さらなる円安どこまで…円安に備える手段は? 円安対策の限界
米国の金融引き締めが長期化するのではとの警戒感強い
8月第4週の日経平均株価は約1%安、週間ベースで4週間ぶりの下落となりました。
米国の金融引き締めが長期化するのではとの警戒感が強く、一旦リスク回避行動をとる投資家が多くなっています。
守りの金融逃避先として、配当利回りの高い株が買われています。
米国株式市場では、FRB(日本でいう日銀)パウエル議長が、改めて金融引き締めを継続する姿勢を見せたことで大幅安となりました。
9月21日からのFOMC(金融政策決定会議)までは、金利の先行き不透明感が強いため、上昇しづらい相場環境が続きそうです。
中国製品への依存度が過去3年間で上昇中…世界経済のリスクに
日本では5月11日に経済安全保障推進法が成立し、半導体やレアアースなど重要物資の中国依存度引き下げが目指されています。
それでも中国製品への依存度は高く、様々なことが危惧されています。
中国のシェアは拡大中
日本のみならず、先進各国は経済安全保障の観点から、中国製品への依存度低下を図っています。
また、中国自身も、制裁措置などによりサプライチェーンが突然遮断されるような事態を避けるため、先進国との貿易関係を低下させようとしています。
にもかかわらず、世界の輸出額に占める中国のシェアは、過去3年間で上昇しています。(13%→15%)
同時期で、米国のシェア(8.6%→7.9%)、日本のシェア(3.7%→3.4%)、ドイツのシェア(7.8%→7.3%)へと、それぞれ低下していて、中国にシェアを奪われた形となっています。
どんなリスクに発展?
中国製品への依存度が高まっていることは、足元の世界経済に逆風となっている面もあります。
例えば、直近『ゼロコロナ政策』により、事実上の都市封鎖を断行したことは、中国経済のみならず、中国への依存を高めている海外経済にも大きな打撃となりました。
異常気象などによる電力供給不足からの計画停電なども大きな影響を及ぼしました。
また、今後も米中対立が激化していく可能性が高い中国、中国依存が強い現状では、経済制裁などの措置も取りづらくなるため、中国が強硬的な手段を取ろうとする際の抑止力が弱まることになります。
これらの視点からも、中国依存をいち早く脱却することも重要と言えます。
ユニコーンに乗って…も、冬の時代は長期化見通しか?
世界中のユニコーン企業(企業価値10億ドル以上の未上場企業)による資金調達に急ブレーキがかかっています。
カネ余りを背景にしたユニコーンバブル的環境が、各国の金融引き締めにより一気にしぼみ始めているそうです。
未上場企業の株は時価が見えづらいため、金融引き締め時などはベンチャーキャピタルが追加出資に慎重になります。
追加の資金調達がしづらくなる事で、ユニコーン企業の成長速度は鈍化し、弱体化してしまうおそれが…
日本でもIPO(新規上場)が激減していて、上期は前年比3割減(調達額は8割減)となっています。
欧米に比べた割安感から、海外投資家の資金は日本のスタートアップ企業に流れていましたが、今後、減少していくかもしれません。
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