浮気後の夫を信じるという事

「浮気相手と別れる」という事。
このテーマは　どちらの、つまり誰の立場で書こうか、とても悩みました。
でも、別に急ぐ事は無いので何度かに分けて書いて行こうと思いますので　今日は妻から見た夫の浮気の終わりという視点で書いてみる事にします。

浮気相手と別れると口で言う事と、実際に別れるという事とは、まったく種類の違う行為だという事を今日はお話しします。

例えば　夫が毎日帰りが遅くなり、しまいには休日も仕事と称して出勤するようになったりと
普段とは違う雰囲気に、浮気を疑い、メールなどで確信を得てしまったとします。

そこで妻が夫に攻め寄ると、あっさり浮気を認め、もう女性と別れると宣言します。
その場合、妻も夫の反省を期待し、もう認めているのだから　あまり責めずにここを乗り越えようとします。
むしろ　もうその話は避けて通りたいと思い、夫の言葉を信じようとします。
しかし　この時に夫と妻とが同じ思いであれば、とても美しい話なのですが、実は妻は
そんなに簡単に浮気が終わらない事を知りません。

浮気を本当に心から反省をしているならいいのですが、人間とはそんなに簡単に反省をする生き物ではないのです。
ただ、もし妻を苦しめちゃったな～とか　妻を泣かせちゃったな～と素直に反省するならいいのですが
もし泣かせちゃった事に胸を痛めるなら　それはもう一人泣かす人が居るという事になります。

家庭が大事だから、家族が大切だから　浮気を止めるだろうと思うのは　妻の考えであって、
もうすでに始まってしまった浮気の幕を下ろす理由は家庭が大事という理由は　浮気相手には通用しないのです。
だから　こういう事態になった時に　妻は夫が、家族の事を考えたから　浮気を止めてくれると言ったと解釈していますが、実はこの時点では夫は「困ったな～浮気相手にどう切り出そうか？」と思っているなら、まだましで、実際は　どうやったら妻にばれずにこのまま浮気を続けられるかという事で
頭はいっぱいだし、心臓はバクバクです。

だから　妻にばれたからと言って　浮気相手と別れるという事がイコールにはならないのです。

しかし夫がもう浮気を止めると言っている限り　妻はそれを信じたいし、もうこれ以上疑う事はしたくないという気持ちから　「浮気相手とは別れる」と言われたら、夫を信じる方に回ろうと決意します。
疑う事に罪悪感を持ってしまうという事です。

しかし、私はこのコラムでも何度か書いてきましたが　「信じるとはどういう事か」と言うと
「疑う余地がない」という時に　信じる事が出来るのです。

そういう意味で言えば、夫が浮気が終わったと言ったとしても　それはすぐに信じることではないし
実際に浮気相手という女性が居る限り　「相手がいる事」なのですから　そんなに簡単に物事は進まないという事を念頭に入れておくべきだという事で、夫を疑う事を勧めているのではないのです。
つまり、浮気は簡単に終わる事ではないと分かると、本当に終わったかどうかくらい、確認をしてからでも信じても遅くはないという事です。

では、その確認作業とは　終わったと言われ、以前のように帰宅が遅くなくなったから　浮気が消滅したと言うのは　やや乱暴かと思います。
もしかしたら　浮気を疑われたから、もっと警戒のアンテナを張り巡らせ、より隠すようになったのかもしれないのです。
そういう事で　浮気が無くなったと感じさせる為に　これまでとパターンを変えて来たにすぎないという事もあるのです。

貴方の夫が　優しい人ならなおさらです。
妻を苦しめたと反省するのと同じくらい　浮気相手の女性にも済まないという思いを持つものです。
妻だけを庇って　浮気相手には非情に別れを宣言できるほど、冷たい夫ではないはずです。
妻に優しい人であればあるほど、浮気相手と別れてほしいと妻に言われても　本当は「どうしていいか
分からない」のです。
それなのに、簡単に口から突いて出たとしたら、それは逆に心が伴っていない、妻の疑いの目をとりあえずカワシたという事になります。

これは妻に対していう事ではないとは思いますが　男女の仲はそれほど簡単に終わらせられるものであないという事です。
妻は　家庭が大事だからという理由で夫は女性と別れて来ると思っていますが　これは違います。
男性は不倫の場合、たいてい妻と仲が悪いという事で　さびしさを出して同情を買っていますから
という事は別れる理由として妻にばれたから別れたいと浮気相手には言えないのです。

この部分を妻が解ってないから、直ちに別れて来てくれると期待をしてしまうのですが、
実は　夫は妻にばれたから浮気相手と別れようという決意をする男性はごく少数であるという事をしってほしいのです。

では、どういう時に浮気相手と別れる決意をするかというと、意外と決意のような毅然としたことではなく、何度も何度も分かれたりひっついたり、その中で浮気相手と「死んでやる、飛び降りてやる、会社に言ってやる」と脅かされたりというやりとりに　疲れた後です。
そういうやり取りを何度も繰り返しているうちに、色んな事に、疲れ果てるのです。

だから　妻にばれたからと言って、すぐさま「分かった、相手の女性とは別れる」と即答するくらいの時は　まだ　別れの扉も開けていないと思ってもいいくらいです。

当方に寄せられる相談の中で　「夫が浮気相手と別れたと言いますが信じられません」という内容が大変多いのですが　私は「それはそのはず、そんなに簡単に終わらない」という事を感じます。

ここで改めて言いますね。
夫は（男性は）別れる事がとても下手です。
恋は始めるのは簡単でも　幕を下ろすのはとても難しい。
特に男性は自分から物事を終わらせる事が苦手です。
この事を頭に置くと　簡単に信じて裏切られたと騒ぐくらいなら
妻はもう少し慎重に、浮気の行方を見届けた方がいいと思うのです。

何でも大切な事は　言い放つことや　信じたと手放すことではなく　事の終わりを
確認する事だと思います。
信じるのはそれからでも遅くないと思います。
では、また。