浮気後の夫婦修復について
いよいよ暦は3月です。
受験や卒業。入学の準備や仕事なら移動や転勤。
家庭には引越しなどの変化に応じて、夫婦にも色んな転機が訪れます。
離婚や別居もこの時期に多いのが特徴です。
人生の分かれ道がこの時期に色濃く現れます。
私も相談を受けている中で、とてもこの時期に関係した内容が多いので、人は暦にまとわれて生活していることは事実です。
それだからこそ、今後のことという相談は、ある意味日程を意識するのは当然です。
しかし、ここを私がとても懸念するのは、日にちに囚われて結論を急ぐのは果たして正解でしょうか?
何故なら、それまでに出来るだけの努力をして、やることはすべてやったというなら、春の訪れと共に
結論を出せばいいと思うのですが、これまで色んな事を避けて通り、色々と見て見ぬフリをして蓋をしてきた結果、とうとうタイムリミットが来たから結論を出したいというのは如何なものかという事です。
こんな断崖絶壁のような状態で、どう結論を出すかとなると、応急処置のような事しかできなくなります。蟻とキリギリスの話じゃないですが、夫婦が怠け続けていたとは言いませんが、何かしら問題を先送りにしていた可能性があります。
とは言え、これが意図的になされたことではなく、夫の浮気を隠されて、その結果、気づいた時に
不幸にして離婚を迫られるということはあります。
これは妻の責任ではありませんが これも私に言わせてみれば、気づこうともしなかったということがあるとすれば、やはり若干の横暴さは否めません。
以前、「歯痛理論」のコラムでも書きましたが、歯が痛くなった段階で、かなり病状は深刻ですが、とりあえず痛みを取ることに頭がいっぱいになります。
ここで普段の歯磨き指導や歯周病の予防方法を言われても、そんなことより、今の痛さを何とかして欲しいと思ってしまい根治の話なんて、程遠くなってしまうのです。
では、どうしたらこのような、先送りのことではなく、最悪の状態になる前に、解決出来るかです。
問題の内容は、各夫婦それぞれですので、個々のケースへのアドバイスにはなりませんが、考え方という部分にだけでもなればと、思います。
ビジネス本でも、人生のノウハウ本でも、よくゴールを決めて、それに向けて、計画を立てよと書いてます。
これは何が言いたいかと言いますと、ゴールを決めると、それに向けての努力内容が決められます。
努力内容が決まると行動が決まります。
つまりどんな事でも、行動を起こさないと、物事は変わりません。
と、なると物事は行動というアクションが何らかの鍵になるという事です。
しかし、アクションとなると、ご主人と喧嘩したり浮気相手に直談判をしたりという荒っぽいことを想像しますが、そうではありません。
アクションというのは自分の中でのチェンジのことです。
つまりこれまではご主人の言うことを鵜呑みにし、信じてきたことが夫婦としての信頼の証のように感じてきた自分をチェンジするというのも、アクションの一つです。
夫を信じることを美徳としてきた自分の考えを変えるというのも、「変える」というアクションです。
これまでは、信じるとか、疑ってはいけないとか、そしてこれから、どのように夫に向き合えばいいかとか、相談の内容はすべて、これ、心の中の話なのです。
つまり、夫とどうコミュニケーションを計ればいいかと問われますが、本当はその妻の心の中で解決をしたいと思っています。つまり解決策の方法はあくまでもコミュニケーションという方法を望んでいます。ここで具体策を述べると、途端にたじろぎを覚えるようです。
先ほども書きました、1、ゴールを決めると書きましたが、例えば、この夫婦に起きた難題は初めての試練です。マラソンに例えると ゴールは42.195キロです。
相談者は完走はしたいと願っているのですが、ゴールにはたどり着くためには、今日からでも、練習をするしかないのですが そういう練習のことをいうと、ゴールがとても遠く感じて 練習を拒否したくなるのです。それは何故かというと、その練習の辛さを想像して、練習すらする気持ちを失ってしまいますが、中には練習はしても少しで根を上げてしまう方は、どうやって練習をやめるか、自分への止める理由を考えてしまうのです。
そこで 自分との葛藤が始まります。
その結果何故ゴールを目指したのか?
何故マラソンを初めてしまったのか?
ゴールをする努力をするよりも、練習を止める言いわけばかりを探し出します。
このまま、本当にゴールするのだろうか?
もしゴールできないのであれば、こんな練習しても無駄ではないか、と疑問を持ち出します。
自分が努力をしても、そもそも夫が変わらなければ、努力する意味がないと考えるようになったり、もしかしたらこの努力や方向性や方法を教えてくれたアドバイザーが間違っているのではないかということになります。
要は自分以外の環境のせいや、回りの人のせいにしたくなるという事が起きてきます。
だから途中で練習を放棄したくなったり、止める口実を探し出すという事です。
ここで、改めて、ようく考えて欲しいのです。
夫婦は色んな問題を抱え、壁にぶち当たります。
それを解決すべきと、夫婦関係の改善を努力する決意をされたのだと思います。
と、いうことは 確かにゴールは 42.195キロを完走することかもしれませんが、ゴールをする為に乗り越えないといけない夫婦の問題はたったひとつではないはずです。
浮気問題が暗雲をもたらしていても、それは夫婦の問題の積み重ねによる結果にすぎません。
本当の問題は妻である貴方がご主人の寂しさに無頓着だったからかもしれません。
もしかしたら、ご主人の浪費の原因は、ギャンブルか、贅沢か無駄使いか、浮気のせいでお金が出て行っているのか、その原因に気づいてこなかったとしたら、それが夫婦の隙間なのかもしれません。
確かに 私は応急処置も必要だと唱えていますが、これは根本の原因を無視しろと言うことではないのです。あくまでも応急は応急です。
落ち着けば根本的な原因を突き止めないともし浮気相手を排除できたとしても同じ問題が起きてきます。
と、いうことは、このゴールに向かっている間にも、小さなゴールはあります。
これが「気づき」とか「意識改革」と呼ばれるものです。
誤解を恐れずに申しますと、どんなゴールを設定しても、そこに到達出来るかなんて、誰も保証はしてくれません。
相談者自身がどのくらいの努力を出来る人か、解らないので、最初は目標を掲げても、それを実行してくれるという確証はアドバイザーやカウンセラーにも解らないのです。
だから本当のゴールは相談者自身も、自分の決意を貫く自身がないなら、ゴールなんて誰にも約束できない話になります
無責任に聞こえると思いますがこの私にも、本当にゴールに相談者が到達するかは分かりません。
これが正直な話です。
本当に夫婦のゴールを保証するくらいの強気の発言をする人は、占い師のような、「暦だより」の話になります。
何故なら、誰もその人、本人を見てないのです。
その人にゴールがあるかは、カレンダーの暦が決めてくれるのですから、その人の人格すらも暦が決めてくれるので 誰も言葉に責任を持たず、責任は天や星が決めてくれることになのです。
私がアクションを起こすようにと言った途端に引いてしまう人は、概ね占い好きの人が多いです。
何らか自分で努力をすると言いながらも、出来れば何月になれば、大殺界から抜けて、運が開けますというような、天に任せたいタイプが多いのです。
自分では意識をしていなくても、人生を暦に託しているのです。
占いを仕事にされている人に喧嘩を売るつもりはありません。私も朝のテレビ番組では、「おうし座は・・・」とか 今日のラッキカラーはとかは、見てしまいますし、大事な取引が有るときには、今日の運勢は?と見てしまいます。(昼頃には忘れてしまいますが・・・・)
そういう訳で、遊び程度の占いは楽しめますが、自分の運命を占いで結果を出そうとしている人がいるなら、それはちょっと危険過ぎないですか。
それを踏まえて人の人生ヘの提言を仕事としていながら、最後は統計学とか星や天のバイオリズムのせいにしている人をみると、首を傾げてしまいます。
正直、無責任と思われるかもしれませんが、人の人生へのアドバイザーであっても、答えはアドバイザーの学習結果だとしても、最後はそのアドバイスどおりに実行してくれるかどうかは分からないのです。
ですから、もう少し私が、大風呂敷を言えるタイプならば、「絶対に大丈夫です、解決しますよ」と言うのですが、そこまでの事が言えるならば、もうそれは自信家か宗教の教祖様でしかありません。
そういうことで、こんなアドバイザーの仕事をしていながら断言をしないのは、頼りにならないと思われることも覚悟しながら、嘘はつきたくないと考えています。
しかし一つだけ断言出来るとしたら 離婚を回避出来た人と出来なかった人との違いは、はっきりと断言できます。
それは、結果を急ぐあまり、短気を起こしたら、失敗します。
そして、問題をインスタントラーメンのように、一回の工程だけで物事が終わると考えないことです。
面倒くさいと思われるかもしれませんが こういう夫婦問題は、必ず何段階かを経て結果が出ます。
それを面倒くさがらないで、短気を起こさず、最後まで投げないことです。
そうすれば、道を踏み間違えません。
いくら腹がたっても言ってはいけない事はあります。
とりあえず夫婦喧嘩は禁じています。
どんなに思った結果が出なくても修復の途中で夫婦喧嘩をしたら、つい、言いたいことをぶちまけたくなりませんか?
これではせっかく積み上げた結果も台無しです。
ですので、ひとつのことを成し遂げるには、粘り強さが必要です。
でも、これまで色んな努力をして来て失敗もしましたと相談者は言われます。
でも、私に相談をしたからには、今度こそ失敗は出来ないと言われます。
その意気込みは真剣ですが、ではこれまでは?と聞くとそういう風に言う方ほど、夫に言いたいことを好きなだけ言ってきた人のようです。
もちろん、その結果浮気をご主人がしても、浮気はいけません。
でも、そこに至るまでの妻の冷たい態度や、暴言はそう簡単に変わる訳はないとご主人も信じてはいないのです。
少しくらいおとなしくしても、少しだけ優しい言動に抑えたところで、ご主人はそう簡単に妻を信じません。
その上で、もちろん自分の犯した浮気という罪というのも自覚しているので、そう簡単に妻が許してくれるとも思っていません。
ですので、今日から妻は修復を目指し、しおらしくしても、ご主人との信頼関係はそこで、立ちきれているのです。
ですから、心の中で奥様が変わろうと決意していても、それはまだご主人には通じていません。
そんな中で、お互いが一触即発の状態で、短期間で奥様がキレたら、ご主人からすれば「やっぱり」となります。
だから、これまでの土台が崩れやすいの上に、すぐ土を盛っても、グダグダになるように、土台に気づかず、今度の一発で上手く着地したいと考えるのが間違いなのです。
つまりこれまでの自分の振る舞いを反省はしているのは分かるのですが、その間違った夫婦関係を続けてきた期間の分だけ、立て直しにも時間が掛かりますし、工程も必要です。
しかし、最悪の状態にほったらかしてきた人ほど、一発での解決を望みますし、一発で解決しないと嫌な人なのです。
要するに、これが歯痛理論に通じるのですが、短気なのです。
自分のしてきた事は間違いだからこそ、その土台作りから改めないといけないのに、土台は考えずに
今後の対策だけを教えて欲しいと電話を下さいます。
「これから」を知りたい人は「これまで」を見つめ直す必要があります。
と、いうことで回り道のようでも、一旦これまでの夫婦の形を見直すこと、これが夫婦の修復についてとても大きな気づきになります。
そういう意味で その気づきをどれだけ出来たかが、修復には不可欠です。
それで、今日のテーマに戻りますが、「ゴールに到達するまでに小さなゴール」があると書きました。
これには気づきと意識革命だと書きました。
ゴールは遠い道のりだと思っても、実はそれまでに小さな峠があるので そこで一つづつ峠を制覇していくと、さほど苦にはならないはずです。
下から高い山だけを見上げていると、程遠い気がしますが、少しづつ登って行けば、大丈夫です。
もちろんご主人という相手のある話ですから あなただけのことを考えてもいけないのですが、少なくともあなたの短気を制御するくらいはしないといけません。
私は悩む妻の解決を「絶対」という言葉を使って約束はしてあげられません。
しかし、42.195キロの伴奏はします。
本当に解決したいという覚悟さえ持って下さればゴールはなくなりません。
粘有り強く取り組む問題です。
そんなに簡単に解決すると思うのはいけませんが、諦める問題でもありません。
そういう意味で希望を捨てず、頑張って出来るだけのことをやりましょう。
小さい峠で その都度、クリアーしていけば、結局は一つ一つの夫婦の難点を解決できたことになるので、その収穫は大きいです。
冒頭に夫婦の問題はひとつじゃないと書きました。
浮気は最終問題ですが、それまでの問題が解決しながら進めていけるなら、夫婦の問題を乗り越えたことになるっていいことじゃないですか?
では、今日はここまで。