認知症の入れ歯作りについて 2
皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
津谷歯科医院 院長の津谷 良です。
あるご家族から母親の入れ歯を作ってほしいとの依頼がありました。
その方のお母さまは認知症で、ある老健施設に入居されているそうです。
まったく入れ歯を入れずに長い間過ごされていて、
やわらかい物しか口にできないための総入れ歯作製依頼でした。
まずは、施設側に問い合わせて、ご本人の体調、病気のための投薬などを確認して、
患者さんと対面しました。
ほとんどしゃべられない方で、口を開ける指示は通るのですが、
口を閉じる指示はなかなか難しいようです。
また口腔内には多くの残根が残っていて、何本も折れた歯の欠けらがひらひらと動いて、
触ると痛そうな顔をされます。
もしこの上から入れ歯を作ることは痛みがあるため、まずは折れている歯の欠けらを除去することから
始めなければ入れ歯の型を取ることもできません。
主治医の許可は出たのですが、今度はご家族が母が高齢のため抜歯などはさせたくないとのことでした。
結局なかなか話が進まず、中断したような話です。
訪問先での外科処置は当然治療内容に限界があります。
そのご家族もこんなに口の中が悪いとは知らなかったのだと思います。
せめてお体がお元気な内に歯科医院で治療を開始してもらって下さい。