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中国、日本の水産物輸入停止…日本経済への影響は?
『ショリスイ』『カク』
国番号【86】で始まる番号からの迷惑電話、福島県内の飲食店や旅館、自治体のみならず、全く関係のないラーメン店やバーなどに多数かかっているとの報道。
実際に電話をかけているところをSNSに投稿し、広告収入を狙う…といったことが言われていますが、言論統制が厳しい中国国内において、こういった行為が全くスルーされているというところ、さらに若者の失業率の実態が5割近いともいわれる中国という国に、何とも言えないものを感じています。
農林水産省の統計によると、2022年の水産物輸出総額は3,873億円、輸出先の1位は中国(871億円)、2位が香港(755億円)とのこと。合わせると水産物輸出総額の約42%を占めているそうです。
となってくると、今回の停止措置は日本の水産物輸出、水産業にとって大きな打撃となるのかもしれません。
一方で、日本からの輸出全体に占める割合からみると、中国および香港向けの水産物輸出は0.17%ほどであり、輸入停止が長引いても日本のGDP押し下げ効果は0.03%程度、日本経済全体に対する影響は限定的とみられています。
政府は、この規制の即時撤廃などを中国に求めていますが、合わせて、新たな輸出先の開拓などに政府一丸となり取り組むともされています。日本の美味しくて貴重な水産物、日本国内での消費拡大を喚起するような施策の実行を望みます。
しかしこの騒動が、他の産業分野へと広がってしまうのには不安があります。
現在、アメリカは対中ハイテク輸出規制を行っていて、それに対する報復として、半導体の材料となるレアメタル(希少金属)の輸出規制を始めました。
日本が半導体輸出規制でアメリカに同調した場合、日本にも同様の措置を取ることも想定されます。このようなリスクを想定すると、政府は処理水の放出による中国との関係悪化だけでなく、対中投資や輸出規制において、アメリカとの連携の在り方についても慎重に対処いただきたいところ。
8月10日に中国政府が日本への団体旅行を解禁して以降、日本国内の観光地でも旅行者の増加が見込まれます。インバウンド需要の増加にも期待はありますが、経済のみならず安全保障の面でも大きく影響のある国だけに、私たちは今後の日本政府の対応に注視していく必要があります。