歯ぎしりは患者さんご自身の歯を壊します
皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
津谷歯科医院 院長の津谷 良です。
当院の患者さんで咬合痛を訴えて、しょっちゅう来院される方がいらっしゃいます。
その方は85歳を超える後期高齢者の女性の患者さんで、何時も来院されるたびに、
右上の奥歯、右下の奥歯、左上の奥歯、左下の奥歯が噛むと痛いと訴えます。
歯も年相応に摩耗して、軽度の歯周病で少し動揺も認められますが、
まだまだ現役という状態の歯ばかりです。
入れ歯はなく少しの欠損はありますが、自慢の歯で食べています。
むし歯の問題もなく、口腔内の病気も特に見当たらない状態です。
歯の痛みの部位は決まっておらず、来院されるたびに変わります。
投薬も一時的な効果で、でも患者さんは痛みのため薬は手放せません。
もちろん原因は噛む力です。
そしてこの噛む力のコントロールが厄介なのです。
危険な噛む力のコントロールというべきなのでしょう!
原因は大きく分けると
1)噛む力や噛み癖という力加減
注意して食べている様子を見ていると、大きな音を立てて食べている人がいます。
そんなに硬くて厚みのないものでもバリバリとカチカチと勢いよく食べる方は要注意です。
優しく食べている方と比べて、歯や歯周組織にかかる負担は大きく、
歯の破折や歯周病の急な進行が起きやすく、逆にゆっくり優しく食べる方は、
生涯にわたって、問題を起こす危険性は少ないでしょう。
2)偏った側で何時も噛む癖
習慣性というか、左右の噛み合わせが噛みやすい側で何時も噛んでしまう癖の事です。
もちろん歯を失って、入れ歯を入れずに残っている側で噛むのも同じ意味ですが、
噛む力が片側に集中すると顎関節や噛む筋肉に負担が増え、顎がずれたり、痛みを伴ったり
歯以外にも負担が増えます。
3)噛み合わせ
歯並びや歯のずれ、傾斜によって、上下の歯に掛かる力のバランスが崩れ、咬合性外傷を
起こしてしまい、歯の動揺や歯槽骨の吸収や顎関節に問題を起こす。
また詰め物や被せ物が良く外れたりするのも噛み合わせが強すぎる原因です。
すべて噛む強い力に対して歯が悲鳴を上げているのです。
若くて元気で力を受けられるうちは痛みは出ませんが、一線を越えると問題を起こし始めます。
習慣は意識して治すしかありません。
あまり力を入れて噛み過ぎないようにしてください。
さて問題の患者さんは思案の末、咬合プレートを作って問題解決しました。
それでも時々痛みが原因で来院されます。
癖の除去はどうも難しいようです。