ドラマ「ダンダリン」をみて
就業規則の作成に関しては、「どちらを向いて作るか」が、肝心です。
・従業員の分かりやすく、法律に関する事を網羅して(従業員に向けて)
・法律の権利に関する事は小さく、一目見ただけではわからないように(経営者を向いて)
・法律が求めているものだけを網羅して、最小限度に。(お役所を向いて)
どれが良いと思いますか?
正解は・・・無いんですが(^_^;)
あえて言うなら、全部不正解!
法律を網羅するだけでは、現在の労働情勢に対応できません。また、権利に関する事は隠しても労働者が知っています。隠そうとするその姿勢が不信感を煽ります。
市販の就業規則のひな形や、多くの社労士さんの作る就業規則も残念ながら上記3パターンに当てはまっているのが現状です。
なぜ、そうなるのか?
事業主さんがそれを望んでいるからです。
就業規則の最終的な意味は、
・労使の権利義務をはっきりさせて
・紛争になりそうな部分を未然に防ぎ、
・労使のなすべき方向性を示す。
ものであり、会社を人事労務関係のリスクから守るもの
だと思います。
そのためには、その会社に合った、必要な事項が網羅され、実際に運用できる就業規則が求められます。
では、なぜ専門家である社労士の作る就業規則でさえ、その要求に完全に答える事が出来ないのか!?
要因としては以下の事が考えられます。
① 事業主の要求による(社労士が勝手に作るわけにはいかないので(^_^;))
② 労使間の意識のズレが大きくなってきている
③ 個別紛争に関する状況が流動的であり、労働者の意識が急速に権利過剰に動いている
④ 社労士自体が、紛争の内容、実際を知らない。
これを見ていただくと、
「何で社労士なのに内容を知らないんだ!?」とおしかりを受けそうですが、これはある意味仕方のないことなんです。
社労士は「労働に関する法律」の専門家です。紛争の専門家でも、労働者の不満に関する専門家でもないんです。
調理師の免許を持っている方が、全員「最上級の料理」を作れるかと言えばそうではないですよね。それぞれの得意も有れば、腕の差もあるでしょう。社労士も同じことです。
さて、同じくらいの負担であれば、最高級の料理を食べますか?それとも普通のクラスの料理を食べますか?
当事務所では、実際の就労状況、賃金・退職金関係の状況、その他を聞き取りし、先ずは規則案を提示させていただきます。そこで、過不足を補うように打ち合わせを繰り返し、最終的な決定に至ります。