フラッシュバック

よく受ける相談の中に、浮気事件は終った後に起こる「フラッシュバック」があります。
実際、夫の裏切りにあい、それが終ったからと言って、「昨日まで苦しみで左を向いていたのに、明日から明るく、右向いて」なんてそう簡単に気持ちを切り替えられるものでもありません。
しかし、そこは夫がきちんと浮気を謝罪し、これまで以上に家庭を大切にしようという努力が見えたら、妻もいつまでも拘って拗ねてるわけには行きません。
終った事は終った事として、夫婦そろって忘れる努力も必要です。
でも、本当は忘れるなんて簡単には出来ないので、忘れたふりを装うというのも、忘れる為の訓練です。
しかし、残念ながら時間が経てば経つほど、夫のした浮気の意味が判らなくなり、せっかく忘れようとしているのに、苦しんで居た時の事が、走馬灯のように蘇ります。
これには妻もどうして良いか分からなくなるというのです。
特に夫の考えがわからなくなって、本当に家庭や家族の事を考えてくれているのか？日を追うごとに信じられなくなります。
忘れたいのに、忘れられない・・・・それどころか、余計に以前の事がフラッシュバックして不安になると言われます。
この不安の正体は何でしょうか？
実は、これが「余裕」というものなのです。
本当に夫が浮気をしていて、それが発覚して苦しんだ時期には、夫に戻ってきてもらう事だけで必死だったと思います。
とにかく、何はともあれ、夫の心を取り戻す事に必死で、それ以外の大きな期待はしなかったはず。
それが一段落したから、「夫は何を考えてたのか？」という風に、心の部分に疑問を持ち始めるのです。
夫の浮気という行動を阻止する事で頭が一杯であった時期に比べ、夫の心の中の部分にまで考えが及んだというのは、ある意味余裕のなせる業なのです。
でもそれは余裕とは普通は解りませんから、フラッシュバックという風に感じますが、それだけ平和な暮らしが戻ってきたという証なのです。
だから、不安になったときは　不安を感じる余裕が出来たと考えるべきなのです。

でも、こんな風に書きながら　私は実は不安を覚えています。
例えばフラッシュバックに悩む妻に、何故そのような状態が起きるかというタイミングを聞くと、ふとした瞬間、夫の心が離れていると感じるからだと言われるのです。
でも、これには答えが２つあります。
１、ひとつは、夫も、自分のしでかした罪を若干引きずっているという場合です。確かについ先日まで浮気をしていて終ったからと言って、まるで何もなかったようには出来ないという事です。だから多少ギクシャクしても、もう少し待ってやってください。
２、そしてもうひとつは、夫がきちんと夫婦修復を誓ってくれたのに、何故か、夫の事を疑ってしまうと言うのは妻側の心の問題ではなく、本当に夫は修復を努力してくれているか？という事です。
私がこれまで見てきた夫婦のタイプで、夫が浮気後、いち早く妻とのやり直しを宣言した夫です。
１にも書いたように夫だってそんなに簡単に立ち直れるものでもないのです。
逆に言うと、妻にばれたからと言って、だからすぐに浮気相手と別れるほど、妻と良好な関係だったら、そもそも浮気はしません。
例え子供の事は可愛いからと言っても、子供の為にも家庭に戻ると言っても、それとこれとは違います。
確かに子供が可愛くない親はいません。しかし子供の為を思って、浮気を止めるという理屈にはあまりならないものです。逆に子供を思って、家庭に戻ったというなら、余計に妻には冷たく当たる事があるようです。
だから、子供の為にと家庭に戻った夫は照れ隠しかどうかをよく見極めて下さい。
あなたに対しての冷たさが、照れ隠し半分であれば、もう少し待ってあげて下さい。
でも、これまでの統計で、あまりご主人が積極的に夫婦の修復を望んできた場合は、フェイクの可能性があります。
つまり本気で浮気相手と別れてきたとするなら、そんなに何もなかったようには出来ないのが普通です。
それをとても早くに浮気を後悔し、とても早く妻とやり直そうとするなら、逆に人間はそんなに強いものではないのです。
不倫はされた妻も苦しいですが、した側の夫も実は苦しいものなのです。
たとえ　それが自分の撒いた種とは言え、苦しいことに違いはありません。
そもそも不倫をする段階で、妻との関係性が冷え切っている事もあり、不倫が終ったからといって、そんなにすぐに妻の方を向くというほど、器用なことは出来ないのです。
もし、あなたのご主人が誠実な人だから妻の元に帰ってきてくれたと感じるなら、恐らく優しい人なのでしょう。優しいがゆえに、たぶん浮気相手にも優しい人なのでしょう。
だからこそ、そんなに右向いて左という風に、簡単に終った事には出来ないはずです。
浮気が終って、すぐに妻に優しいと思うなら、それは本物の優しさではなく、フェイクを疑ってみて下さい。
優しい人なら逆にきっと器用ではないはずです。
妻に浮気がばれて、すぐに別れてきたと言うなら、それは少し疑ってみて下さい。
あなたが修復しようといわれたにも関わらず、どこかご主人の心がここにあらずという場合は、たいてい別れてない場合があります。
但し、妻には浮気相手と別れてきたと思わせないといけないから、余計に優しく出来るのだと思います。
つまり目で見えているものが、本物かどうかを見極めて下さい。
あなたのフラッシュバックは、あなたの余裕のなせる業でない場合は、本当は夫のそれが、まだ続いている事による隙間風の可能性があります。
表に表れている事が全てではないという事もありますから、そこは少し客観的な視点が必要です。

私は時間があると、よく映画に行きます。洋画，邦画、何でも見ます。
最近は長澤まさみさん主演の「嘘を愛するおんな」と言うのを見ました。
5年同棲する彼が、くも幕下出血で倒れたと警察から連絡があり、病院に駆けつけると、自分が知っていた名前も職業も皆、嘘だったという話で、本当の彼が何者なのか？何故、名前も偽らないといけなかったのか？
彼のルーツを辿る旅に、長澤まさみさんは出かけるのです。
私の相談にも寄せられる案件で、実は夫の二重生活を知らなくて、夫の二面性の解明をお手伝いする事があります。
何年も自分の夫の本当の姿を知らないなんてケースはざらにあります。
でも、ここを探っていくと、夫が妻を騙すきっかけは、実は妻が作っているという事があります。
例えば、夫がパチンコ狂いだとします。それを妻が嫌ったとします。
それだけで、夫はパチンコをしていない自分を作り出さないといけません。
パチンコで負けたら、小遣いが底を尽き、生活費に手をつけたら、それをカバーする為に借金をしないといけなくなります。
そうなると、その借金の返済に、またもやパチンコをして、穴埋めをしないといけないのですが、そんなに穴埋めが簡単にできるなら借金もしません。
と、いう事で、パチンコ狂いの夫を持つと、夫はパチンコをする時間を作るのに嘘を言わないといけなくなります。
もちろん、パチンコを良しとする事は難しいでしょう。
でも、あまり厳しく禁じると、夫はパチンコをする時間と、お金を隠さないといけなくなります。
そういう事から、時間とお金について嘘を付かないといけなくなります。
そんな事で妻に全てを明らかにしない、二重生活が始まるのです。
妻が嘘を望むはずはないのですが、結果的に妻が嘘を夫につかせてしまう事になる事もあるのです。
夫に対して望む姿・・・・夫は家庭を持つと、パチコンもしないはずという妻の希望にあわせるためには
夫はパチンコをしない夫を演じないといけないのです。
それだけで、夫婦の間には、嘘が生まれます。
夫婦がおかしくなっていく原因は色々です。
でもその中で夫の嘘が一番解り易いのは「時間とお金」です。
これが誤魔化されたり、おかしいとなると、何かが始まっています。
要するに、浮気も、時間とお金がないと出来ません。
使途不明時間に使途不明金、これが浮気が出来るか出来なくするかの分かれ道です。
それを最初から、生活費も夫が全部握り、妻には夫がどのくらいお小遣いを使ってるか、解らなくさせていたら、そりゃやりたい放題できますよ。
逆にお金を妻が管理できているからと言って、それで夫のお金遣いをコントロール出来ていると思うのも危険。
要はそのように思わせておいて、夫には別の口座があるという事はよくあることですから、一度お金の流れを疑ってみて下さい。
お金を妻が管理できているといううぬぼれ？が逆に浮気を見えなくさせている事があります。
と、いう事で、一度、今見えている事を、一旦、疑ってみて下さい。
特に　夫婦でやり直そうとしているのに、何故か夫の態度に隙間風を感じるなら、原点に戻り、妻が夫の全てを解っているという事を、疑ってみて下さい。
では今日はここまで。