心理学実用編【夫の逆切れが怖い?】
「真里ちゃん調べ」と呼んでいる事があります。
それはいわゆるリサーチや統計の事で、私自身が調べたり、体験の上で分かった事を指します。
誰が何を言っても、どんな立派な人が書いた本で、どんな説を唱えていても、私の観点と違うものは 納得がいかないという頑固な私です。
今日の事を読むにあたり、昨日のコラムも是非お読み下さい。
勝ろうとしていませんか?
その私がここ最近、2年前くらいから、ずーっと感じている事があります。
それは、相談をしに来たという人は
本当は、問題の答えを聞きに来ているのではなく、相談者の答えを話したくて来ている人なんだと感じるのです。
どういう事かと言うと、「迷っている」「これからどうしていいか解らない」「夫の考えが分からない」とカウンセリングを受けにきます。
この事の答えや出口を見つけるのに、最初の1時間くらいは、私が前のめりになって話をお聞きします。
その時には 相談者は、とても理路整然と自身の思いを述べ、困っているとは言え、どこか哲学者のように自信が伺えます。
しかし、悩みの根本的な事は、相談者が、これほど自説を持っていても、それが夫には通じなかったと言う事が本当の悩みです。
そこで、私は、「真里ちゃん調べ」のデーターに基づいて、相談者の持論が本当に正解かを、分析して差し上げます。
そうなると、目からウロコのように、とても驚かれます。
ここで初めて相談者は自分の唱えた説以外の説を知るのです。
つまり、以前から書いているように、算数の足し算問題でも、確かめ算、つまり検算までして、その答えが正解と自信を持っていいのですが、相談者は 自説しかないので、他の論説と比べ、検算が出来ていないのです。
いえ、検算が出来てないというより、持論が正しいと思うばかりに、検算の必要性を感じたり、正しいかどうか、考えた事すらもないのです。
この段階に話が及ぶと、相談者は、無意識に前のめりになっています。
実は相談者が気づいてない部分ですが 私は正面から顔と姿勢を見て、話していますので、相談者の無意識な姿勢までは自分で分かっていません。
相談に来られて座られて、小一時間は、カウンセラーの私にもまだ心は開いていません。
それどころか、もしかしたら「このおばちゃん、本当にちゃんと答えてくれるだろうか?」と懐疑的ですから、表情が硬いだけではなく、相談者自身が、何故かバリアというプライドでガチガチになります。
そこで、どれだけ辛い夫婦生活だったかを、滔々と話されますが、正直言って、そこは本題ではないと私は感じています。
何故なら、それは当たり前の話だからです。
当方に来られる方は、殆どがそういう苦労をされた方ばかり。
だから、そこを軽くは考えませんが、苦労話が済んでからが本題です。
では、どうするか?
そこを話す前に、相談者の唱えてきた説が、まるで間違っていると言う事が多々あります。
そんな風に言うと、「私の夫の事をどこまで分かっているの?」とばかりに、また次の夫の説を唱え始めます。
でもね、相談者は、夫を色の着いた眼鏡で見ているのだから、妻から見える景色は色がついていると言う事です。
その上、「夫たるや、こうあるべき」という理想の枠に押しこめているので、その夫像もバイアスが掛かっている事が多いのです。
それで、真里ちゃん調べの第一歩。
まずは眼鏡を外してみてみようと言う事です。
そうすれば、きっと、これまでその色つき眼鏡に隠れて見えなかった色が見えてくるでしょう。
つまり茶色のサングラスを掛けて落ち葉をみたら、落ち葉はグラスの色にかき消され、くっきり落ち葉の形は見えてなかったと言う事に気づいてほしいのです。
そこで、何度も相談者の、声には出さなくとも心の声が聞こえてきます。
「私は長年夫と生活を共にしたので、いちカウンセラーが何処まで 私の夫の事が解るの?」と反発心を感じます。
確かに私は相談者の夫と寝食を共にしたこともないので、その夫の事は何も分かりません。
しかし「浮気や不倫をする人」という男性の事は、普通の主婦である相談者より、何千倍も、何万倍も知っています。
ここで何万倍というのは、大げさではありません。
もうこの相談業を始めて、約20年。
メール相談や電話相談を含めると、相談件数は3万件になります。
その世界の事は、貴女より、少なくとも、相談という世界を通して体験してきています。
私の「真里ちゃん調べ」は、私の生きた体験を通しての、事実なのです。
私は、お化けも幽霊も、UFOも今は信じていません。
今は、というのは、これから科学的に解明できたら信じるかもしれませんが、有識者がいくら研究をしても、庶民の私が実体験の無い事は信じられないのです。
そういう意味では、自分が眼で見たものしか、信じられないという頑固者です。
それは貴女が見聞きした事のない世界なので、夫の不倫を貴女は信じられないかもしれませんが、貴女の知らない事実は、現実に存在するのです。
それを証明できる事、つまり検算は出来るのに、貴女は、検算を恐れているのです。
と、いう事は貴女は持論の賛同者を求めている。だけで本当はカウンセリングを受けに来たというより、自説を貫くにはどうしたらいいか?を尋ねにきたに過ぎないのです。
それは何でなのでしょうか?
ここが本当の答えです。
貴女は、本当は、夫に認めて貰いたいのです。
これまで、妻として、否定され続け、自己肯定感が、何もないのです。
でもね、自己肯定感って、人に認められて、備わるものではありません。
自己肯定感というのは自分の体験で、成功した時のみ、成功体験として備わるのです。
では自身の成功体験を積むにはどうしたらいいか?
その前提に、貴女の間違った見解で、突き進んでいくなら、ゴールには到達しません。
何故なら、貴女の仮説の立て方が間違っているのです。
壮大な目標を掲げ、ゴールを設定してられますが、そのゴールはもう少し、実現可能なゴールにすべきです。
間違った道を歩んでいる内は、いつまで行ってもゴールにはたどり着けないのです。
私はカウンセリングに来られた相談者に、これからどうなりたいですか?と尋ねます
その答えは異口同音にほぼ全員が「離婚はしたくない」・・・です。
当然です。
しかし、その為に何が出来ますか?と質問をします。
その質問への答えに「夫が心を開いてくれる言葉を知りたい」と言われます。
そこで、私は意地悪ですが、「言葉や向き合う姿勢だけで夫婦は、何とかなると思いますか?」と。
つまり、根本的な事に手を付けず、夫を振り向かせる「金言」を知りたいと言うのです。
そんなのがあれば、私はとっくにノーベル平和賞を貰っているでしょう。
夫婦がこれから、平和に過ごすには、まず健康でないといけません。
その健康とは、身体の事だけでなく、健全でないといけません。
どこかに、夫の浮気相手が居て、その上で夫婦が健全な生活が出来るわけがない。
心身ともに、とよく言いますが、夫の浮気活動が、肉体上である以上、心身共にの心身は健全ではないのです。
ここの問題に蓋をして、夫婦が仲良くしたいなんて、貴女が、全世界の平和を唱えるくらいの壮大な願いです。
だから、全世界の平和なんて、大きな夢ではなく、もう少し身近な目標を決めないといけません。
そして、目標が決まったら それを叶える為の目的は何か?と言う事です。
今の貴女は、夫に苦しめられ、夫を半分憎み、それでも、居なくなったら困る存在で・・・・となるから、目の前のしなければならない事に目を反らし、もっとその先の、夢のような目標を唱えるのです。
良いですか、目標を叶える為には、目的を決める必要があります。
目的は、行動を決定します。
行動が決まれば、目的を叶える為の心構えも出来ますから、叶う可能性のほど遠い夢物語を語る必要はないのです。
でもね、貴女の本当の問題は、夫に認められたいという自己肯定感だとしたら、夫を否定しているようでは、夫も貴女を認めません。
また否定している夫に認められたいと言うのも、矛盾する話。
それを、これまで、認めて貰いたいと頑張ってきた貴女は、それが実現しなかったから、今度は反撃に出て、夫をやり込めようとしています。
つまりそれは、もう戦いの形を作っています。
戦う相手と、本当は仲よくしたいと願っているなんて、複雑すぎて、意味不明です。
まずは、その複雑な心境の正体が魔物です。
その自分の中の魔物を貴女がやっつけられない様では、貴女の夫をやっつける事は無理です。
あ、まちがいました。
貴女は、本当は夫をやっつけたいのではなく、仲良くしたいのですよね。
でも、何だか、夫には牙をむいてしまうのですよね。
そんな貴女の心の底では、その牙の相手と仲よくしたいのですよね。
もう、そんな複雑な妻の心境なんて、解りやすい単純な男性が理解できるはずがない。
そんな複雑な心境の中で、本当は夫を愛していると言っても、もうそれは夫には理解不能です。
それよりも、浮気相手が、貴女の夫に対して「私には貴男が必要なの」と、全身全霊で、求めて来てくれるなら、貴女の夫は解りやすい方に行くでしょう。
それでも、妻の貴女の心境を理解してほしいと言うなら、貴女も夫の心境を理解できて来たか、と。振り返って下さい。
本当に、答えを求めると言う事は そういう事です。
私の所に来て、プライドで、ガチガチになっている姿は、夫にも、そんな風に映っているのじゃないのかなあと思ってしまいます。
「会話も和やかに出来る仲のいい夫婦になりたい」という希望を述べられますが、
その願いを叶えるには、壮大な夢ではなく、貴女が出来る事を教えて下さい。
夫に認めて貰いたい・・・が、叶わなかったから、今度は「認めさせたい」になっていませんか?
気持ちの交流を望んでいるはずなのに、力技で、押さえこもうとしていませんか?
そして私の所にきて、その力技というノウハウだけを求めているようではだめです。
ノウハウや、テクニックでは解決しないのが、この夫婦の問題です。
少なくとも小手先のノウハウでは対処できません。
私の所では そのゴールをもう少し身近な物に設定し、実現可能な目標を立てる事をお伝えしています。
では今日はここまで。