公正証書遺言②
学園前司法書士事務所の司法書士の上北です。
お読みいただいてありがとうございます。
遺留分とは、相続人の権利を保護するために、民法に定められた権利であり、相続人が相続できる最低限の割合です。
遺言で自由に財産は処分できますが、残された家族の生活を脅かす可能性も否定できません。
たとえば、「財産の全部を第三者に遺贈する」という内容の遺言が残っていた場合などは、相続人にも最低限の権利が必要という考えに基づくものです。
遺留分は以下のとおりです。
①配偶者のみが相続人の場合・・相続する財産の2分の1
②直系卑属(子供・孫)のみが相続人である場合・・・合計は、相続する財産の2分の1。各々、法定相続分
で分けることになります。
子供が2人いる場合では、各々が4分の1の遺留分があります。
③配偶者と直系卑属(子供・孫)が相続人の場合・・合計は、相続する財産の2分の1。各々、法定相続分
で分けることになります。
配偶者と子供3名がいる場合 配偶者4分の1 子供1名につき12分の1の遺留分があります。
④配偶者と直系尊属(父母・祖父母)が相続人の場合・・合計は、相続する財産の2分の1。各々、法定相
続分で分けることになります。
配偶者と直系尊属(父母)が2名いる場合 配偶者3分の1 父母1名につき12分の1の遺留分があり
ます。
⑤直系尊属(父母・祖父母)のみが相続人の場合・・合計は、相続する財産の3分の1。
直系尊属(父母)が相続人(2名)の場合 父母1名につき、6分の1の遺留分があります。
⑥兄弟姉妹 遺留分はありません
少しややこしいように見えますが、配偶者か直系卑属(子供・孫)が相続人になる場合は全体の2分の1が遺留分で、それを法定相続分で割ることになります。直系尊属(父母・祖父母)のみが相続人になる場合は、全体の3分の1が遺留分で、それを法定相続分で割ることになります。
遺留分はあくまでも権利です。行使するかしないかは相続人の方に委ねられております。
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