浮気後の夫を信じるという事
今日のタイトル、「カウンセラーに何が出来るの?」は、タイトルの前に、「たかだか」の意味合いで
「たかが カウンセラーに何が出来るの?」という書き方の方がいい。
自虐的ではなく、本当に人が人に出来る事って、たいしてないのです。
でも、「たかが、カウンセラー。されどカウンセラーです」
しかし、そうは言いつつこの仕事を続けているのは、それでも非力ながら出来る事はあるのです。
ただ、相談者の望む事に対して、若干交差する部分はあり、その期待に応えられてないというのが正直なところです。
では、相談者の望む事って何でしょうか?
当方に来られる相談者の悩みは、ざっくり言うと1つだけです。
それは「夫の浮気を止めさせて、二度と浮気をしないようになる事」です。
しかし、その為の対策は、妻がアクションするのではなく、自然な形で事態が動くか、浮気相手が離れて行ってくれるか、又は夫が変わってくれて夫自身が自ら、自発的に浮気を反省し、浮気をしないような真人間になってくれる事。
それが妻の望む事なのです。
そして、それを望んでいるという事は、実はその対策とは具体的ではなくても、ぼんやりとでも方向性だけは妻が決めているという事になります。
だから、その方向性の為に何が出来るのか?と「具体策」を教えて欲しいというがカウンセリングに来られた目的です。
ここが 私との考えの交差する部分です。
そして、その交差が有る限り、本当の意味では夫婦問題は、解決しません。
浮気問題に限って言うと先に夫婦の心の通い合いを望むために、本質の部分に蓋をしてしまう事になるのです。
妻が浮気問題が起きた原因に注目せず、夫の言い分ばかりに心を囚われていると、本質が見えなくなってしまいます。
そして、この原因をないがしろにしたままでは同じ事が起きます。
相談者は、「浮気症の夫はまた繰り返すのではないか?」と、現在の浮気相手を排除する事を望みながらその努力は無駄になるのではないかと、浮気相手を排除する事に疑問も感じているのです。
浮気相手を排除もしない段階で、それは無意味ではないかと思っているのです。
浮気相手排除・・・・それは勇ましいワードです。
できれば一生、人生の中で、そんな言葉に出会いたくないのは当然です。
でも、そこに触れなければ、確かに相談者が言うように、同じ問題が起きるかもしれないという不安は当然です。
その原因を解明しておかなければ、そして浮気相手を排除したところで、「浮気の無かった時期」に戻るだけで、妻は夫と浮気の無かった時代に戻りたいかもしれませんが、それはある意味「浮気が始まる前」と同じという事ですから、夫婦には同じ問題が起きる前の段階と同じと言えて、その因子を抱えた夫婦という状態に戻るという事です。
だから、浮気が起きた原因の所に着目しないといけないのですが、それには事実確認が必要です。
そこまでは、相談者が、探偵を使って証拠を掴んだ、と言う方も多くいます。
でも、その証拠は、浮気相手排除に必要でも、それをどう使えばいいか、解らないとそこで思考が停止してしまって、当方にお越しになる方がとても多くいます。
浮気の事実を掴んでそこを浮き彫りにさせないと、いけないという事までは、ネットなどで調べて、そこまでは、自分自身で、動いても、そこからの一歩が、どう出していいか、解らなくなり、迷子になっています。
迷子になった理由・・・・
浮気の証拠を握って、事実を認めさせ、事実を認めさせたい。
その目的を持って調査をしたところまではよかったのですが、日々の夫との喧嘩で、それをしたら益々夫との関係が悪化する・・・・そんな風に考えが変わってきてしまって、怖くなってしまったのです。
だから、今後、夫に対してどのようにしたらいいか?と困って相談に来られますが、その段階で、何なら調査をしたことや、または調査をしてない段階でも、それを夫にすでに匂わせてしまっていて、これ以上何もできなくなっている方が多くいます。
調査で掴んだその証拠を活用したくても、それを開示したら、夫婦の関係が悪化する。
だから、そこには、妻である自分が直接手を下したくないので、カウンセラーが何かをしてくれないかな?と言う事を、内心望んで相談に来られます。
つまり、妻はアクションを起こしたくて、矢も盾もたまらず調査して、証拠を掴んだけれど、それを活用する事で、夫婦関係の溝が空いてしまい、夫の心が離れるのが怖いのです。
だから、カウンセラーが、または、妻以外が動く事で、夫が変わる「魔法」を求めに来ているのです。
宣言します!(きっぱり)
人が人を変える事って、ほぼ無理です。
それは妻であれ、カウンセラーであれ、人が何かの力を加えて、夫の人格を変えようとするのは無理です。
「じゃ、カウンセラーって、いったい何が出来るの?」とお聞きになりたいと思います。
私も時々思います、「そう、カウンセラーの役割って、何なんだろう?」って。
私はパソコンの操作で、解らない事は、PCメーカーのサポートに遠隔操作をして指導して頂きます。
私も、遠隔操作の様に相談者の夫に「浮気をしないまじない」を掛けられたら、いいのですが、それはあり得ない話です。
そんなこと出来るなら、恐らく私は、別の仕事をしていて、大金持ちになっているでしょう(笑)
カウンセリングと言う言葉は和製英語みたいで、もう訳する必要はなく、カウンセリングで意味は通じます。
しかし、海外のカウンセリングや、正式なカウンセリングを手法的に言うと、「傾聴と書いて、耳を傾ける」スタイルを取り、決してアドバイスをせず、クライアントが、自ら気づくように、導く程度の質問をオウム返しで繰り返します。
手法的なルールで言うと、カウンセラーは具体的にアドバイスをしてはいけないのです。
あくまでも、相談者が自らが気づくように、自分へ問いかけられるように導くというのがカウンセラーの仕事です。
具体的な対策を求めるなら、それはカウンセリングではなく、コーチが必要。つまりコーチングですが、浮気問題に特化したコーチングと言うのはあまりいないです。
ただ、私がしている事は、相談者は、道に迷って、自分では考えても分からないから、来て下さっているので、「自ら気づいて下さい」と言ったところで、そこは相談者の願いと交差するので何とももどかしい。
そこで、気の短い私はしびれを切らして、ある程度、道をナビゲーションするのです。
つまり、カウンセリングとコーチングの中間みたいな感じです。
しかし、それでも結局、答えは一つ。
相談者が自分自身の「考え癖」に気づき、自らのアクションを持ってしか、ご主人との関係は変わらないという事です。
つまり、夫が起こした浮気事件なのに、妻が努力したり、妻からアクションを起こすのは腑に落ちない。
確かに悪い事をした夫に対して、妻の方が努力をするというのは 損をした感触というか何か不公平な感じがしますよね。
でも、そんな、損か得かの話で言うと、そういう夫と結婚をしたという「損な運命」で、今更そこを嘆いても仕方がないのです。
そこで、気づいてほしいのです。
今の貴女は「損」というか、割の合わない不運に見舞われていますが、これまでの人生は「損」ばかりではなく、きっと「守られている幸せ」の時代があったから、これまで夫婦が続いてきたのです。
貴女の人生は、損の一色ではなかったはず。
色々、幸せな事もあり、楽しい思い出に人生は彩られていたはず。
その幸せの数と不幸の数を比べたら、結局は、幸せが勝つから、今の暮らしがあるので、損か得かというと、結果は得だと言うことです。
でもま、そんな事を言ったって、結局今の夫婦の状況に納得が行ってないので、相談に来られている訳だから、これまで、色々努力してきた結果、何も変わらなかった事は事実です。
その努力に疲弊し、当方の門を叩かれたので、そこには、自ら夫に対しては、万策尽きたと感じているのです。
だからこそ、カウンセラーに一縷の望みを託し、自分で変えられなかった現状を、変えてもらいたいと願っておられるのです。
何度も言いますが、それは無理です(きっぱり!)
では、話を元に戻しますが、カウンセラーは何が出来るのか?
それは分析です。
相談者は その分析を自分の生活に落とし込み、そこで環境や考え方や、受け止め方が変わらないと何も、変わらないのです。
夫が変わるのが先か、妻が変わるのが先か?
夫の浮気によって家庭はぎくしゃくしているし、その犯人は夫じゃん、と思っても・・・・・
何か妻の自分が変わる事に腑に落ちないと思っても・・・・
今を変えたいのはご主人ではなく、妻なのです。
夫が本当に妻との生活を変えたいと思っているなら、とっくの昔に、何かを変える努力をしています。
でも夫が変わらない、または浮気を止めないという事があるなら、夫は何かを変えたいと思ってないし、自分が変わる事で、暮らしが快適になるとは思っていません。
そんな相手に「夫に変わって貰いたい」と望むことが土台無理なのです。
状況を変えたいと思っているのは妻なのだから、だから変えたいと思う人間が変わるしかないのです。
ここを、私が妻に対して、解かなければ、妻の相談者は、夫に変わって貰おうというキリがない悪いループに陥るだけですから、この妻の考え癖に気づいてもらいたいのです。
私、カウンセラーとしての仕事は、この「相手に変わってもらわないと始まらない」と思っている相談者の心理状態を説明し、どこに、負のループに陥っているかを分析する事なのです。
その上で、相談者自らが変える必要性を理解してくれたら、何かが変わります。
しかし、それでも変わりたくない、悪い事をした夫が変わらなければ、何も妻の自分は納得できないというなら、もう何も変わらないよ、という事を解りやすく説明するのが私の役目だと思っています。
でも相談者の妻は、自分が矢面に立つのは嫌というより、自分が動く事で良い結果が出るというイメージが湧かず、結局怖いのです。
これは、経験則がないからです。
ですから、多くの相談結果に、答えはあります。
そのデーターを元に、色々なパターンを考慮しながら、進めていくのがカウンセラーの役割だと思っています。
その手法が、カウンセリングであれ、コーチングであれ、どちらでもいいのです。
ですが、やはり夫婦の日常を運営していくのは、これからも夫婦二人なので、お互いの本質を分かっておかなければ、相手に罪をなすくりつけるだけでは何も変わりません。
つまり、妻は、今の暮らしを嘆き、今を変えたいと思って、夫とやり直すには、何かを変えなければならないとは思っています。
ただ、妻の自分が変わるというだけでは、夫が反省をしないだろうし、やはり夫に反省をしてもらいたと思うので、夫が変わるのが先だろうと、「変わる順番」に拘っているのです。
ここで、問題はそこではないという事を私が分析して、説明するのが私の役目ではありますが、夫と今後の暮らしを考えると、妻にしても「考え癖」という負のループから抜け出さないと、夫との今後の暮らしは何も変わらないからです。
夫が妻に謝ったところで、そこからは、妻は夫と向き合う努力が必要です。
その努力は、どちらが、どうのこうのではなく、互いに努力の生活が始まるのでその前に本当の夫を解った上で、夫婦の共同作業が必要になってきます。
じゃ、その前に何が一番必要かと言うと、妻が本当の夫を解る事。
つまり、本当の夫を解ってない。
これに尽きます。
これからも一緒に生活をしていくのですから 夫の本質を分かってないと、夫の操縦法も分からない。
だから、私が出来るのは夫の、取り扱い説明書のような説明をする事です。
だって、せっかくこれから 夫婦をもう一度立て直そうとしているのだから、夫の取り扱い方法を知らないと、対応に困り何も出来ません。
「夫に浮気をされ辛い思いをした妻が、まだこれ以上、何故努力をしないといけないのですか?」と、やりきれない思いはこみ上げるかもしれませんが、それだけでは事態は変わりません。
八つ当たりしたい気持ちは、解ります。
貴女ばかりが我慢をするのは、バカバカしいと腹が立つのは分かります。
でも 嫌なら離婚するしかないのですが、離婚をしたくないのも貴女なのです。
誤解をせずに読んで欲しいのですが、だったら、犠牲者が自分で、夫が加害者と思っている考え方はやめましょう。
立ち位置として、加害者と被害者的な立ち位置になると、加害者は謝りません。
だから、謝るか、謝らないかを、物事の出発点にしてしまうと、妻を悪者にして、ご主人は謝りたくないと意地を張るでしょう。
浮気をした男と言うのは そういう生き物です。
それが嫌なら夫という人物に三下り半を突き付けて、さっさと今の生活に見切りを付けるしかなくなります。
でも、今の生活も大事だというなら、妻も、頭を使わないといけないのです。
謝りたくない人間に謝れと、言い(思い)続けても、それも意地の張り合いになり、何も変わらないどころか、本当の意味で夫婦は破たんの道をたどるかもしれません。
貴女が夫の謝罪や反省を求め続けるのは自由ですが、夫がもう本当に謝りたくないと、宣言したら夫婦は終わります。
貴女が、夫に謝って欲しいと思っている延長線上に、「謝れば、夫婦を修復しても良い」と思っているかもしれませんが、男性は、浮気を認め、謝った段階で、夫婦を終わりにするかもしれないのです。
それが男性脳の考え方です。
謝罪なんて、口で言えば何とでも言えます。
謝罪が開き直りの場合もありますし、浮気を認めて離婚をしようと考える男性も多いのです。
浮気をしたことを何も反省をしてないからではないのですが、謝る事で本当の意味で夫婦関係が改善するとはご主人は考えていません。
むしろ、夫婦をやり直そうと思っているからこそ、の場合もあるのです。
浮気を認めないのも、妻の心情を慮っての場合もあります。
だから、これまでのコラムでも書いてきましたが、妻に嘘を付くうちは、まだ家庭を守って行こうという考えの表れかもしれません。
「深い関係ではなかった」と女性との事を認めないのも、ある種の思いやり。
そんな、嘘を付く夫を許せとは言いませんが、夫は嘘を付いてでも生々しい事を言って妻を傷つけまいとしているという事もあるのです。
これを妻の立場としたら、「まずは妻に謝るのが先で、それからでしょう、夫婦の修復は」と考えても、それは妻の貴女の考えです。
夫流の考えは、嘘を付いている内は、まだ、夫の自尊心を保ちたいのかもしれません。
自尊心も失い、妻からの信用も失くしてしまうと、もう再び、夫婦や家庭でやり直せるイメージが持てないのです。
だから、嘘を付くのを許せとは言いませんが、嘘を付く目的は家庭を続けて行きたいという気持ちの表れであるという事を理解して下さい。
それでも、貴方が、夫が頭を下げる事が一番大事と思うなら、そこで。もう夫とは決裂する事になります。
ただ、ご主人のタイプにより 離婚の意思がある事は最後まで離婚の事は表面には現わさないでしょう。
黙って水面下で、家を出て行く準備をするケースもありますから、黙っているとは言え、妻に謝罪をした時には、別居や離婚の段取りが終わった時というタイプの男性もいます。
貴女の考え脳・・・・・悪い事をした人間が、謝らないと再出発は出来ない
夫の考え脳・・・・・謝罪して罪は認めるが認めた時は終わりだ。しかし、罪を断罪する裁判官とは仲よくやれるはずがない。
そんな風に考える男性が多いのです。
貴女が夫の謝罪が、再スタートの出発点と思っても、男性脳は 「謝って浮気を認めたから、もういいだろう、解放してくれ」と、夫が逃げるかもしれません。
それが男性脳です。
上記のような、全てを認めた時点で、夫婦再生が始まるのではなく、終わる事もあるという事を知って欲しいのです。
私は浮気をする男性脳を、妻である貴女に説明する事は出来ます。
でも 私は貴女の夫を変える事は出来ません。
また、貴女に成り代わって、貴女のご主人を、反省させたり、断罪する事は出来ないのです。
貴女が考える夫の、間違えた夫像を、そのまま私に話して、間違った見解の基、一カウンセラーは、遠隔操作で貴女の夫を操縦する事は出来ません。
貴女がそこまではカウンセラーに期待をしてないかもしれません。
しかし、貴女の望みは、まずは夫から、夫婦をやり直したいという気持ちを表明してよ、というのが貴女の希望なのでしょう。
でも、それを望んでいる限り、物事は進んで行きません。
そういう事で、まずは、謝る、謝らない、反省、白状。
それらに拘らない方が、突破口が見つかるかもしれません。
スタート時に、あまりに目標を高く掲げるより、入り口のハードルは低くする方がとっつきやすいです、
私が出来るのは こういう「問題を読む」という分析です。
それにおいてやらなければならない事が解ってきます。
そのやらなければならない事を、相談者に、お教えするだけでは、片手落ち。
何故、一歩出ないのかの妻の心理状態も解いてから、その上で、対策を練りましょう。
でも、その私の分析や見解が、必ずしも、貴女の考えに添うかは分かりません。
万人に、効く薬がないように、貴女に向く対策かどうかは、
しかし、貴女が間違っていると思えば、実践しなければいいだけです。
そんな無駄になるかもしれない意見を参考までに聞きに来られるのも、長い人生の為に、必要じゃなないですか?
人生には多少の無駄も必要です。
では今日はここまで。