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竹下勇夫

会社法・労働法・経済法に精通した企業法務のプロ

竹下勇夫(たけしたいさお) / 弁護士

弁護士法人ACLOGOS

コラム

同一労働同一賃金5

2020年11月19日 公開 / 2021年2月4日更新

テーマ:同一労働同一賃金

コラムカテゴリ:法律関連

 指針において、原則となる考え方を述べているのは、「基本給」、「賞与」、「役職手当」、「特殊作業手当」、「特殊勤務手当」、「精皆勤手当」、「時間外労働に対して支給される手当」、「深夜労働又は休日労働に対して支給される手当」、「通勤手当及び出張旅費」、「食事手当」、「単身赴任手当」、「地域手当」、「福利厚生施設」、「転勤者用社宅」、「慶弔休暇並びに健康診断に伴う勤務免除及び当該健康診断を勤務時間中に受診する場合の当該受診時間に係る給与の保障」、「病気休職」、「法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く)であって、勤続期間に応じて取得を認めているもの」、「教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能又は知識を習得するために実施するもの」、「安全管理に関する措置及び給付」です。「住宅手当」、「家族手当」、「退職金」等については述べていませんが、この点に関する重要な判例も存在しますので、これら指針が触れていないものについても説明することとします。

 まず「基本給」についてです。



 また、「労働者の業績又は成果に応じて支給するもの」、「労働者の勤続年数に応じて支給するもの」についても、上記の図のように、「通常の労働者と同一の業績又は成果を有する」、「通常の労働者と同一の勤続年数である」短時間有期雇用労働者については、「業績又は成果に応じた部分につき」、「勤続年数に応じた部分につき」通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならないし、「業績又は成果に一定の相違がある場合」、「勤続年数に一定の相違がある場合」においては、その相違に応じた基本給を支給しなければならない、としています。

 昇給については次のようになっています。



 ただし、ここで注意しておきたいことは、指針は、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者が両方とも同じ賃金の決定基準やルールが適用される場合に適用されるということであり、従って、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者が異なった賃金の決定基準やルールに基づいている場合には適用されないということです。
 もっとも、このような場合においても、そもそも通常の労働者と短時間・有期雇用労働者の賃金決定基準を別建てにすること自体が不合理であるとされる場合もありそうです。詳細は、水町勇一郎著「同一労働同一賃金のすべて(新版)」Q20を参考にしてください。

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