食糧危機への不安。また、『貯蓄から投資へ』は金融市場には追い風となる?
今年のGW、国内旅行が大盛況
外国から日本にやってくる観光客が急増しています。
2023年、こうした外国旅行者による消費、インバウンド需要は4.96兆円と、コロナ前を上回る予想も出ています。2022年10月に日本の水際対策が緩和されたこと、さらに円安などの効果もあり、中国を除く東アジア、とりわけ韓国や台湾、香港などからの訪日客が大きく増加しているそうです。また、アメリカやシンガポールなどからも多くやってきています。
JTBが消費者アンケートや販売状況、航空会社の予約状況などから予測したデータによると、日本国内においても、ゴールデンウィークの国内旅行者数は2450万人と1969年の調査開始以来過去最多。一方で海外旅行に出かける日本人は、円安なども影響しコロナ前の2割ほどにとどまりそう。
国内と海外を合わせた旅行消費額は、9040億円と、コロナ前の2019年の8割まで回復するとの予測が出ました。
そんな状況の中、東京都内のホテル宿泊料金が、なんと2倍から3倍の水準まで高騰しているのです。
さらに、値段が高いだけならまだしも、ホテルの部屋自体が足りず予約が取れない状況。
コロナ禍で潰れたホテルが少なくないことや、ホテルの人員が足りず空き部屋を提供できない事情などが重なっています。
一泊十数万円もする高級ホテルの予約も好調なんだとか。
旅行に行きたいけどお金の負担が重いから近場で……と考えるのは私のような庶民ですが。
それでも、民間調査会社のインテージが発表した、2023年のゴールデンウィークに使う平均予算は前年比1.7倍の27,870円。
こうしたお出かけ需要を見込み、オリエンタルランドやJRなどのレジャー関連銘柄が、軒並み年初来高値を更新しています。
ゴールデンウィーク期間だけで、日本人と外国人の合計旅行消費額は2.9兆円と予測されていて、経済回復の起爆剤となってくれそうです。
緊張高まる中東情勢…エネルギー価格はますます高騰か?
ロシアのウクライナ侵攻、台湾有事のみならず、中東情勢への懸念が高まっています。
中東は歴史的にも情勢が不安定な地域ですが、現在の懸念は「イスラエル対イラン」の戦争リスク。
イスラエルでは、ネタニヤフ首相の詐欺や贈収賄疑惑により、過去最大の抗議デモが勃発するなど国内の混乱が続いています。
首相は国内世論の批判をそらすため、パレスチナやイランなど周辺国との緊張をあおり、紛争の口実を模索しているともとられていて、地政学リスク(=戦争リスク)が高まっています。
中東で紛争が起れば、エネルギー価格の高騰のみならず、輸送路の遮断などによるサプライチェーンの混乱、金融市場の不安、テロ行為の増加など、世界経済にとってもウクライナ侵攻を上回る悪影響が考えられます。
特に日本は原油の輸入を98%中東に依存、過去最大となっており大きな影響が想定されます。
また、サウジなどOPEC加盟国は、ロシアや中国との距離を縮めており、世界の警察といわれたアメリカの影響力も弱まっています。
私たちの日常生活にも大きな影響を及ぼす中東情勢、無関心でいることなく今後も注目していく必要があります。