小倉優子さん「騙すならばれないように」
先日、樹木希林さんへの人生を語る時に、夫婦愛を大きくクローズアップするのは、如何なものかと書きました。
別に、裕也さんとの愛がなかったとは言いません。
確かにこれだけの長い間、別居をしていながらでも離婚をしなかったという事は、愛の貫きとも言えるでしょう。でも離婚をしない事を夫婦愛だけで語れる程、単純な話ではないと思います。
裕也さんが、やっとコメントを出しました。
「最期は穏やかで綺麗な顔でした。啓子(樹木さんの本名) 今までありがとう。人を助け 人のために祈り 人に尽くしてきたので 天国に召されると思う。おつかれ様。安らかに眠ってください。見事な女性でした」
今頃、気づいたって遅いじゃない。
もっと早くに気づいて、幸せにしてあげて欲しかったな。
確かに、見方によっては、そんな裕也さんと結婚を全うできたから、希林さんは幸せだったという意見もあるでしょう。
でも、そんな回りくどい幸せじゃなく、もっとストレートに幸せにしてあげたかったな、と思います。
そして希林さんの人柄を語る時に、その潔さと愛にあふれた語録は、きっと人の心の支えになってきたでしょう。
そのボキャブラリーの多さではなく、その語彙というか、慈愛というか・・・・・
癌の病状を聞きたくても気を使い言いにくそうにしている記者さんに、「あとどれくらい持つかって?」と希林さんは自ら口火を切ってくれる優しさ。
男女の愛以上の家族愛や、母性愛、人類愛・・・・・本当に彼女は多くの方へメッセージを出しています。
新学期が始まる9月1日に特に子供の自殺が多い。
いじめにあったり不登校で自死する子供たちに述べている言葉は、慈愛に満ちています。
「9月1日がイヤだなって思ったら、自殺するより、もうちょっとだけ待っていてほしいの。そして、世の中をこう、じっと見ててほしいのね。あなたを必要としてくれる人や物が見つかるから。だって、世の中に必要のない人間なんていないんだから。
私も全身にガンを患ったけれど、大丈夫。私みたいに歳をとれば、ガンとか脳卒中とか、死ぬ理由はいっぱいあるから。無理して、いま死ななくていいじゃない。 だからさ、それまでずっと居てよ、フラフラとさ。」
娘婿のモックンからの愛。俳優仲間からの慕われ方。監督さんからも愛された希林さん。
希林さんが愛に溢れた方だったから、多くの方からも愛されたのです。
希林さんは、どんな人にも愛を注いだから、人からも愛を注いで貰えた人生だったと思います。
だから、夫を愛していたんだという、夫婦愛と言う言葉で希林さんを語る程、軽々しいものではないという事を前回のVo1で書きましたが、夫婦愛がベストだったとは思わないし、希林さんの人生を彩ったものは、もっと沢山あったはず。
あ~あ、爪の垢もおがめなさそうにない私です。
では今日はここまで。