夫の真意と 物の道理
常々、相談を受けていると、夫の浮気に面し、攻めたり詰問したりしてしまいました、と奥様が言われます。
そして、その結果、離婚か否かまでヒートアップして、収集がつかなくなってしまって当方の門を叩かれます。
その時にいつも言われる事は 「仕方がなかった」という言葉なのです。
もちろん、誰しも何がベストか、結果を予想して それに応じた言動が出来るとは限りません。
現に、私も冷静さを失って、迷いの中から、仕方なくしてしまった事はあります。
でも、その時には その行動に自信もなければ、それが一番のベストだと思っていません。
どちらかと言うと、海に溺れて漂流した結果、岸壁に打ち上げられてしまったいう表現の方がしっくり行きます。
しかし、当方に相談される方の特徴は、自分の言動は、困り果てての発言というより、それによって事態が好転するという
風に、いい方向に考えています。
もちろん、人間はわざと悪い結果を見越した言動はするわけはないのですが、何故か「悩んだ挙句」と前置きしながら少なくとも悪い方向に行くというイメージは持っていません。そこには皆、一様に自信に満ち溢れています。
仕方がなくて、起こす行動が誰もベストとは思っていなくても、その言動はその人の「本質」を表すし、本分にないことは表面には出てきません。
と、いうことは 仕方がなく、つい言ってしまったというより、やはりその人の本質を表すと考えてもいいでしょう。
「今度、浮気相手と会ったら、もう離婚よ」と脅かしたとしましょう。
それは 妻が離婚をしたくて言っているのではないことは 私にか分かります。
でも もし、夫が離婚を考えだしている段階で、妻がそれを口にすると、夫にとっては、渡りに船になるのではないでしょうか?
そして浮気相手へ吉報として「妻の了解が得られた」とばかりに、夫が離婚へ向けて動き出すこともあるのです。
そこで 慌てて妻が私共に相談に来られても、事態は離婚へ動き出している場合があります。
村越「何故、そんなこと言っちゃったの?」
相談者「仕方がなかったんです」
と、言われます。
でも私が相談者を理解しても、ここでは意味がありません。
なぜなら 本当に理解してもらわないといけない相手はご主人なのに、私が理解しても意味がないのです。
しかし、その夫に、心とは逆の脅かしのようなことを言ってしまっている。
でもこういう場合は 日頃から妻の方が夫に対して、意外とかかあ殿下の立ち位置になっている場合が多い。
でも、起きてしまっている事象を考えて、脅かしでいいのか、それくらいは一回考えてから発言して欲しい。
これまでと違い現象(浮気)が起きている場合は いままでとは違う夫婦関係になっています。
それをこれまでと同じ立ち位置で脅かし戦法が通用するかどうか、です。
つまり関係性が悪化しているのに、脅かし戦法が効果があるかは少し考えたら分かるはずです。
それでも「苦し紛れ」だったから「仕方がなかった」ということも分かります。
ここは ようく考えてみると分かります。
人間は いつも2つの方法を選択しながら生きています。
例えベストな方法が思いつかなくても、自分の戦法で行くか、行かないかは、選んでいるはずなのです。
そこで、相変わらずな方法を選んでしまってるということは その方法が その人にはベストだからです。
この方法がベストかどうかは 必ずそこで選択しているはずです。
と、いうことで仕方がなく選んだ方法は実は ある意味その人にとってベストだと感じているということです。
だから ここで頭を切り替えて欲しいのです。
あなたが選んだ方法は、これまでは通用してきたかもしれませんが 悪化した関係の中では逆効果になってしまいます。
それでも、脅かし戦法しかあなたにはないとなると、それは仕方がないというより、あなたの中でそういう立ち位置で進めてしまう癖があると言ってもいいのです。
ちょっと、ここを見直してみませんか?
仕方がない、とか言いながらドンドン悪化する方向を選ぶよりは ちょっと立ち止まり「そもそもその方法でいいのか」と考えて欲しいのです。
仕方がないという言葉は、自分を見つめてない言葉です。
本当に仕方がないということが許せるなら、あなたのご主人が魔が差して仕方がなくやってしまった浮気も許さなくてはいけないということになります。
仕方がないからと言って何でもしていいとは限りません。
つまり思いのままに、言ってしまうという言葉は 流れるままの言葉です。
真剣にその事を考えると仕方がない、なんて、出来るだけの事をやったということの言葉ではありません。
本当に仕方がなかったのか
もしかしたら もう少し考えたら何か、いい方法があったかもしれない。
仕方がないとは なすすべがない事を言います。
でも本当にそれしか、することがなかったのか。
心のままに、声にすることが 良策だったのか?ここを一度振り返って見る必要があると思います。
そこで、今日は下記の言葉をプレゼントします。
「真剣になると知恵が出る。 中途半端だと愚痴が出る。 やる気がないと言い訳が出る」
以上。