「最新AIによる高度な攻撃」のウソ?~サイバー被害の真相と、個人情報が抜かれる手口~
連日、ニュースでは「〇十万人分の個人情報が流出!」と大騒ぎされています。
テレビを見ながら、「うちのデータも漏れたかも……どうしよう!」と青ざめている方も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと珈琲でも飲みながら、冷静に考えてみてください。
もし、あなたの「自宅の住所」が誰かに知られたとします。それだけで、泥棒はあなたの家にすんなり入れますか?
入れませんよね。頑丈なドアがあり、鍵がしっかり掛かっているからです。
ネットの世界も、実はまったく同じなんです。
今回は、ニュースの数字に振り回されないための「本当の守り方」について、少しお話しします。
100%防ぐのは無理。だから「二重ロック」が当たり前
「サイバー攻撃を100%完全に防ぐ」というのは、現実的には不可能です。
どれだけ気を配っていても、どこかのサービスから情報が漏れてしまう可能性は常にあります。
だからこそ、今の世界のセキュリティは発想が根本から変わっています。
「情報はいつか漏れるもの。だから、漏れても中に入れない二重ロックをかけよう」
これが、最近よく耳にする「多要素認証(二段階認証)」です。
パスワードを入力したあと、スマホに「ピピッ」と届く確認コードを入れたり、指紋で認証したりするあれですね。
ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、あれこそが「玄関の二重ロック」です。
攻撃者が名簿を手に入れてパスワードを推測できたとしても、あなたの手元にあるスマホの鍵がなければ中には入れません。
この鍵さえしっかり掛けていれば、名簿が流出したからといって実際に被害に遭う確率は、実はものすごく低いのです。
銀行やカード会社も、裏でAIが見張っている
さらに、クレジットカード会社や銀行もただ見ているわけではありません。
普段コンビニで数百円の買い物しかしない人が、突然真夜中に30万円のブランド品を買おうとしたり、行ったこともない海外でカードを使われたりすると、カード会社から「ご本人の利用ですか?」と確認の連絡が来たり、支払いが自動でストップしたりしますよね。
あれは、裏側でAIが一人ひとりの普段のお買い物パターンを分析して、「いつもと違う怪しい動き」を24時間監視してブロックしてくれているからです。
世の中のシステムは、私たちが思う以上に「漏れても被害を出さない多層のガード」で守られています。
誰かに守ってもらうより、自分のドアに鍵をかけよう
それなのにニュースでは、裏側にある防衛の仕組みや実際の被害確率には触れず、「〇万人流出!」という数字だけを切り取って恐怖心を煽りがちです。
その結果、「デジタルは危ないから使わない」「マイナンバーカードも怖い」と頑なになってしまい、便利なはずの行政や社会のデジタル化がどんどん遅れて、世界から取り残されてしまう……これこそが日本にとって一番もったいないことです。
大切なのは、「絶対に漏らすな!」と誰かを責め立てることではありません。
「第三者に守ってもらうのを待つのではなく、自分の手で玄関の鍵(二要素認証)をしっかり掛けること」
これに尽きます。
「二段階認証の設定、面倒くさくて後回しにしてたな……」という心当たりのある方、ぜひ珈琲を飲み終えたら、スマホの設定画面を開いて二重ロックをかけてみてくださいね。それだけで、大半の危険は防げますから。
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