労働時間と割増賃金のお話(12)
~時間外労働・休日労働(その7)~
さて、36協定をもってしても超えられない時間外労働の上限規制のお話をしてきましたが、これらの上限規制についてその適用が猶予されている業種があります。すなわち、
工作物の建設等の事業、自動車の運転の業務、医事に従事する医師については、2024年3月31日まで上限規制の適用が猶予され、同年4月1日から上限規制が適用されることになっています。
また、鹿児島県及び沖縄県における砂糖を製造する事業については、2024年3月31日まで、複数月平均80時間以内・1か月100時間未満とする規制は適用されないことになっています。
これらの上限規制の適用が猶予されている事業等について、2024年4月1日から時間外労働の上限規制が適用されることになるのです。これが「2024年問題」といわれているものです。
この点については、上限規制のお話をした際に一部省略した点がありますので、改めて省略した部分を含めて説明するとともに、適用が猶予されている事業の2024年4月1日以降の適用についてお話しすることとします。
—続—