岡山から世界へ　歯の大切さを発信（3/3）

海外活動拡大や緊急歯科展開が夢

　海外活動面での存在感が強い中條さんですが、実は地元の幼稚園や小学校、老人ホームなどへの無料訪問指導も行っています。「歯科医師として地元に受け入れていただき、幸い衣食住に困ることはありません。地域へのお礼に専門知識を活用して貢献していかなければならないと思っています」。熱心な活動が評価され、中條歯科医院は平成20年度には岡山県の子育て応援宣言企業として県知事賞を受賞しています。

　これからDNOWの活動を拡大していくには、いろいろな組織と協力することが不可欠と中條さんは強調。「私個人やDNOWが単独でできる事は限られています。歯科衛生士や看護師の組織などと連携し、一人でも多くの子どもの成長を助けていきたい」と夢を語ってくれました。
　DNOWはベトナムに加え、今年3月にはフィリピンでの活動も開始。マニラ市で初の治療活動を実施しました。この活動を軌道に乗せるのが、目下の中條さんの目標です。もっと多くの人々の歯の健康を守るため、もっと多くの人に活動に参加してもらいたいと願っています。
　「将来は災害地での緊急歯科医療にも挑戦したいですね。地震などの被災直後は必要がなくても、避難所生活では入れ歯をなくすなどして苦労される方もいるはず。どのタイミングで現場に入るべきか、どんな治療の需要が多いのかを研究し、『岡山にDNOWあり』と認められるようになりたいですね」
　専門技術で社会貢献を続ける中條さんは、地元の患者さんたちにとっても、海外の子どもたちにとっても、頼もしい“歯医者さん”です。
　（2013年1月取材）

■中條新次郎プロのプロフィールを見る

⇒岡山から世界へ、歯の大切さを発信しています