日銀の金融政策、YCCの柔軟化とは?長期金利、短期金利は今後どうなるのか
FRBは12月に利上げ幅を縮小する!? 円安は終わるのか?
アメリカFOMC(Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で、米国の金融政策を決定する会合)の結果と、FRBパウエル議長の発言により、株価や為替が大きな影響を受け乱高下する環境が続いてきました。
これまで、インフレ対応のため利上げを続けてきたアメリカ、ここにきて変化もあります。
発表の内容と今後の見通しを考えます。
アメリカの金融引き締めはいつまで?終わりは…
11月2日のアメリカFOMCにおいて、FRB(日本でいう日銀)は、市場の事前予測通り0.75%の利上げを決定しました。
0.75%の大幅利上げは4会合連続となり、アメリカの短期金利は3.75~4%となりました。
これは2008年1月以来、約14年半ぶりの水準となります。
今回のFOMCで最も重要だったのは、利上げペースの縮小について示唆したことです。
「利上げが行き過ぎて、遅れて景気を著しく悪化させてしまう=オーバーキル」のリスクを考慮したものとみられます。
日米金利差の拡大が落ち着く?との見方から、146円近くまでドル安円高が進みました。
円安の流れは一旦止まるのか?
今回のFOMCの声明文をふまえると、利上げ局面も終盤戦に入ったともとれ、同時に、これまで金利に影響を受けてきた円安も終盤戦に入ったと考えられます。
次回12月のFOMCでは0.5%の利上げがすでにおりこまれており、年末のアメリカの短期金利は4.25~4.5%となる見通し。
来年以降も利上げは続くものの、0.25%幅となり、2023年前半には利上げを停止するとの見方もあります。
為替市場はこのことを織り込み始めているため、ドル高円安も一巡するとみられます。
私の顧客においても、年初には想定できなかった円安を受け、米ドル建て生命保険の解約で利益を得た方がいますが、ドル資産を円に換える…こういった行動もタイミングは難しいところ。
長期的な円安傾向は変わらないものの、短期の為替動向には注意が必要です。
アメリカ景気、失速のサイン?”逆イールド発生”…米国株は暴落するのか…
債権においては通常、満期までの期間が長いほど金利は高くなります。
しかし直近、アメリカ3か月国債の利回りが10年国債の利回りを上回る逆イールド現象がおきました。
いわゆる、景気失速の強いサインとされます。
過去には2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2020年のコロナショック…といった世界的な経済危機の前にもアメリカで逆イールドが起きていました。
今回、2年半ぶりに発生したため、株式市場で警戒感が高まっています。
今後のアメリカ株価、暴落はあるのか…
アメリカでは、インフレを抑え込むために利上げが続いていますが、その反動で将来的な景気先行きに不安を覚える人が多くなっているとも言えます。
投資行動を考えるにあたっては、米国株式暴落の可能性も出てきていることを念頭に置く必要がありそうです…