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令和3年の民法等の改正(4)

竹下勇夫

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テーマ:民法等の改正

~相隣関係③~

 相隣関係に関する改正の最後は、民法第233条の「竹木の枝の切除及び根の切取り」に関する改正です。
 現行の民法第233条においても、隣地の竹木の枝や根が境界線を越えるときは、竹木の所有者に、その枝を切除させることができ、また、その根を切り取ることができます。しかし条文上は、根が隣地から侵入してきた場合には自らその根を切り取ることができるのに反して、隣地の竹木の枝が侵入してきた場合には、その竹木の所有者に枝の切除を請求することができるだけであり、もし竹木の所有者がこれに応じない場合には、裁判所に対して、切除を求める訴訟を提起して、その勝訴判決で強制執行するしかありませんでした。これはいかにも迂遠であり、しかも竹木の所有者や隣地所有者が不明なときは、ますます面倒なことになってしまいます。

 そこで改正第233条は、その第3項において、①竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき、②竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき、③急迫の事情があるとき、に該当するときには、土地の所有者は、自らその枝を切り取ることができる、と規定しています。   —続—

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専門家

竹下勇夫(弁護士)

弁護士法人ACLOGOS

検察官として10年、弁護士として30年超のキャリアを有し、高い専門性が求められる企業法務を得意とする。沖縄弁護士会会長等の公職を歴任する傍ら、琉球大学大学院法務研究科(現在は学部)講師の顔を持つ。

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