物価高対策はマスト!固定費とは?削減方法、節約術を考える
10月から変わるふるさと納税のルールとは
ふるさと納税は、2008年に制度が開始されましたが、その後、2011年の東日本大震災後に利用者が急増。ボランティアや募金と合わせて、被災者被災地支援の意味でもふるさと納税が活用されるきっかけとなりました。現在では、ふるさとだけでなく、自分の意志で応援したい自治体に寄付ができ、『その寄付額のうち2000円を超える部分について、(一定の上限はありますが)所得税と住民税から原則全額が控除される=節税効果もある』として、利用者が毎年増加しています。
直近のふるさと納税利用者は日本全体で約890万人。利用率は14.9%、7人に1人以上が利用している計算になります。
ふるさと納税の節税効果と目的は
2000円を超える全額が控除できる寄付金額の一覧(目安)
マイボスコム株式会社が2021年12月に実施した、ふるさと納税に関するアンケート調査によると、ふるさと納税経験者が寄付をしようと思った理由(複数回答)では、「寄付の特典(返礼品)が魅力」が70.6%、「寄付をした金額は税金から控除、還付される」が49.1%などとなり、返礼品の内容に魅力を感じる自治体に寄付が集まっている傾向が分かります。
一方で、ふるさと納税を利用=居住地以外の自治体に寄付をした影響で、横浜市、名古屋市、大阪市など大都市の住民税収が大きく減るなど、税金の流出に頭を悩ませている自治体もあります。
国としてもこのような状況を受け、総務大臣通知として各都道府県知事宛に、各自治体で行う返礼品の送付について、制度控除の趣旨を踏まえた良識ある対応を求めました。
改悪?ふるさと納税のルールはどう変わる
このような流れの中、2023年10月からは、寄付を集めるための基準が厳格化されます。
元々、ふるさと納税の返礼品については「寄付額の3割以下」、「発送などの経費まで含めて寄付額の5割以下」のルールがありました。
この10月からはこの5割ルールが厳格化、ふるさと納税のPRサイトに支払う手数料や寄付金の受領証の発行費用、ワンストップ特例に関する申請書の受付事務費なども事務費用に含み、5割以下となります。
また、人気のある熟成肉、精米についてもルールが変わります。これまでは、自治体内で加工された食品であれば、他県や海外で生産された肉や米でも”地場産品”と言えましたが、今後は都道府県内で生産されたものに限定されます。
この制度改正によって、熟成や加工だけした熟成肉、精米を地場産としていた自治体は、取り扱いをやめざるをえなくなり、10月以降は利用者の選択肢が減り、お得感も減ることが想定されるため、この9月内に駆け込みする寄付者が増えそうです。
先日開始された東京電力福島第一原発の処理水放出から、中国が日本産海産物の輸入を全面停止しています。生産者には大きな打撃となる反面、ふるさと納税で北海道産のホタテを返礼品に希望する人が急増。自治体には、禁輸に負けないでなどの応援コメントも寄せられていることも鑑みると、自分が応援したい自治体への寄付ができること、そして税額控除の恩恵、改めて制度の原点に立ち返る機会とも感じます。