遺産分割調停事件
学園前司法書士事務所の司法書士の上北です。
お読みいただいてありがとうございます。
自筆証書遺言作成後の注意点です。
何回も書いた遺言書の効果です。(この効果は公正証書遺言においてもあてはまります)
遺言書はいつでも破棄し、書き直しができます。
(1)以前書いた遺言と後で書いた遺言書、内容が矛盾するときは以前書いた遺言が無効になります。
「○○市○○番1の土地を長男に相続させる」と当初書いていても、後に書いた遺言で、
「○○市○○番1の土地を次男に相続させる」と書いた場合、後に書いた遺言が有効になります。
矛盾している遺言がある場合、矛盾する部分(全部ではありません)は後の遺言により撤回したと見
なされます。
(2)遺言者が遺言内容に反する行為をしたときは、遺言を撤回したものとみなされます。
(1)の事例で、相続させる土地を別の人に贈与した場合などは、遺言の撤回をしたものとみなされ
ます。(遺言に書いた内容と違う行為もできるということです。遺言の撤回とはその部分のみを指
し、遺言全体で矛盾しない部分は有効です。)
(3)何枚も遺言書があっても、矛盾しない部分はいづれも有効です。
しかし、遺言が何枚もあると相続人の方が混乱しますし、矛盾点の評価も難しいところがありますので、書き直す場合は、後の遺言に「前に書いた遺言は撤回する」など記載して、前の遺言は破棄される方が無難だと思います。
次回は、自筆証書遺言のメリット・デメリットです。
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