見て、とても思いやりのある人に育つこともあります。
しかし、同じような母子家庭に育っても、非行に走り、二重の苦労を与える子供だっているのです。
だから、親の育て方が、どうのこうのと言うより、自分に置かれた環境をどう捉えるかが、その人の気性なのです。
例えば、親のいない子たちが施設で育っても、みんな同じような人間にはなりません。
恵まれない環境に育っても、勉強が出来て成績の良い子もいれば、ひねくれてしまう子もいます。
つまり、同じ施設で育っても、それぞれの持っている性格で、人生は形成されるという事です。
ただ、大人になっても、大人になりきれない人を見た時に、親子関係に問題がある人が、やはり統計的にみて、育ち方という事が影響を与えているのは事実です。
だから大事な考え方は、育てられ方が全てではないという事です。
育てられた環境プラス、その人の性格というのが、人間形成の大部分を占めるという風に考えるのが妥当だと思います。
例えば、両親の元で育った人も、その人を育てたのは、親だけじゃないかもしれない。
お爺ちゃんお婆ちゃんが殆ど親代わりだった人もいますし、何なら育てた人が、血のつながった肉親とは限らない。
何なら、自分の親を育てたお爺ちゃん、お婆ちゃんだって、その人たちの親の影響を受けていると考えると、その人の人間性を推し量るのに、何代も前の先祖にまで、遡ると、要素というものはもう、キリがなくなってくるのです。
だから、あえてここは、その人の代だけで、その人も物の考え方にフォーカスを充てるべきだと考えます。
そこで、話を元に戻しますが、今起きている問題の原因について改めて考えるときに、親の育て方とか、育った環境というのを、少し頭から外し、その人自身の人間性に、フォーカスしてください、というのが、今日の提案です。
他罰と言う言葉が、心理学ではよく使われます。
自分に起きた問題を、他の人や他の環境のせいにするという考え方です。
自分や夫の性格や考え方の根本は、育った環境のせいにせず、誰のせいにもしない。
そのひと本人の人間性が織り成す出来事なのだという考え方をあえてするという事が、問題の芯を見つけ出す事になるのです。
その上で、特に気を付けたいのは、子供への影響です。
貴女の子供は、貴女に育てられた、育て方の影響を受けると考えると、貴女のコピーが出来上がるか、またはその逆で
逆境に耐えられる強さを身に着けて育ちます。
先にも書きましたが、私の子供の頃、両親の喧嘩を見て育ちました。
昔の事ですから、父親は暴力を母親にも振るいました。
しかし、母は気の弱い女性ではなかったので、父を怒らせるような言葉も吐いていました。
私は心の中で、母も減らず口を言わなければいいのに、と子供心に思ったものです。
そんな激しい両親の喧嘩を見て育った私が、じっと耐えて嵐が収まるまで待つようなタイプに育たなかったのは 私の性格だと思います。子供心に、両親の喧嘩は怖くて、いつも怯えていました。
でも、私は 人を怯えるという風にはならなかったのです。
小学3年くらいの時だったか、相変わらず両親は喧嘩をしていました。
父も何かを言っていました。
それは体の大きな男のいうことですから、子供の私には、怖い光景でした。
でも、その大声で威嚇する父親の目に涙が浮かんでいるのを始めて見ました。
そこで、男の人って、怒鳴りながら泣くんだ、と思ったのをよく覚えています。
そして、ある日の夕方、母と、一緒に散歩している時、家の近くの踏切に来て、、私の手を引いて、「真里子、死のうか」と言いました。私は子供だったので、普通に「いやや」と言って母親を見上げたら泣いていました。
そして、その逆にいつも父に逆らって、父親の前では泣かない気丈だと思っていた母が声を出さずに、やはり涙していました。
私はこの時、大人って、威勢よく大きな声でいがみ合うのに、敵がいない時には、声に出さず泣くんだと、と思いました。
特に当時の父親の、声にならない涙を見たのは、未だに忘れられない光景です。
それで、何が言いたいかと言いますと、こういう風に親の喧嘩を見て育った子供は沢山います。
でも、その人たちが、いつも首を引っ込めた亀のように、おとなしく怖がりな性格に育つかというとそうではありません。
私は、この父の涙を見た事で、男性の本当の心って、表には現れないものなのだと、学習したのです。
そして母の威勢のいい売り言葉に買い言葉も、本当は影では泣いていたんだという、母の裏腹も見ました。
その経験が、もしかしたら今の私の仕事に繋がっているのかもしれません。。
だから同じように不出来な親に育てられても、子供は自分の気性が、その人の人間性を形成するという事です。
つまり、結局は、今の自分は、自分の持っている人間性が、大部分を構成していると考えるべきだというのが私の考えです。
皆がみんなして、しっかりしていたら、不出来な親に育てられた子供は、皆がカウンセラーになる訳でもない。
親がどんな育て方をして、それを受けて、どう自分の中に落とし込んでいくのか?
それが自分の気性だという事です。
でも、育つ過程で、自分の性格は、ある程度、自分で作っている所があります。
いじめられっ子が、ある時、これではダメだと奮起して、虐めている子に、勇気を出して反撃したら、いじめが収まったという話はよく聞く事です。
いつも、自分の事を卑下ばかりしていた子が、小学生のある時、絵画で賞を貰ったら、そこから絵が上手になり、
中学では図工は5の成績になり、高校は推薦入学で美術科に入って、母子家庭の親の負担を助けたという話もあります。
育った環境とかよりも、人間は自分で自分をデザインできるのです。
変えられない過去の環境のせいにするのではなく、人間はいつからだって変われるのです。
もし、そんな大変化を遂げなくても、心の持ちようで、物事を角度を変えて見られるようになるのです。
例えば長年の夫の浮気を相談に来た妻が、今の浮気相手と別れさせたとしても、今後もまた別の人と夫が浮気をしないだろうかと、将来の不安を訴える人がいます。
夫が長年浮気をして、それを見逃してきた歴史は変えられません。
そして、その原因に考えられる事は何かと問うと、夫が親の愛情を受けて育たなかったという事を言われます。
そんなことは、もうどうしようもない事なのです。
そして、その夫の浮気を気づきながらも蓋をしてきた妻側の原因は何だと問うと、自分も両親を見て、喧嘩をしない事が無難だと思って育ったことで、自分の夫にも、喧嘩になるのが怖くて、正面切って物を言えば夫が逆切れする事が怖いと、怒りを封印してきたと言われます。
もちろんその気持ちは分かりますが、それが子供の時に見て、善くない事だと思ったら 自分の代では変えないといけません。
それを変えなかったら、自分の子供も同じようになります。
自分の生き方が正しいと思うなら、伝承していけばいいのです。
でも、自分のこの無難な生き方が夫を調子に乗らせて、不倫を長く続けていたとしたら、妻の無難な生き方というのも、その浮気に一役買っている事になります。
もし逆らえば、家庭の空気が悪くなると思えば、空気清浄機を買えばいい(嘘ですよ~笑)
母親の自分が、夫に何も言えないで、我慢が美徳のような生活をしていたら、子供もそれに従います。
貴女が、悪い事を悪いと言えない母だとしたら、子供も、父親に黙って逆らえない子供になります。
これを次世代連鎖と呼びます。
私は、自分の子供の頃、家庭は裕福だったけれど、親の仲は悪かったので、母が可哀そうでした。
でも、今考えると父も可哀そうでしたが・・・・
とにかく、大変そうだったので、私だけでもしっかりしなくちゃと思い、割と、何でも自分で出来て母には苦労を掛けないように、育ったものです。
周りの大人は そんな私に「まりちゃんはしっかりしているなあ」と褒めてくれました。
その誉めて貰えるのがうれしくて、もっと褒めて貰えるように、益々、しっかりしました。
また母に褒めて貰いたくて、いい子になろうと、真面目に頑張りました。
そんなこんなで、とてもしっかりして、人には頼りにされるけれど、人を頼るのは嫌いでした。
特に男性に可愛く甘えるなんて、ことはもっての外と考えるようになり、大人になって、男性って甘えてくれる女性がすきなんだと分かりました。
時すでに遅し、です。
貴女が夫に従順にしていると、それが本物の信頼から生まれる従順かは、子供は見てます。
幼い子供は貴女のコピーをしますが、
その母親を見て自分もそうしようと、見習うのではなく、そうしていたら、母が安心するという風にふるまうのです。
でも、その後、普通は年頃になると、自分の意思で、父親に逆らったり、母親に反抗します。
それが反抗期ですが、反抗期に自我が出せないまま、育つ子供もいます。
つまり、素直な自分を出せずに子供は貴女が夫に逆らえないように、子供も父親に従うふりを覚えるのです。
こうなると、第2の貴女の家庭のコピーが出来上がります。
最近、若者たちに結婚願望がなく、恋愛すらせず、シングルを貫く人も少なくありません。
でも、気の弱い人は周りに遅れを取らないように、タイムリミットが来て結婚をするので、全体的に晩婚になります。
晩婚になるとどうなるかというと、やたら、相手への条件だけが高くなり、相手へ求めるスペックが高くなります。
これをスペック結婚と呼びます。
このスペック結婚は、出産適齢期と言うタイムリミットと、男性のスペックが整えば、案外相手の中身をみないで結婚してしまいます。
このスペック結婚は、手に入れば、それが当たり前になってしまって、結婚をする為の結婚という事になります。
だから、案外大恋愛じゃなく、お見合い結婚のように、「条件が良かったから」という選び方になります。
そうです・・・・その人の中身よりも、条件、つまりスペックなのです。
お見合い結婚がダメだと言っているのではありません。
激しい大恋愛ばかりが、結婚じゃないので、穏やかな結婚も良いでしょう。
そして、女性にとっては、結婚をして子供をもうけて、穏やかに暮らす事が、一番ですから、冷静に相手の条件で結婚する事はいい事です。
でも、中には、生活が順調に行けば行くほど、物足りなさを感じるのが男性です。
女性には子供を育てるという一大目標があるけれど、男性にとったら、穏やかな生活というのが、どこか忘れ物をしてきたような生活になるのです。
そんなことで、浮気をしだしたりという事が概ねの浮気の根っこなのです。
でも、根っこだからと言って妻の立場としては許すわけにはいかないのですが、これを看過するという見逃しをしてしまいます。
こうなってから、何故こんな事になったのか?と考えるときに、自分達の結婚の形が、どうだったのか、と考える必要があるのです。
それなのに、浮気の根本的な原因を、「夫の幼少期の親の育て方で愛情不足だった」
なんてことを、妻が思っていると、問題は迷宮入りしてしまいます。
これじゃあ、妻も共犯のようなもので、夫の浮気を容認してしまう結果になります。
一番悪いのは、浮気をする夫です。
でも二番目に悪いのは それに正面切って向き合ってこなかった妻です。
そして三番目に本当の不安は、子供へ貴女の考え方が受け継がれてしまう次世代連鎖です。
浮気と一言で、言っても、これだけの深い問題を抱えています。
そんな風に言うと、「じゃ、どうしたらいいのですか?」と半ば、キレ気味に、手短に方法を教えてという人がいます。
それは、教えません。
それは、上記に書いた3つの課題・・・・それを遡って、真面目に取り組む人にしか、理解が出来ないからです。
貴女の中身が入れ替わらないと、理解は出来ないので、小学生に大学入試の問題用紙を与えてもちんぷんかんぷん。
ある程度の思考力が必要ですが、この後に及んで、手短にとか、とにかく方法を教えてと、ノウハウだけを求めているようじゃ、何を聞いても、成功しないのです。
今日は、下のA~D,4つの言葉を覚えて下さい。
A.従順と見逃しは違う。
Bスペック結婚
C.原因を、代々先祖にまでさかのぼるな。
D.次世代連鎖
これだけでも気づきが起きて、何かが変わるはずです。
では今日はここまで。
相談者の方と、色々お話をしていて、ご主人の浮気の原因は、たった一つじゃないと申し上げます。
夫婦も長年暮らしていると、色んな事が起きますし、色んな事が変化もしていきます。
でも、もしあえて浮気問題の根本的な原因をあげるとしたら、何だと思いますか?
問題の原点はどこにあると思われますか?とお聞きするとよく相談者が言われる事に
夫婦、互いの幼少期の育てられ方の事を理由に挙げられます。
例えば、ご主人が浮気を繰り返したり、妻以外の女性にうつつを抜かす事の原因に、「夫の幼少期、親の愛情に飢えていた」と言うように言われる方がいます。
また相談者自身、妻の育てられ方にも、例えば父親とのそりが合わなかったというような事を言われたり、または母親と父親がいつも喧嘩をしていたというような事を言われます。
これが子供時代の人間形成に影響したと言われるのです。
もちろん 私はそのエビデンスにまでは知識はありません。
でも実際にそうなのでしょう。
現に私も夫婦喧嘩の絶えない両親の中で育ち、途中からは母子家庭になった母親に育てられました。
では、そのような恵まれない環境で育った人が、皆がみな、同じタイプになると言う訳ではありません。
苦労している母親を見て、とても思いやりのある人に育つこともあります。
しかし、同じような母子家庭に育っても、非行に走り、二重の苦労を与える子供だっているのです。
だから、親の育て方が、どうのこうのと言うより、自分に置かれた環境をどう捉えるかが、その人の気性なのです。
例えば、親のいない子たちが施設で育っても、みんな同じような人間にはなりません。
恵まれない環境に育っても、勉強が出来て成績の良い子もいれば、ひねくれてしまう子もいます。
つまり、同じ施設で育っても、それぞれの持っている性格で、人生は形成されるという事です。
ただ、大人になっても、大人になりきれない人を見た時に、親子関係に問題がある人が、やはり統計的にみて、育ち方という事が影響を与えているのは事実です。
だから大事な考え方は、育てられ方が全てではないという事です。
育てられた環境プラス、その人の性格というのが、人間形成の大部分を占めるという風に考えるのが妥当だと思います。
例えば、両親の元で育った人も、その人を育てたのは、親だけじゃないかもしれない。
お爺ちゃんお婆ちゃんが殆ど親代わりだった人もいますし、何なら育てた人が、血のつながった肉親とは限らない。
何なら、自分の親を育てたお爺ちゃん、お婆ちゃんだって、その人たちの親の影響を受けていると考えると、その人の人間性を推し量るのに、何代も前の先祖にまで、遡ると、要素というものはもう、キリがなくなってくるのです。
だから、あえてここは、その人の代だけで、その人も物の考え方にフォーカスを充てるべきだと考えます。
そこで、話を元に戻しますが、今起きている問題の原因について改めて考えるときに、親の育て方とか、育った環境というのを、少し頭から外し、その人自身の人間性に、フォーカスしてください、というのが、今日の提案です。
他罰と言う言葉が、心理学ではよく使われます。
自分に起きた問題を、他の人や他の環境のせいにするという考え方です。
自分や夫の性格や考え方の根本は、育った環境のせいにせず、誰のせいにもしない。
そのひと本人の人間性が織り成す出来事なのだという考え方をあえてするという事が、問題の芯を見つけ出す事になるのです。
その上で、特に気を付けたいのは、子供への影響です。
貴女の子供は、貴女に育てられた、育て方の影響を受けると考えると、貴女のコピーが出来上がるか、またはその逆で
逆境に耐えられる強さを身に着けて育ちます。
先にも書きましたが、私の子供の頃、両親の喧嘩を見て育ちました。
昔の事ですから、父親は暴力を母親にも振るいました。
しかし、母は気の弱い女性ではなかったので、父を怒らせるような言葉も吐いていました。
私は心の中で、母も減らず口を言わなければいいのに、と子供心に思ったものです。
そんな激しい両親の喧嘩を見て育った私が、じっと耐えて嵐が収まるまで待つようなタイプに育たなかったのは 私の性格だと思います。子供心に、両親の喧嘩は怖くて、いつも怯えていました。
でも、私は 人を怯えるという風にはならなかったのです。
小学3年くらいの時だったか、相変わらず両親は喧嘩をしていました。
父も何かを言っていました。
それは体の大きな男のいうことですから、子供の私には、怖い光景でした。
でも、その大声で威嚇する父親の目に涙が浮かんでいるのを始めて見ました。
そこで、男の人って、怒鳴りながら泣くんだ、と思ったのをよく覚えています。
そして、ある日の夕方、母と、一緒に散歩している時、家の近くの踏切に来て、、私の手を引いて、「真里子、死のうか」と言いました。私は子供だったので、普通に「いやや」と言って母親を見上げたら泣いていました。
そして、その逆にいつも父に逆らって、父親の前では泣かない気丈だと思っていた母が声を出さずに、やはり涙していました。
私はこの時、大人って、威勢よく大きな声でいがみ合うのに、敵がいない時には、声に出さず泣くんだと、と思いました。
特に当時の父親の、声にならない涙を見たのは、未だに忘れられない光景です。
それで、何が言いたいかと言いますと、こういう風に親の喧嘩を見て育った子供は沢山います。
でも、その人たちが、いつも首を引っ込めた亀のように、おとなしく怖がりな性格に育つかというとそうではありません。
私は、この父の涙を見た事で、男性の本当の心って、表には現れないものなのだと、学習したのです。
そして母の威勢のいい売り言葉に買い言葉も、本当は影では泣いていたんだという、母の裏腹も見ました。
その経験が、もしかしたら今の私の仕事に繋がっているのかもしれません。。
だから同じように不出来な親に育てられても、子供は自分の気性が、その人の人間性を形成するという事です。
つまり、結局は、今の自分は、自分の持っている人間性が、大部分を構成していると考えるべきだというのが私の考えです。
皆がみんなして、しっかりしていたら、不出来な親に育てられた子供は、皆がカウンセラーになる訳でもない。
親がどんな育て方をして、それを受けて、どう自分の中に落とし込んでいくのか?
それが自分の気性だという事です。
でも、育つ過程で、自分の性格は、ある程度、自分で作っている所があります。
いじめられっ子が、ある時、これではダメだと奮起して、虐めている子に、勇気を出して反撃したら、いじめが収まったという話はよく聞く事です。
いつも、自分の事を卑下ばかりしていた子が、小学生のある時、絵画で賞を貰ったら、そこから絵が上手になり、
中学では図工は5の成績になり、高校は推薦入学で美術科に入って、母子家庭の親の負担を助けたという話もあります。
育った環境とかよりも、人間は自分で自分をデザインできるのです。
変えられない過去の環境のせいにするのではなく、人間はいつからだって変われるのです。
もし、そんな大変化を遂げなくても、心の持ちようで、物事を角度を変えて見られるようになるのです。
例えば長年の夫の浮気を相談に来た妻が、今の浮気相手と別れさせたとしても、今後もまた別の人と夫が浮気をしないだろうかと、将来の不安を訴える人がいます。
夫が長年浮気をして、それを見逃してきた歴史は変えられません。
そして、その原因に考えられる事は何かと問うと、夫が親の愛情を受けて育たなかったという事を言われます。
そんなことは、もうどうしようもない事なのです。
そして、その夫の浮気を気づきながらも蓋をしてきた妻側の原因は何だと問うと、自分も両親を見て、喧嘩をしない事が無難だと思って育ったことで、自分の夫にも、喧嘩になるのが怖くて、正面切って物を言えば夫が逆切れする事が怖いと、怒りを封印してきたと言われます。
もちろんその気持ちは分かりますが、それが子供の時に見て、善くない事だと思ったら 自分の代では変えないといけません。
それを変えなかったら、自分の子供も同じようになります。
自分の生き方が正しいと思うなら、伝承していけばいいのです。
でも、自分のこの無難な生き方が夫を調子に乗らせて、不倫を長く続けていたとしたら、妻の無難な生き方というのも、その浮気に一役買っている事になります。
もし逆らえば、家庭の空気が悪くなると思えば、空気清浄機を買えばいい(嘘ですよ~笑)
母親の自分が、夫に何も言えないで、我慢が美徳のような生活をしていたら、子供もそれに従います。
貴女が、悪い事を悪いと言えない母だとしたら、子供も、父親に黙って逆らえない子供になります。
これを次世代連鎖と呼びます。
私は、自分の子供の頃、家庭は裕福だったけれど、親の仲は悪かったので、母が可哀そうでした。
でも、今考えると父も可哀そうでしたが・・・・
とにかく、大変そうだったので、私だけでもしっかりしなくちゃと思い、割と、何でも自分で出来て母には苦労を掛けないように、育ったものです。
周りの大人は そんな私に「まりちゃんはしっかりしているなあ」と褒めてくれました。
その誉めて貰えるのがうれしくて、もっと褒めて貰えるように、益々、しっかりしました。
また母に褒めて貰いたくて、いい子になろうと、真面目に頑張りました。
そんなこんなで、とてもしっかりして、人には頼りにされるけれど、人を頼るのは嫌いでした。
特に男性に可愛く甘えるなんて、ことはもっての外と考えるようになり、大人になって、男性って甘えてくれる女性がすきなんだと分かりました。
時すでに遅し、です。
貴女が夫に従順にしていると、それが本物の信頼から生まれる従順かは、子供は見てます。
幼い子供は貴女のコピーをしますが、
その母親を見て自分もそうしようと、見習うのではなく、そうしていたら、母が安心するという風にふるまうのです。
でも、その後、普通は年頃になると、自分の意思で、父親に逆らったり、母親に反抗します。
それが反抗期ですが、反抗期に自我が出せないまま、育つ子供もいます。
つまり、素直な自分を出せずに子供は貴女が夫に逆らえないように、子供も父親に従うふりを覚えるのです。
こうなると、第2の貴女の家庭のコピーが出来上がります。
最近、若者たちに結婚願望がなく、恋愛すらせず、シングルを貫く人も少なくありません。
でも、気の弱い人は周りに遅れを取らないように、タイムリミットが来て結婚をするので、全体的に晩婚になります。
晩婚になるとどうなるかというと、やたら、相手への条件だけが高くなり、相手へ求めるスペックが高くなります。
これをスペック結婚と呼びます。
このスペック結婚は、出産適齢期と言うタイムリミットと、男性のスペックが整えば、案外相手の中身をみないで結婚してしまいます。
このスペック結婚は、手に入れば、それが当たり前になってしまって、結婚をする為の結婚という事になります。
だから、案外大恋愛じゃなく、お見合い結婚のように、「条件が良かったから」という選び方になります。
そうです・・・・その人の中身よりも、条件、つまりスペックなのです。
お見合い結婚がダメだと言っているのではありません。
激しい大恋愛ばかりが、結婚じゃないので、穏やかな結婚も良いでしょう。
そして、女性にとっては、結婚をして子供をもうけて、穏やかに暮らす事が、一番ですから、冷静に相手の条件で結婚する事はいい事です。
でも、中には、生活が順調に行けば行くほど、物足りなさを感じるのが男性です。
女性には子供を育てるという一大目標があるけれど、男性にとったら、穏やかな生活というのが、どこか忘れ物をしてきたような生活になるのです。
そんなことで、浮気をしだしたりという事が概ねの浮気の根っこなのです。
でも、根っこだからと言って妻の立場としては許すわけにはいかないのですが、これを看過するという見逃しをしてしまいます。
こうなってから、何故こんな事になったのか?と考えるときに、自分達の結婚の形が、どうだったのか、と考える必要があるのです。
それなのに、浮気の根本的な原因を、「夫の幼少期の親の育て方で愛情不足だった」
なんてことを、妻が思っていると、問題は迷宮入りしてしまいます。
これじゃあ、妻も共犯のようなもので、夫の浮気を容認してしまう結果になります。
一番悪いのは、浮気をする夫です。
でも二番目に悪いのは それに正面切って向き合ってこなかった妻です。
そして三番目に本当の不安は、子供へ貴女の考え方が受け継がれてしまう次世代連鎖です。
浮気と一言で、言っても、これだけの深い問題を抱えています。
そんな風に言うと、「じゃ、どうしたらいいのですか?」と半ば、キレ気味に、手短に方法を教えてという人がいます。
それは、教えません。
それは、上記に書いた3つの課題・・・・それを遡って、真面目に取り組む人にしか、理解が出来ないからです。
貴女の中身が入れ替わらないと、理解は出来ないので、小学生に大学入試の問題用紙を与えてもちんぷんかんぷん。
ある程度の思考力が必要ですが、この後に及んで、手短にとか、とにかく方法を教えてと、ノウハウだけを求めているようじゃ、何を聞いても、成功しないのです。
今日は、下のA~D,4つの言葉を覚えて下さい。
A.従順と見逃しは違う。
Bスペック結婚
C.原因を、代々先祖にまでさかのぼるな。
D.次世代連鎖
これだけでも気づきが起きて、何かが変わるはずです。
では今日はここまで。