「信じる事」はモラハラと紙一重?

村越真里子

村越真里子

テーマ:夫婦関係修復について

日々寄せられる相談の多くは、夫との関係修復です。
その中でも、原因の多くは夫の浮気です。
夫の浮気で夫婦関係が破綻して、その破綻を修復する方法を知りたいというのが相談の主訴です。
そして、もう少し細かく分類すると、
A,夫の浮気が継続中。
B,浮気相手とは別れた確認は取れているが、その後の夫婦関係がしっくりいかない
C,浮気相手と別れたかどうか分からないが、それよりも夫婦の関係を修復したい
D,浮気相手と別れたと聞いているが夫婦関係悪化の問題点は別にある。
E、浮気相手と別れたと信じたい
F,浮気相手と別れたかどうかを聞くと夫が怒る

浮気問題に苦しむ妻とは言え、ざっと分類しても、これだけ細分化します。
私が相談を受け、解決の為の着眼点は「事実をどれだけ歪曲せず捉える事が出来るか」です。
その意味では、A~Cの方は、素直に現実を受け止めているので、解決対策に入れます。
でも D~Fの方に関しては 相談者の誤解や、現実逃避、果ては、持論を強く持ちすぎていて、アドバイザーの意見を受け入れられなくて、カウンセラー探しのジプシー状態に陥っています。
それでも、自身の誤解や頑固なくらい持論を展開し、その持論に添った解決策を求める為、優しい?気の弱いカウンセラーは、相談者の心を読み取れば、厳しい現実を伝えられなくなり相談者の納得の行く答えというか、耳障りの良い、相談者の好む答えに寄せていくということになります。
言葉を選ばずに言うと、カウンセラーも、妻の持論に逆らい、本当の問題に手を入れようとすると、とても時間が掛かります。
そういう覚悟を相談者も持っているなら、いいのですが、たいていは現実逃避をしたくて相談されている場合が殆どで、私なども、その気持ちが分かるだけに、本音を話せなくなってしまいます。
でも、せっかく自分以外の意見を聞きたくて、相談のドアをノックしたなら、まずは自分の信じているフィルターを外すことから始めないといけません。
そこまで、素直に胸を開いてくださるなら 解決の目処も立ちますが、どこまでいっても持論に拘り過ぎると、カウンセラーも心の中では、「手に負えない」と感じてしまいます。
つまり、相談者の固い殻を、カウンセラーが、打ち砕くことが 相談の入り口であれば、本題に取り組む前の作業に時間が掛かりすぎるのです。
私共では、最初の1時間である程度、道を示します。
しかし、1時間で すべての解決ができるはずはありません。
でも、その1時間で、バリアの塊になっているか?分厚いコートを脱ぎ捨てる勇気を持ってこられたかを、実は推し量っている時間でもあります。
中々、簡単に、今まで信じ込んで来たことが、塗り替えられるはずがありません。
でも、大事なのは、もし、間違っているなら、見直してみようとするか?
「私は、こう思うから その答えの中から、アドバイスが欲しい」と持論の枠の中で、答えを見つけようとする相談者もいます。
それは、結局、狭い枠から出られないし、これまで、貴女が取り組んできた事のなぞりにしかなりません。
でも、その考えの理由を私は分かりますよ。
貴女は、夫が怖いのです。
夫が浮気をして、それに対し、貴方なりに戦って来られました。
その結果、本当かどうかは、ともかくとして、夫の浮気の終焉は夫の言動から、認めるに至った・・・・・
しかし、それ以後、夫としっくりいかないが、過去の話をしようものなら、夫が怒る・・・・
夫と仲良く、何もなかった頃のように戻りたいのに、夫の事が怖いから、本当の意味で修復にも協力を求められない、というくらい、夫を恐れている貴女がいます。

貴女にすれば夫をどうしたら、変えられるかと思うかもしれませんが、その為には、多少痛みを伴う療法も必要ですが、痛みを伴うなんて、あなたは怖くて仕方がないのです。それは対策が怖いのではなく、本当に怖いのは夫だという心理です。
その原因となっている物の正体をしれば、何でもないことですが、貴女はそれを知る事は、夫が怒ることであり、妻として、突き放されることだと信じています。
だから、貴女はもっと、夫を愛せて、もっと夫を信じられて、夫と暖かい関係性を築きたい・・・・・
これが貴女の望みであって、そのナンセンスな希望の、矛盾理由を気付いていないのです。
いえ、気付いていないというより、気づくことが怖い、そして夫が怖い、という事になると、問題解決の以前にその恐怖のバリアーを取り除かないといけません。
私が本当に貴女の問題を解決して差し上げたくても、その前に、貴女の恐怖の正体を説明し、貴女を恐怖から救い出さないと本題に入れないのです。
これでは時間が掛かりすぎます。
でも、そういうタイプの相談者こそ、急いでいるのです。
手っ取り早く、夫と関係修復を・・・急いで夫との関係改善を・・・と回り道は嫌がりますが、貴女が答えを急ぐあまり、本当の問題点に蓋をして通ろうとしている事が、本当の夫との関係改善を遠ざけているのです。
夫婦の間に横たわる原因は色々あるかと思いますが共通して言えるのが、夫が怖いという事です。
でも、普通に考えると、何故怖い相手と仲良くしたいの?という事です。
私なら、まず、恐れる人とは友達になれませんし、気も合いません。
それなのに、貴女は夫婦という理由だけで、「怖い人」と仲良くしたいと思っているのです。
その怖い夫を、どうしたら、怖くなくなるかと、貴女は答えを探しているのです。
何なら、夫が怒らない解決方法はないか?と尋ねるから、「貴女の向こう側にいる夫を変えることは出来ないので、妻の貴女が、変わりなさい」と他のカウンセラーに言われるのです。
それがいわゆる「いつも元気に挨拶をして、身奇麗にして、愛され妻を目指しましょう」と「善き妻運動」を勧められてしまいます。
つまり、貴女が恐れる夫には逆らわず、怒らせないように・・・・というカウンセラーだとしたら、もう、夫の共犯者の様になります。
私は、貴女に夫に対して、喧嘩腰で、白黒はっきりさせよとは思いません。
でも、貴女が恐怖に思っている夫に、笑顔で明るく「おはよう」と言えば関係改善するというなら、それは、貴女と同様、触らぬ神に祟りなし、でしかないと言えます。
もっと言えば、貴女が、夫に対し、間違っている事に、間違っていると思えない心理状態なら、それは夫の横暴を許すだけの妻になってしまいます。
夫婦関係の改善という言葉を使えば、如何にも前向きな姿勢に感じますが、実は、それは夫の我儘を許しているだけです。
もう、気付いているでしょう。
貴女の夫の主張は、ある意味、「俺に逆らうな、もしこれ以上、俺に文句を言うなら離婚する」と言われたとしたら、それは立派なパワハラです。妻が夫に対して、自由に話せないとしたら、それは根底にモラハラがあるのです。

もう気付いて下さい。
貴女が、仲良く心を合わせて暮らしたいと思っている相手を本当は、恐れているのです。
そういう、恐怖の相手と仲良く・・・という事は、「絶対服従」というハラスメントだと言う事を。

でも、絶望する必要はありません。
まずは、恐怖の元になっている「核」の正体を知ることと、取り除くことに目覚めさえしてくれたら、何とかなります。
それに、気付かず、何なら、カウンセラーに、貴女の考えを押し付けて、貴女の持論に添った答えを言わせようとしたら、気の弱いカウンセラーは善き妻運動を言うか、逃げるかしかなくなるのです。
それは、カウンセラーもある意味、貴女を恐れているのです。
ね?分かるでしょう?
恐怖というのは、夫であれ、カウンセラーであれ、何も良い関係性を築きません。
あまりに持論を強く主張されるとカウンセリングの邪魔になるでしょう。
私は、それほど弱くないので、あまり相談者を恐れるという事はありませんが、逆にカウンセラーとしてはもっと合理的なタイプです。
妻の主張を丸々塗り替えるという事に時間が掛かりすぎるのは、合理的ではありません。
そういう意味で、結論を言うと、相談者の恐怖の正体を紐解く事はします。
恐怖の正体と言うのは、意外と、妻自身が、勝手な決め付けで、モンスターを大きくしてしまっている事はありますが、怖がりが過ぎると、人生って乗り切ることは難しいのです。
しかし、あまりに怖がりで、恐怖心に囚われている妻の場合は、そこを説明されても、恐怖心に打ち勝てるかどうかはタイプに拠ります。
私も大人になってから、ジェットコースターは乗ったことがありません。
だから、もし、100万円上げるからとジェットコースターに乗るよう勧められても、絶対乗らないでしょう。ジェットコースターを楽しめる人もいますが、怖くて仕方がないのです。怖がりというのはそういうものです。
私にはパワハラ、モラハラの招待を説く事はできても、夫を怖がる妻がいるとしたら、怖いことは仕方がないかもしれませんが、真剣に解決をするには、怖さを克服するしかないのです。
その克服は本人の意思で決まりますが、パワハラ、モラハラをする夫と恐怖に思わないように出来ても、その夫の言い分を私まで一緒になって、許したり、甘やかしたりするお手伝いは出来ません。
貴女が夫を尊敬してやまないなら、ともかく、本当は、心の底では恐れている恐怖の夫の横暴をどうやったら、見逃して、仲良くできるか?いう無理難題は、解決できません。
と、いうか、そういう無茶を望んでいる妻も、むちゃくちゃな自分だと気付いて下さい。
本当の解決の一歩はそこからです。
では、今日はここまで、

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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