認知症患者の入れ歯新製について
皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
津谷歯科医院 院長の津谷 良です。
「入れ歯は一度作るとそのままの状態で使えるのでしょう」
お母様(Aさん)の入れ歯を希望されたBさんからご連絡を頂きました。
Aさんはご自宅でご高齢で認知症、独り住まいです。
Bさんは遠方にお住まいのため、時々帰郷して、Aさんのお世話をしています。
Bさんのみならず多くの方は簡単に入れ歯が作れるとお考えのようです。
このケースを考えてみると、我々歯科スタッフが認知症の独り住まいの方のお宅に簡単に訪問できるか?
できればご家族の方に同席していただくのが必要と思っています。
過去のケースで経験したことでは、
認知症の方がお一人の場合、訪問の約束を忘れずにいらっしゃるか?
外出されて、ドアに鍵が掛かっていないか?
もし入れ歯が出来上がっても、入れ歯を上手く使えずに、戸惑ってタンスの中に仕舞いこんだり、
また入れ歯が紛失されたとご連絡頂いたこともあります。
今の保険診療では同じ入れ歯は半年間作れません。
Bさんに今までの経験上のお話をさせていただいて、結局このケースでは入れ歯作りは中止になりました。
認知症の方に入れ歯ができないと申しているわけでもありません。
お一人住まいのために、様々な事ができなくなっているのでしょう。
特に認知症の方はご家族のお世話か、施設の入居の場合(目が届く意味で)が必要と思います。
むしろ入れ歯紛失や患者さんの健康の度合いを考えて、
軽度の認知症の内に予備の入れ歯を作られる事をお勧めします。