やっぱり輻射式の暖房がいちばん人気。
新年度になりました。
住宅業界はウッドショック(木材の供給不足)がさらに悪化し、いまだに給湯ボイラーやトイレの納期が半年近くかかっています。
塩ビ管、石膏ボード、水廻り機器、太陽光発電パネル、塗料、左官材、生コンなど、ほとんど全ての資材・建材が値上げラッシュでして、コロナ禍前比で10~15%程度仕入れ金額が上がっています。
原価でそんな風ですから、家を建てたりリフォームする消費者のみなさんへは、最低でも20%程度の負担になってしまっているのが実情でして・・・。
今後値下がりする情報は、今のところは全くございませんし、世界情勢を鑑みると今後もさらに値上がりしてゆくものと考えています。
我々建築業者側も、お客様と契約した段階で提出している見積書と、いざ工事発注するそのわずかな数週間、数日の間に値上がりしてしまっているものも多く、利益を削って痛み分けしているのが現実でして、なかなか従業員への給料ベースアップに踏み切れていない、というのが現実かと思います。
そんな中、国や県、市町村から様々な脱炭素・カーボンニュートラルに対する補助金や助成制度が今後続々と発表されてきています。
今年度、最も注目すべきは長野県が打ち出した「「信州健康ゼロエネ住宅」。
4/15より公募開始だとのことですが、現在業者向けに説明会としてYouTube動画を配信中です。
「これから新築住宅を建てる方はゼロエネに。」
「リフォームする方も断熱材を厚くするなど、省エネリフォームの併用は欠かせませんよ。」
というメッセージが込められています。
気密性やバイオマス活用(薪ストーブやペレットストーブ)を盛り込んだ、信州らしい家とは何か?
ということも改めて認識させられた良策であると思います。
わたしも「現場施工」というカテゴリーで講師を務めさせていただきました。
ぜひ大工さんや現場監督さんたちにこの動画をみてもらい、ポイントをつかんでいただきたいと思っています。
床の断熱工事は気密層が連続していないことが大変多く、作り手側もそのことに気づいていないことがままあります。
断熱と気密はつねにワンセットで考えましょう。
「気密をよくすること」=「隙間風をなくすこと」=「冬場床付近がスースーしない」
という極めて重要な作業ですから、ぬかりなく、丁寧に行うようにしてください。
みえないところに隙間は存在しています。そこに暮らす人には目に触れないところです。
「気流止め」はまだ言葉として知らない大工さんや設計者、現場監理者も数多く存在していると思われます。
当人たちは「ちゃんとやっている」という自覚をもっているのがまた厄介で、これらのことを知る機会がほとんどないのも問題だと感じています。
お風呂廻りも「なんだか寒い」というクレームが多い場所です。
過去にも本コラムで度々採り上げていますが、毎年冬になると全国から私のところに相談メールが舞い込みます。
ユニットバスは住宅の一部として建築するのではなく、冷蔵庫や洗濯機のように家の中にポンと据え置く、というイメージで考えたほうが分かりやすいかもしれません。
玄関の靴をぬぐところ、タイル床の部分も断熱されていない家がまだまだたくさんつくられているようです。
この部分は「土間床に断熱材は入れようがない」と誤解している実務者もまだ存在しているようです。
断熱材は文字通り熱を断つ物体ですから、家の外を中を物理的に遮断するものがなければ、当然タイルの床は外気温に近い温度になっています。
基礎断熱材も、安易に外側に設置するとシロアリの被害を受けやすいので要注意ポイントです。