ドクターストップ

村越真里子

村越真里子

テーマ:大変だ!夫婦の緊急事態発生

実は私は子供の頃から歯医者が苦手です。
最近は、痛みのない治療も進み、世の中はホワイトニングとか、歯周病予防とかで、定期的に歯医者に足を運ぶ方が多く、昔ほど歯医者は怖い存在ではなくなってきています。
しかし、子供時代の、あの独特のキーンという音は、痛さを倍増させるものであり、私にとっては敵から攻撃される武器に感じていましたから、恐怖心しかありませんでした。
そこでいつも歯医者に行くときは、虫歯の痛みに耐えかねて、仕方なく行くので、逆に言えばギリギリまで行かないという限界への挑戦でした。
もう歯医者に行く時は清水の舞台から飛び降りる気持ちで、母親に首に縄をつけて引っ張られて行く心境でした。そこで ようやく意を決して行っても痛みさえ取れたら、治療を途中でほったらかしてまた、行かなくなると言う繰り返しでした。
そうなると、次に行く時はどうなるかというと、もう神経を抜く状態になり、おかげで痛みは逆に無くなった反面、銀冠や義歯をいれないといけないという最悪の繰り返しでした。

つまり私は子供なので、目先のことしか考えてないのです。
でも医者は、このまま放置すると、歯がどういう事になるかわかっていますし、今の状態は虫歯としてはどのくらいの状態か分かるために、治療が不可欠だと説明しますが、いかんせん子供というのは想像力がありませんし、こうなると、こうなるという経験則を積み上げるという能力がありません。
また、虫歯が悪化するという経験は持っていても、それで学習はしないので、目先のことしか考えていません。
つまり、プロから見ると、現状のステージは分かるので、放置すればどういう段階に進むという当たり前の診断が、患者には届かないと言うことになります。

こういう風に書くと、何かに似ていませんか?
そうです。
私から見ると、こういう状態に陥っている夫婦は、放置するとこんな風に進んでいくと言うことが経験値としてあるので、ある種断言出来るのです。
もちろん、例外や個人差はあります。
でも、そんな個体差や少数派の方に、楽天的な結果を期待する方がレアな事であり、実際は概ね法則どうりの結果が訪れます。
特に夫婦の間に起きている事象を見ると、それの根底にある原因が私にはわかりますが、夫婦問題に悩む相談者は、その原因は知りませんから、そこから現れる事象の根拠が解らないのです。
例えば、歯の治療で言えば、虫歯が神経にまで届いていたら、歯が痛みますが、悪化すると、歯の神経を抜くしかなくなります。
そうなると、痛みは消えるわけですから、一見、苦痛はなくなりますが、ドクターというプロから言わせると、神経を抜くと、歯は死ぬので、弱って行くわけで、もろくなり割れやすくなると、後は寿命という時間の問題になります。
夫婦が、それと全く一緒とは言いませんが、物の原理は一緒です。
相談者は、まさかそんな最悪の状態になるとは思いませんし、結婚した頃の夫の優しさなどに、願掛けのような気持ちで、「あの優しかった主人がそんなひどい裏切りをする訳ない」という楽観主義になるしかなくなるのです。
今のご主人の妻に対する態度、家庭で見せる表情などが、どういう風にこの次になっていくか、それは多くの夫婦を見てきたプロなら、今後が分かるのです。
もちろん、夫婦問題は人間関係の事ですから歯の話がすべて夫婦に適用できるとは思いません。
相談に来られる方の中でも、人間界の事は 精神が宿っているので、歯の神経を抜くのと一緒ではなく、
色んな反省、修復、修正を持って、正されて行くものではないですか?と成長を期待されます。
一回抜いて終わりという歯のようでは無く、人間の起こすことは失敗とかも繰り返し、改善される事もあります。
「そういうことだってあるんじゃないですか?」とある種、怒りながら質問される方がいます。
でも、そういうご主人なら、現段階で、こんな誤魔化しはしなよな~とか、妻に浮気がバレているのに、まだしも
こんな嘘はつかないよな~とか、という、物事には「程度もん」という事があります。
「人間って反省しながら成長していくものじゃないですか?」と食い下がられますが、それも程度もんを持って考えると、そんなに反省をすぐにする人は、こんなに長く妻を裏切らないという「程度もん」があります。
もちろん、人間が織り成すドラマですから、色んな例外もありますし、色んな奇跡も起こります。
でも、そんな奇跡のような確率に一縷の望みを託すより、ずっと凡例の方が確率は高いので、わざわざ難関の方に答えを求める方が無理はありませんか?
原因があって結果がある。
この事象はこういう原因が根底にあるから、こういう状態で現れるという事が、根拠を持って考えられると、今後、起きてくる事が見えて来ます。
余程、相談者の夫が個性的な例外的な人であるとするなら、逆に社会人として通用せず、根無し草のような人生を歩んでいるでしょう。
仕事も普通にこなし、それなりの常識人だとすると、例えば浮気だけに関しては人生の道を踏み外さないと考えるより、例外的に聖人君子のような潔癖であれば、そもそも今のような浮気を疑われるような事も起きていないと言うことになります。とうなると むしろ潔癖な聖人君子の方が、変わった人だと言うことになります。
でも、妻にすれば、夫は社会人生活は全うに過ごしていると言うならば、もしかしたら浮気だって、普通の男がする、普通のことなのかもしれません。
浮気に関してだけ、異常なくらい間違いを起こさないと考える方が無理があるというか 現代の世の中では聖人君子の方が変わりものなのかもしれません。
これは浮気をすることが普通で、しない人が異常だと言っているのではないのです。
いろんな浮気の事実が隠しきれずに、漏れ溢れる事象がありながら、根底のところで夫を、聖人君子に思いたがる妻の無理な発想の方が、むしろ、文字通り無理があります。
こういう事を理解してもらった上で、問題を片付けないと、妻は夫への不信感を私が打ち消してくれると期待するのです。
もちろん、私は相談者の一番の味方です。
だから 私と相談者の意見が食い違ってはいい仕事は出来ませんし、解決の方向へは向かいません。
相談者とカウンセラー、これがチームワークを持って取り組まないといけませんので、私はこの起きている事象に対して、その原因と 今後の「こうなって行く」というのを予想をしながら解決策を組んでいきます。
私も人を裏切る人は好きではありません。
だからあなたの夫を擁護するつもりはありません、
でも、相談者の夢と妄想と希望的観測を肯定するだけでは カウンセラーとしては失格です。
時には ドクターのように、このままで放置していたら大変な事になりますよ、というのを実際の事例や相談経験の中から、結果を先に教えて差し上げております。
これを、ただの脅かしと取るか、危機感を煽る営業トークととるかは自由です。
プロのドクターなら、あなたが病院に来られた時、簡単な風邪の症状ならば、「大事を取って様子をみましょう」と
いうかもしれません。
私もここのコラムで 放置しておいていいのは軽い風邪と擦り傷くらいと書いてきています。
しかし、病気によっては自然治癒なんて有り得ない病気はあるのです。
生活習慣病なら生活を改善したら良くなることもあります。
それだって、何もしなかったら良くなると言うことは有りえませんから、虫歯であれば、自然と治るなんて事はないのです。その病状によって悪化することが必至なのです。
特に生活習慣病は浮気によく似ています。
実際、色んな臓器は悪くなっていっていても、本人は最悪の状態にならないと分かりません。
自覚症状が出た時には、手の施し用がないこともありますし、症状が出たら?
それはもう浮気問題が進行していて 離婚の準備が整ってしまう事が考えられ
ご主人から別居や離婚を言い渡される事態に陥ります。
但し、本人はこれくらいは大丈夫だと、自分に言い聞かせながら生活をしていますので
深刻さはありません。
ですから こういう自覚のない方へは、あまりピンと来ないかも?と思い
わざわざ わかりやすい痛みのある「虫歯である」と書きました。

プロのドクターであれば 患者と一緒になって楽天的には考えません。
友人や親であれば、励ます意味で楽天的に「様子を見よ」と放置策を言います。
それは嫌われる覚悟がないのと、仕事ではない人は、例え親であろうと人の人生に責任のある言葉は言いたくないのです。もし悪いことになった場合、誰も責任をとりたくないからです。
でも、プロは嫌われる覚悟を持って、現状とこの先に成りゆく症状をはっきり明言します。
それはお金を貰って、発言に責任を持つからで、嘘が付けないのです。
しかし、身内感覚の人はきっと良くなるよ、と「嘘も方便」を使います。
そういうことで 概ね放っておいてもいい浮気はほぼ無い。
最悪の状態になる前に予防注射くらいはしましょうよ、というのがプロの仕事です。
私は浮気に対しては、楽観的な事は言いませんが、そこには解決策もプラスしてその浮気、ストップさせましょう。
それがドクターストップです。
(あ、ここで一つ、お願いしておくのは、どんな瀕死の状態でも良いとは言ってません)
回復の可能性を高めるには、早期発見早期治療に限ることは、知っておいてください。
実際、放置すればその期間、快適かと言えば、それは単に目を背けているだけですから、やっぱり相談者は苦痛なはずです。
そんな無駄な苦痛な時間を過ごすくらいなら、痛くても虫歯の治療に行きましょうよ。
以上、50年前の私への忠告でした。
では、今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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