フラの歴史、禁止時代を経て現代へ

フラには、実は長い歴史があるのです。今回はフラの起源から、フラが禁止されていた時代、そして見事フラが復活するまでの流れを解説していきます。

フラの起源とは

みなさんは「フラ」という意味をご存じですか？

フラ（hula）は、一般的には踊りという意味で用いられていますが、ただの踊りではなく、ダンスや演奏、詠唱・歌唱の全てが含まれていると言われています。つまりフラは、ただの踊りではなく、文字がなかった頃から人々が精霊や自然への感謝や祈りなどを伝えるため、伝統のある神聖な踊りとして受け継がれてきました。

フラが禁止されていた時代があった！

そんな神聖なフラですが、実は約半世紀という長い間、踊られることのなかった時代がありました。
その理由は、19世紀にハワイに来た宣教師たちが「自然崇拝を意味するフラは、野蛮でみだらなもの」 として禁止したためです。

当時宣教師たちは、キリストの教えを人々に伝えようと、航海技術の発達によって行けるようになった土地へと次々に旅立ちました。

キリストの教えを知らないハワイでは、人々は自然を崇拝していました。ハワイにやってきた宣教師たちは、元々ハワイにあった崇拝・思想が邪魔をして、新たな教えであるキリスト教を信仰させることができないと考え、1830年公式の場でのフラ禁止令を出すに至ったのです。

そして、それから50年ほどの間、フラを踊る姿は見かけなくなってしまいました。
その間にハワイ王国が滅び、ハワイの文化はすたれていく一方でしたが、フラは一部のハワイの人の間で守られ続けたのです。

禁止時代から再びフラが復活するまで

そんなフラが再び踊られるようになったのは、1874年。伝統文化復興を進めるデビッド・カラカウア王 によって禁止令が説かれたのです。彼は芸術や文化に深い理解を示し、「陽気な王様」として国民からも愛されました。

また、カラカウア王の即位式の際には、お祝いの踊りとしてフラを踊らせました。宮殿にもフラ・ダンサーを雇い、客人を招いた際にはフラでもてなすなどをして、フラの文化復興に力を尽くしました。それからフラは、ハワイの人の誇りや思いを取り戻し、再び踊られるようになったのです。

そして、西洋のクラシック音楽やピアノが伝わるようになると、その文化を応用して楽曲を作り、独特の「ハワイアンミュージック」が誕生するようになりました。

そんな「ハワイアンミュージック」に合わせて踊る、儀式の形だけではない新たな形のフラが登場するようになりました。それが、今わたしたちに広く知られているフラのスタイルです。


◇ハワイの歴史と歴代の王様
◇文字を持たないハワイの文化